新作VRゲーム「ディスクロニア: クロノスオルタネイト」の報道発表会が10月28日(木)にオンラインで配信された。
『DYSCHRONIA: Chronos Alternare』(ディスクロニア: クロノスオルタネイト)は、初見ではかなり読みづらいタイトルだが、「東京クロノス」などクロノスユニバースシリーズの最新作となる。2022年のリリースが予定されている。
VR版と任天堂Switch版を開発中
さて、クロノスユニバースはどこが注目ポイントなのかというと、VRを使ったアドベンチャーゲームということ。多くのVRタイトルは、ジェットコースター的な体験型アクションとなっていて、それらは既にたくさんのタイトルが存在する。そんな中、謎解きと探索を中心にしたアドベンチャーゲームをVRタイトルとして発売するケースは珍しい。VR酔いが心配なユーザーにも楽しめる可能性が高いことも特筆点だ。
オールインワン型VRヘッドセット「Oculus Quest 2」用のVRミステリーアドベンチャーゲームとしてリリースされる。
そしてもうひとつの注目ポイントは、VRミステリーでありながら、Non-VR版としてNintendo Switch版も発売されることだ。Oculus Quest 2(VR)版とSwitch(Non-VR)版の両建てで発売されるタイトルは今まで記憶にない。
当日発表されたPVはこちら。
市場的にも面白い試みだ。「Oculus Quest」で知られるFacebook社が名前と戦略を大きく変更することでVR市場も今後はなにかしら動きがありそうだが、VRというと敷居が高いイメージがあるものの、Switch版も用意されることでゲーム自体の敷居を下げたり、それをきっかけにしてVRゲームの方に興味を持つユーザーも増えてくる可能性がある。
クロノスユニバースとは
前述の通り、MyDearest株式会社は、クロノスユニバースの最新作『ディスクロニア: クロノスオルタネイト』の最新情報を10月28日(木)に発表した。ディスクロニアは、「クロノスユニバース」(CHRONOS UNIVERSE)の最新作にして第三作めとなる。
第一作は「東京クロノス」。OculusによりEssensials(推奨作品)に選出されたVRミステリーアドベンチャーゲームの先駆けだ。
第二作は東京クロノスの300年後を舞台にした『ALTDEUS: Beyond Chronos(アルトデウス: ビヨンドクロノス)』で、2020年12月に「Oculus Quest 2」のローンチタイトルとして発売された。「アルトデウス」も高い評価を受け、VRゲーム初となる「ファミ通・電撃ゲームアワードのアドベンチャー部門」で最優秀賞にも輝いた。
第三作が「ディスクロニア: クロノスオルタネイト」となる。MyDeaerest社が次に挑むのは「VRノンストップ捜査アクション」という新次元、異色のジャンルとなる。VR版とSwitch版が両建てで成立するのか、と首を傾げる人も多いかと思う。ところがそこに意外な接点がある。
「VRでは両手をコントローラに見立て、別々に使って楽しむが、ディスクロニアでは主人公の左手では”過去が見える”という特殊な機能が与えられ、右手では通常の探索を行うものとなっている」とこの日の発表会で説明があった。そして更に面白いのは「Switchのゲーム機の特徴のひとつも両手それぞれにコントローラがあること。VRの手と同様の役割を与えられる点」に着目したことだ。Oculus Quest 2版とSwitch版が両立する理由がここにあるようだ。
声優の石川由依さんがゲストで登場
発表会では、「東京クロノス」で二階堂華怜(役)、「アルトデウス」でアニマ(役)を演じた声優の石川由依さんがゲストで登場した。石川さんは「進撃の巨人」ミカサ・アッカーマン役、ヴァイオレット・エヴァーガーデン役でも知られているが、最新作の「ディスクロニア」にも出演する。
オンライン記者発表会では登場人物と主要キャストも発表され、主要キャストの声優がビデオメッセージを寄せた。
いやがおうにも発売を待ち望む「クロノスユニバース」ファンの気持ちを高ぶらせることとなった。
「ディスクロニア」のストーリー
最新作「ディスクロニア」の舞台は海上都市「アストラム・クローズ」。犯罪のない楽園とも呼ばれるこの地で、その楽園を生んだ博士が殺される殺人事件が発生する。主人公のプレイヤーは監察官として捜査していく。「手に取り・移動し・解き明かす」 様々なギミックを自らの手で突破することでしか体感できない物語が展開される。VRでの没入感は想像するだけでワクワクする。手軽に楽しめるSwitch版にも期待したい。
実はこの記事を書いている筆者も、昔はアドベンチャーゲームをやりこんだゲーマー。「デゼニランド」(カセットテープ版)「軽井沢殺人事件」「ポートピア連続殺人事件」「北海道連鎖殺人 オホーツクに消ゆ」「かまいたちの夜」などは記憶につよく残っていて、J.B.ハロルドシリーズは個人的には最高峰だと思っている。閑話休題。
そんな著者にとってもアドベンチャーの没入感とVRが合体したこの世界観は期待感でいっぱいだ。
■『ディスクロニア: CA』アライアンス記者会見&新規タイトルオンライン発表会
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神崎 洋治神崎洋治(こうざきようじ) TRISEC International,Inc.代表 「Pepperの衝撃! パーソナルロボットが変える社会とビジネス」(日経BP社)や「人工知能がよ~くわかる本」(秀和システム)の著者。 デジタルカメラ、ロボット、AI、インターネット、セキュリティなどに詳しいテクニカルライター兼コンサルタント。教員免許所有。PC周辺機器メーカーで商品企画、広告、販促、イベント等の責任者を担当。インターネット黎明期に独立してシリコンバレーに渡米。アスキー特派員として海外のベンチャー企業や新製品、各種イベントを取材。日経パソコンや日経ベストPC、月刊アスキー等で連載を執筆したほか、新聞等にも数多く寄稿。IT関連の著書多数(アマゾンの著者ページ)。