GTCの基調講演でNVIDIAの創業者/CEOであるジェンスン フアン(Jensen Huang)氏は、日常的な運転のストレスと煩わしさを取り除くためのAIプラットフォームであるNVIDIA DRIVE Concierge(ドライブ コンシェルジュ)とDRIVE Chauffeur(ドライブ ショーファー)を発表した。
DRIVE Conciergeがデジタルアシスタントの役割を果たす
ソフトウェアデファインドの車両にはNVIDIA DRIVE Orinで構築された2つの重要なコンピューターが内蔵されるようになる。1つはAIアシスタントであるDRIVE Conciergeであり、もう1つは自律走行を強化するDRIVE Chauffeur。NVIDIA DRIVE IX テクノロジとNVIDIA Omniverse Avatarを基盤とするDRIVE Conciergeは、NVIDIA DRIVE AV テクノロジを基盤とするDRIVE Chauffeurと緊密に連携し、車内での搭乗者体験を再定義する。
Omniverse Avatarが音声でのインタフェースに
DRIVE Conciergeがあれば車の搭乗者は常時稼働しているインテリジェントなサービスを利用できる。これにはリアルタイムの対話型AIを可能にするNVIDIA DRIVE IXとNVIDIA Omniverse Avatarが使われる。Omniverse Avatarは音声AI、コンピュータービジョン、自然言語理解、レコメンダー エンジン、そしてシミュレーションといった領域における、NVIDIAのテクノロジが組み合わされたもの。このプラットフォームで作成されたアバターは、レイトレーシングされた3Dグラフィックスによるインタラクティブなキャラクターで、見ること、話すこと、多様な話題について会話することができ、自然に話された意図を理解することができる。Omniverse Avatarのテクノロジにより、DRIVE Conciergeはすべての人のデジタル アシスタントの役割を果たすことが可能になる。
おすすめを提案したり、レストランへの予約を入れたり、通話を支援したりするほか、車内に財布の置き忘れがあるような場合は通知も行う。運転者と同乗者一人ひとりにパーソナライズされるため、車の搭乗者全員が自分のパーソナルコンシェルジュを持つことができる。そしてOmniverse Avatarのテクノロジにより、これらのアシスタントは驚くほどインテリジェントになる。
Omniverse Avatarによって、車との自然な会話が可能になり、以前はボタンやタッチスクリーンでの操作が必要だった多くの機能を音声でコントロールできるようになる。GTC基調講演中に紹介されたDRIVE Concierge AIプラットフォームのデモでは、正面のダッシュボード画面に表示されたデジタルアシスタントが、運転者が時間通りに目的地に到着するための最適な走行モードの選択をサポートし、さらに到着までの距離が100マイル以下になったらリマインダーを設定するというリクエストに従う。
DRIVE Conciergeはオンデマンドの駐車係でもある。車を駐車してくれるため、運転者は楽に先を急ぐことができる。また、守護者(ガーディアン)でもあり、車内カメラとマルチモーダルインタラクションを使って、必要な場合に運転者の注意が道路に向くようにする。Omniverse Avatarの3Dグラフィックスにより、運転者と同乗者は車のAIが何を考えているのかを見ることができる。DRIVE ConciergeはDRIVE Chauffeurと緊密に統合されており、高品質な360度の4D可視化を低遅延で提供する。そのため、運転者はゆったり座ってChauffeurの安全な運転に身を任せることができる。
このようなシステム間の連携により、DRIVE Conciergeは車両の呼び出しや駐車場の探索、ニューラルグラフィックスを使った車両の3Dサラウンドビューの再構築などの機能も実現する。
AIが運転時のストレスを解放
日常的な運転では、公道をいつも自由に走れるわけではないのが現実。交通渋滞のような事態があると、ドライブはたちまち退屈な雑事になってしまう。DRIVE ChauffeurはNVIDIA DRIVE AV SDKを基盤とするAI支援運転プラットフォームであり、高速道路と市街地の道路のどちらもこの上なく安全に運転することができる。これにより人間の運転者は常に車両を制御し、周囲の状況を監視するという重荷から解放され、貴重な時間とエネルギーを取り戻せる。
DRIVE Hyperion(ハイペリオン)8の高性能コンピューティング アーキテクチャとセンサーセットを使用するDRIVE Chauffeurは、ある住所から別の住所へと運転することが可能。自身で運転したい人にはシステムがアクティブセーフティ機能を提供し、危険なシナリオのときには介入する。DRIVE Chauffeurのパイプライン全体が世界を4Dで認識するよう設計されており、堅牢で効率的な自律走行を実現する。DRIVE ConciergeとDRIVE Chauffeurは運転体験を革新させ、相互連携することであらゆる人の通勤をこれまでになく安全、便利で楽しいものにしようとしている。
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山田 航也横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。