NVIDIA、2024年モデル車両向け量産対応の「DRIVE Hyperion」を発表 コンチネンタルやソニー等のセンサーに対応

NVIDIAの創業者/CEOであるジェンスン フアン(Jensen Huang)氏は「GTC 2021」の基調講演にて、2024年モデル車両向けの「DRIVE Hyperion」(ドライブハイペリオン)が準備できたことを発表した。

NVIDIA DRIVE Hyperion8は、完全自動運転システムを実現するコンピューターアーキテクチャーとセンサーのセット。この最新世代のテクノロジは最高レベルの機能安全とサイバーセキュリティの実現を目的としており、大手サプライヤーであるContinental、Hella、Luminar、Sony、Valeoのセンサーに対応している。

この量産対応プラットフォームはオープンでモジュラー設計になっているため、NVIDIAの顧客はコアコンピューティングやミドルウェアから、NCAP、レベル3の自動運転、レベル4の駐車機能、AIコックピット機能まで、必要な機能を簡単に活用することができる。GTCの基調講演中、フアン氏はカリフォルニア州サンタクララのNVIDIA本社からSan JoseのRivermarkPlazaまで、DRIVE Hyperion 8を搭載した車両が自律走行する様子を紹介した。

【動画】Ride with NVIDIA DRIVE Self-Driving Car at GTC 2021

なお、現在の標準のDRIVE Orinプラットフォームは、世代を超えて互換性のあるNVIDIA DRIVE AtlanおよびDriveWorksAPIでアップグレードできるように設計されている。


DRIVE Hyperionについて

DRIVE Hyperion(ドライブハイペリオン)は機能的に安全なAIコンピューティングプラットフォームを中核に据え、自律走行車開発のための確実な基盤を提供する。NVIDIA DRIVE Orin SoC(システム オン チップ)が2基搭載され、冗長性やフェイルオーバーに対応した安全性に加えて、レベル4の自動運転とインテリジェントなコックピット機能を実現可能なコンピューティング能力を提供する。


DRIVE Hyperionはオープンであり、メーカーはNVIDIAが独自で開発した要素を活用できるようになるため、自動運転業界における市場投入までの時間を短縮することができる。DRIVE Hyperionにはセンサーからのすべてのデータをリアルタイムで記録、キャプチャー、処理するために NVIDIAのエンジニアが実際に使用しているツールがすべて含まれている。また、このツールセットのツールはすべて、4Dデータ収集に対応できるよう正確に同期、キャリブレーションされているため、開発者は貴重な時間を安全で堅牢な自律走行車の導入のために使うことが可能。

DRIVE Hyperion 8 開発者キットには、NVIDIA AmpereアーキテクチャのGPUも含まれている。この高いコンピューティング能力は十分な余裕があり、開発者は、新しいソフトウェア機能をテストし検証することができる。NVIDIA DriveWorksのセンサー抽象化レイヤーと使いやすいプラグインによって、センサーのセットアップを効率的に行え、また、DRIVE AV ソフトウェアには、認識、マッピング、経路計画、制御ができるディープ ニューラルネットワークが搭載されている。


センシングの新たな可能性

DRIVE Hyperionのセンサースイートは12台のカメラ、9台のレーダー、12台の超音波センサー、1台のフロントLiDARセンサーで構成されている。また、クラス最高のセンサーサプライヤーの製品とセンサー抽象化ツールの組み合わせにより、自動運転車メーカーはプラットフォームを個々の自動運転ソリューションに合わせてカスタマイズできる。

このオープンで柔軟なエコシステムにより、開発者は車両に搭載された実際のハードウェアを使い開発したテクノロジをテストし検証できる。LuminarのロングレンジセンサーであるIrisは前方向けLIDAR機能を提供し、カスタムアーキテクチャにより性能、安全性、自動車グレードにおける最も厳格な要件を満たすことができる。

Luminar の創業者/ CEO であるオースティン ラッセル (Austin Russell) 氏は次のように述べている。

「NVIDIA は現代のコンピューティング革命を主導しており、自動車業界は NVIDIA が自動運転でも同じく革命を起こしていると見ています。NVIDIA と Luminar の共通点は、その技術がともに、大手自動車メーカーが次世代の安全性と自律性を実現するための事実上のソリューションになりつつあるということです。自動車メーカーはそれぞれの強みを活用することで、最先端の自動運転車開発プラットフォームを利用できるようになります。」

DRIVE Hyperionのレーダースイートに含まれるHellaのショートレンジレーダーとContinentalのロングレンジレーダー、およびイメージングレーダーが冗長化されたセンシングを実現している。SonyとValeoのカメラには最新のビジュアルセンシングが搭載され、Valeoの超音波センサーがオブジェクトの距離を測定する。
ソニーの自動車マーケティング責任者であるマリウス・イヴンセンは氏は次のように述べている。

「NVIDIA DRIVE Hyperion は、自律走行車を開発するための完全なプラットフォームです。そのため、Sonyは、お客様が試作車から量産車への移行を最も効果的に行えるよう、センサーを DRIVE Hyperion に統合しました」
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山田 航也

横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。

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