ドコモが「5Gのパケ止まり」問題の要因と、それを解決する2つの対策を発表
株式会社NTTドコモは、快適に5Gを利用するために、2021年10月中旬までに全国で対策を順次実施する。
課題は「5Gエリアの端などの電波品質の悪い環境において、通信速度が極端に低下すること」。その結果、アプリケーションやブラウザがエラーとなる事象、いわゆる「パケ止まり」が発生する。ドコモでは「エリア拡大期の5Gにおける課題のひとつ」としている。
5G「パケ止まり」を起こす要因
具体的な原因は「現在の5Gのエリアが連続していないため。エリアの端になる場所が多く、このような5Gの電波品質が悪い環境においても、電波品質の良い4Gではなく5G単独の通信を継続する場合がある」としている。すなわち、5Gエリアの端では電波の品質が悪くなるため、スムーズな4G LTEに切り替わって通信するべき、ということを示している。
ドコモが提示した2つの対策
ドコモはこの課題に対し、2つの対策方法を実施していく。ひとつはエリアの端を減らしていくためにも「5Gエリアの積極的な拡大」を行うこと。もうひとつは電波品質の悪い環境下でも通信を保つための「ネットワーク装置のチューニング」を行うこと。
「5Gエリアの積極的な拡大」については、2021年度末までに5G基地局2万局、人口カバー率55%の達成をめざしていて、この目標を着実に達成していく。それによって5Gエリアを面的に広げ、エリアの端を減らす考えだ。
「ネットワーク装置のチューニング」については、10月中旬までに装置の設定変更を2種類実施する。
ひとつは、5Gの電波品質の悪い環境において、5Gと4Gを最適に組み合わせるチューニング。さらに、5G基地局配下の端末あたりに割り当てる周波数帯域を最適化するチューニングも行う。これらのチューニングの実施によって、既に対策が完了している地域では、5Gへの接続成功率が約10%改善し、5Gと4Gを組み合わせる環境での5Gに流れるデータ量が約30%改善したことを確認しているという。
ドコモは「通信品質向上の取り組みには終わりが無く、これらの対策に限らず各種取り組みを継続して実施することで、今後もお客さまへの一層のサービス向上に努めてまいります」とコメントしている。