「embotアイデアコンテスト 2021」最終選考会の受賞者を発表 最優秀賞は「守れ宝箱! ぼくのスーパーembotくん」ゲームから着想

プログラミング教育サービス「embot」(エムボット)の企画・開発・研究を行う株式会社e-Craftは2021年10月31日に小学生を対象としたロボットプログラミングのコンテスト「embotアイデアコンテスト 2021最終選考会&表彰式」をオンラインで開催し、小学生が作ったオリジナルロボット12作品から最優秀賞が決定したことを発表した。


embotアイデアコンテストについて

「embotアイデアコンテスト」は子どもたちに「プログラミングのスキルを用い、アイデアを形にする“デジタルなモノづくり”に挑戦してもらいたい」という想いから、2019年にスタートし、今年で3回目の開催となる。タカラトミーから発売されているプログラミング教育ロボット「embot」を使い、小学生が自由な発想でつくりあげたオリジナルのロボット作品を、「アイデア力」「工作力」「表現力」の3つの観点で審査し、優秀作を表彰した。コンテストには毎年全国から素晴らしい作品が集まり、今年は一次審査の結果、最終選考に12作品が選ばれた。




最優秀賞はゲームから着想した「守れ宝箱! ぼくのスーパーembotくん」

最終選考会と同日に行われた表彰式では、「最優秀賞」のほか、協力・協賛企業6社による優秀賞6作、さらに「審査員特別賞」6作が選ばれた。2021年度の最優秀賞となったのは、大阪府に住む小学6年生、宮﨑勇斗(みやざきゆうと)さんの「守れ宝箱! ぼくのスーパーembotくん」。

最優秀賞:「守れ宝箱! ぼくのスーパーembotくん」宮﨑勇斗さん(大阪府、6年生)

iPadを宝箱の蓋の部分に収納し、蓋を開けると、「スーパーembotくん」から警告音が鳴り響く防犯ロボットと宝箱です。宝箱のロックは、収納したiPadを取り出して一定の順序で傾けると解除できるという仕組み。


宮崎さん本人による、プログラムの解説。

ゲームで主人公が宝箱をどんどん開けてしまうのを見て、簡単に開けられない宝箱をつくることを思い付いたということで、宝箱やロボットの「スーパーembotくん」は、RPGに出てくるキャラクターのようなデザインになっている。特に、「作るのに苦労した」という宝箱は、木目のシートを丁寧に貼り付けた見事な仕上がりで、他の参加者から「ほしくなる」というコメントも寄せられた。

コンテストで司会を務めた、embotの生みの親である“Master Nu(マスターヌー)”こと、株式会社e-CraftのCEO 額田一利氏は、「最終選考に残った作品はどれも素晴らしく甲乙つけがたかったが、タブレットを収納する宝箱の工作や工夫、プログラミングでは傾きを使ってアンロックするという、プログラミングと工作の一体感が素晴らしい」と、作品を高く評価した。

宮﨑勇斗さんのコメント

叫びだしたいぐらいうれしくて、うれしさを両親に伝えたいです。やっと人生で初めて一つのことを何か成し遂げた気がしました。将来はプログラマーに限らず、この経験を生かしてアイデア力で企画開発も目指していきたいです



表現力にあふれる6作品が企業賞として入賞

さらに、協力・協賛企業の名前を冠した賞には、以下の6作品が選ばれた。

●タカラトミー賞
「ペンペンファッションリーダー」樋口ことはさん(大阪府、3年生)

天気APIを使い、気温によって服を選んでくれるペンギン型のロボット。女の子らしいかわいい演出が隅々まで工夫され、審査員からは「実用化したい」と好評を得た。


コメント
「コンテストでは、みんなの作品がどんなのかなと、ドキドキしました。ペンペンを実際にお母さんにつかってもらったら、よかったと喜んでもらえました」

●インフォディオ賞
「なんじ?なんぷん?ちくたっくん」佐藤航(わたる)さん(大阪府、5年生)

2020年の最優秀賞を受賞した佐藤航さんの最新作。来年小学校に入学する弟のために、時計の読み方を教えてくれる「時計問題ロボット」を作ってくれた。


コメント
 「もっともっといろんな使い方ができると思うので、人のためになるロボットを作っていきたいです。来年はお父さんのためのロボットを作りたいです」

●島村楽器賞
「花火embot」川本倖生(こうき)さん(大阪府、4年生)

ロボットが点火に成功すると、打ち上げ花火が上がる演出が美しい作品。打ち上げたときの音楽も効果的で、完成度の高い作品になった。


コメント
「音楽をつけたけれど、楽譜が読めないのでそこから勉強しました。やった事がないことにチャレンジできてよかったです。次は好きな電車を使ってみたいです」

●キッズスター賞
「フィッシャーマンembot」小西慶義(みちよし)さん(東京都、2年生)

