Telexistence、新型ロボット『TX SCARA』を発表 飲料陳列業務を独自AIシステムで自動化「ファミリーマート経済産業省店」に導入

Telexistence株式会社と株式会社ファミリーマートは、Telexistenceの独自AIシステム『Gordon』を搭載した新型ロボット『TX SCARA』を「ファミリーマート経済産業省店」(東京都千代田区霞が関)に導入することを発表した。バックヤード内での飲料補充業務を人に代わって24時間行うことで、販売量が多く、店舗スタッフへの身体的負荷が大きい低温環境での業務の自動化を実現する。


新型ロボット『TX SCARA』について

『TX SCARA』はTelexistence(以下、TX)の技術特性を生かし、バックヤードの狭いスペースで稼働可能な水平多関節型のロボットで、通常時はTX独自のAIシステム『Gordon』が自動制御する。陳列失敗時にはTelexistence(遠隔操作)モードへ移行し、インターネットを通じて人が遠隔から直接的、直感的にロボットを制御し迅速に復旧を行うことが可能。また、『Gordon』は店舗の過去の販売実績データを学習することで、時間帯や季節により変化する商品の売れ筋に合わせ、『TX SCARA』による陳列タイミングを最適化する。こうしたロボティクス・AI技術の活用により、一日約1,000本行われている飲料陳列業務を、ロボットが人に代わって24時間担う。一方、店舗スタッフは売り場を離れることなく、接客業務など、より付加価値の高い業務に取り組むことができる。


ファミリーマートとTXは「ファミリーマート経済産業省店」の運営を通じて、作業工数が大きく、人間への負担も重い商品陳列業務を自動化・遠隔化することで、インターネットがあれば安全に、どこからでも店舗スタッフがロボットを通じて就労可能な、新しい店舗オペレーション構築を実現する。同時に、ロボットを導入しやすいロボットフレンドリーな環境を継続的に模索することにより、生産性の向上や非接触化、ユーザーの利便性向上を加速していく。

なお、この取り組みはファミリーマートが2019年11月より参画する経済産業省における「ロボット実装モデル構築推進タスクフォース」の一環でもあり、ロボットを活用した店舗の省人化や新しい店舗オペレーション基盤の構築を目指している。


『TX SCARA』の特徴

・『TX SCARA』
CVSバックヤードでの飲料陳列にロボットの関節軸構成やリンク長などを最適化した自社開発ロボット。既存店舗のバックヤード環境を変更せずに導入可能なハードウェアを実現。

・『Gordon』
TX独自のAIシステムであり、セルフ・スキャニング・モジュールにより冷蔵ケースの商品充足状況や陳列すべき飲料の把持点などを認識し、把持から陳列までのエンドエフェクタの経路計画生成を行う。

・Telexistenceモード(遠隔操作モード)
想定していない環境変化が原因でAIによる陳列が失敗した場合、Gordonモード(自動制御モード)からTelexistenceモードへ移行。インターネットを通じた人による直接的なロボット制御で陳列業務を100%成立させることが可能。いわゆるAIの「フレーム問題」、人工知能の不完全な部分をTXの遠隔操作技術で補完している。

「フレーム問題」について
現状の人工知能は、与えられた課題を解くに際し、現実世界で起こり得る無数の事象から、今行うべき判断や動作に必要な情報のみを『枠(フレーム)』で囲うように抽出し、それ以外の情報を無視して試行する。しかし、何が自身にとって必要な情報で、何が自身にとって無視してもよい情報であるのかを自律的に判断することができないため、抽出に無限の時間がかかってしまうという問題。


Telexistence株式会社について

Telexistenceはロボットを変え、構造を変え、世界を変える、をミッションとし、遠隔操作・人工知能ロボットの開発およびそれらを使用した事業を展開するロボティクス企業。世界中から高い専門性をもつ人材が集まり、ハードウェア・ソフトウェア、AI、遠隔操作技術を一貫して自社で開発している。ロボットの活躍の場を工場の外にまで広げ、労働に関わる社会の基本的なあり方を変革することを目指す。なお、新型ロボット『TX SCARA』の開発は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成を受けて実施している。

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山田 航也

横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。

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