ドローンで熊本黒川温泉に医療物資を配送する実証実験 災害時の道路寸断を想定

一般社団法人救急医療・災害対応無人機等自動支援システム活用推進協議会(通称:EDAC、イーダック)は株式会社リアルグローブと共同で、熊本県南小国町及びエアロセンス株式会社協力のもと、過疎地域等における無人航空機を活用した物流実用化事業の実証実験を実施することを発表した。(上の画像は10月20日に実施した食材等の配送)


ドローンを活用した物流実用化事業の実証実験について

同事業は環境省「社会変革と物流脱炭素化を同時実現する先進技術導入促進事業」の採択を受け実施する事業であり、物流におけるCO2排出量削減とともに人口減少・高齢化に伴う労働力不足、地域の物流網維持、防災・減災等の課題解決を図り、社会変革を同時実現するため、物流の脱炭素化・低炭素化に資する先進的な設備導入、取り組みを実施することを目的としている。

熊本県南小国町とは2017年に「ドローンを活用したまちづくり協定」を締結しており、日頃からドローン及びドローン映像等の遠隔情報共有システムHec-Eyeを町内の様々な産業にて利活用を推進している。

実証実験では第1回目の実証を10月20日に実施し、その際は現在町民向けの買い物支援事業として運営されている移動販売車「きよら号」での配送をドローンに置き換えた場合を想定し、ドローンを活用しての食材等の配送を行った。




今回の第2回目の実証では、災害時の道路寸断による孤立集落を想定し、黒川温泉へドローンを活用しての医療物資の配送を行う。実証を通して、災害時の救急配送のルート、実現性の確認を行う。また実証時には南小国町に導入されているHec-Eyeを活用し、スマートフォンからの必要物資の配送依頼と依頼内容をもとに配送しているドローンの映像や位置情報等の確認についてモニタリングする。


実証実験の特徴

特徴1.使用するドローンにはLTE回線のSIMカードが搭載され、空中で直接通信し映像などの各種情報を地上に配信可能

使用機体:エアロボウイング

特徴2.南小国町に導入済のドローン関連システム「Hec-Eye」に、ドローンの各種情報(位置、映像など)がリアルタイムで連携され、複数拠点でのドローンの運行状況の確認が可能。


特徴3.災害時を想定した実証の実施により、南小国町役場から黒川温泉付近までの飛行ルートの実現性が確認されるため、災害時の土砂崩れなどによって道路が通れなくなった場合でも、緊急物資を黒川温泉まで搬送が可能。

飛行ルート:南小国町波居原体育館〜親水公園(飛行距離は約6.3Km)※着地地点は安全性等も考慮し、黒川温泉ではなく若干離れた地点に設定している。なお、当日の状況によっては、離着陸地点が変更になる可能性がある。

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山田 航也

横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。

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