入賞者では最年少の小西さん。タブレットの向きで釣り竿が動き、波が動く演出をモーターとプログラミングで表現したアイデアなどが高く評価された。


コメント
「ゲームやプログラミングが大好きです。将来は、何かを作る人になりたいです」

●イオンリテール賞
「ハムハムだるま落とし」脇田理世さん(愛知県、4年生)

昔ながらの「だるま落とし」をロボットに融合させた作品。工作が大好きで、以前飼っていたハムスターをモデルにするなど、自分の「好き」が詰まった作品になった。


コメント
「embotは音や光が出せて、自分のプログラミングしたものがゲームや形になるところがいいと思います。今まで遊んだことのない、自分で考えたおもちゃを作ってみたいです」

●旭化成ホームプロダクツ賞
「ハンドボールガチ勢」酢豚のパイナップル/岩野新さん&清水悠介さん(大阪府、5年生)

最終選考作品では唯一のチーム作品で、2人の仲の良さも印象的だった。2人が好きな「ボール」をテーマに、2台のembotでハンドボールを楽しめるゲーム作品。


コメント
「幼馴染なので、小さいころから色々なことを一緒にやってきました。2人で参加するので対戦ができるものにしました。来年もコンテストに応募したいと思います」



審査員からのコメント

・株式会社タカラトミー NEXT事業室 企画開発課 課長 土肥雅浩氏

「毎年、どんどんレベルが高くなってきますね。APIを早速活用している方、デザインをCADを使って3Dプリントする方など、作品も家族やお友達の為に試行錯誤したものが多かったです。皆さんが大人になった頃に夢のある未来が見えそうです」

・株式会社インフォディオ 企画開発本部 アプリケーション開発部 リーダー 鈴木双葉氏

「発想の面白さと、工作やプログラミングの細部にまでわたるこだわりに、とにかく圧倒されました! embotの新しい機能である『API』を使いこなした作品もあり、とても嬉しかったです。作品だけでなく、クスっと笑える発表をする人、自分でプロ級の動画編集をする人……子どもたちのポテンシャルの高さにびっくりです。embotを始めたばかりの人も、気軽にコンテストに応募してみてください!」

・島村楽器株式会社 商品開発事業部 商品開発課 藤本勝久氏

「初めての参加でしたが、様々なアイデアに触れることができ、良い刺激を受けました。開発には、既存商品のブラッシュアップと新しいモノ作りがあると思います。今回はその両方の作品がありバランスがとれていたと思います。人の心を優しくさせるようなものを作品のテーマとして、仕上げることができたら素敵だと思います」

・株式会社キッズスター取締役 松本健太郎氏

「初めての参加でしたが、作品のみならず発表のレベルが高く、時間を忘れて楽しむことができました。ありがとうございます。特に印象に残った作品は、サーボを使い海の波を再現することで釣り場の空気感がしっかり伝わった『フィッシャーマンembot』です。プログラミングや工作を通じて、作品に「動き、音、光」といった命を吹き込んだ皆さんの作品に出会うのが、楽しみで仕方ありません」

・イオンリテール株式会社 イオンスタイルオンライン本部 ECシステム部部長 三好大介氏

「今回のコンテストでは商品化できる作品に出会えることを期待して参加させていただきました。イオンリテール賞に選ばれた脇田さんの『ハムハムだるま落とし』は、商品として一番近い作品だと感じました。ゲームとして、どうしたら人に喜んでもらえるかをよく考えられた作品だったと思います。今後も、多くの人を楽しませるものを作ってほしいと思います」

・旭化成株式会社 消費財マーケティング室 伊波雄貴氏

「プログラミングを使ったモノづくりとして、大変レベルの高いコンテストでしたので、とても驚いたと同時に感動いたしました。旭化成ホームプロダクツ賞を受賞された『酢豚のパイナップル』のお2人は、共同で一つの作品を作り上げる大変さと楽しさを経験されていて、またその経験が作品や発表動画に表れていたので、とても素敵でした。皆様のこれからのモノづくりがとても楽しみです。ぜひ頑張ってください」

司会を務めた額田氏は「embotアイデアコンテスト 2021」の総評として、「毎年コンテストには素晴らしい作品が集まり、年々レベルも上がっていますが、今年の最終選考会では1作品目の『フィッシャーマンembot』から、発想のすばらしさに圧倒されました」と話した。

最後は最終選考会12組の出場者チームと審査員、Master Nuで記念撮影。



embotのネットショップでクリスマスキャンペーンを11月下旬より開催

株式会社e-Craftは11月よりネットショップ「e-Craft shop」を本格オープンする。「e-Craft shop」では「embotスターターキット」のほか、embotをさらに楽しめる「とっておきダンボール」セット、embotと連携できる照度センサー「Sizuku LUX」、温度・湿度・気圧センサー「Sizuku THA」なども購入できる。また、オープンを記念して、12月7日まで「オープンキャンペーン」を実施する。12月17日17時までに注文した人は送料とラッピングが無料になる。

画像は開発中のもの

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山田 航也

横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。

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