取り付けるだけで移動ロボットを作れるCuboRexの「CuGo」300台導入突破 自動除草ロボットなどの導入事例を公開
株式会社CuboRexは農地や建築現場等の凸凹な「不整地」と呼ばれる場所での作業負担軽減や効率化に取り組むため開発した産業ロボット向け電動クローラユニット「CuGo」が発売開始から21ヶ月で累計販売台数300台を突破したことを発表した。また、CuGoを活用した自動除草機・収穫サポートロボット等、最新導入事例4社を公開した。
産業ロボット向け電動クローラユニット「CuGo」開発の背景
CuGoは大学等の研究機関やスタートアップ等で開発された産業ロボットを移動させるための「足」として利用される電動クローラユニット。組み立てて取り付けることで、なんでもすぐに移動ロボット化させることができ、特にタイヤでは走行できない農地や建築現場等凸凹な「不整地」での走行性に優れている。
従来、不整地での移動ロボット開発は受託開発が一般的で、開発にコストも時間もかかることが課題だった。これに対し、「CuGo」はクローラ自体に動力を内蔵・パーツ化させ、何にでも簡単に取付けられるようにしたことで、移動ロボット化のコスト圧縮と時間短縮の両方を実現させた。
CuGo活用 産業ロボット開発事例
1.東京大学大学院農学生命科 海津裕教授「小型自動除草ロボット」
農家の「農作業の中でも除草が特に大変で、ロボットでなんとかならないか」という声から作られた自動除草ロボット。狭い畝の間も自動走行して草を刈り、重たい雑草を載せて安定して走ることができる。海津教授は他にも自動栗拾いロボット、農作物の成長観察ロボット、農地内マップ制作用移動ロボット開発も予定している。
2.ロボット開発研究者 橋本さん「みかん収穫サポートロボット」
自身がみかん農家の収穫手伝いをしヘルニアになった経験から、農家の腰痛軽減の力になりたいと開発された「みかん収穫サポートロボット」。傾斜地の多いみかん農家にとってみかんの運搬が最も腰に負担になるため、農作業者はもいだみかんをかごにいれるだけにし、傾斜地でも安定して作業者を追従してくれるロボットになっている。
3.仙台高等専門学校 園田潤教授「行方不明者探索やインフラ点検用地中レーダーロボット」
東日本大震災の行方不明者探索のため、砂浜のような不整地を地中レーダーで自動探索可能にしたロボット。その他にも人が入りづらい堤防等のゆみや空洞を見つけたりといったインフラ点検での活用も考えられている。園田教授はこの他に海ゴミ回収ロボットのプロトタイプも開発し、実用化を目指している。
4.株式会社Quantomics 坂本代表「自律走行型作物数カウントロボット」
農作物を品質改良するための栽培試験において、どの品種が最もよく育つかを知るため、カメラによって農作物の数をカウントするロボットを開発中。従来の栽培試験では人が見て一つずつ作物の数をカウントしていたが、ロボットが農地内を自律走行して数をカウントすることで品種改良を効率化させる予定。
人力による運搬や作業負担を減らす移動ロボットを簡単に作れるCuGoは、現在多く活用されているスマート農業以外にも土木等のスマートコンストラクション分野、人が入れない災害現場など幅広く活用可能。CuboRexはあらゆる不整地産業での移動ロボット化に対応可能にするため、今年度内にCuGoのバーションアップを予定している。
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株式会社CuboRex
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山田 航也横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。