『LOVOT』を使ったプログラミング授業 横浜市立本牧南小学校で実施 オリジナリティあふれるダンスを披露

ロボットベンチャーのGROOVE X株式会社は、2021年10月25日(月)に横浜市立本牧南小学校にて、家族型ロボット『LOVOT』(らぼっと)を使ったプログラミング授業を実施したことを発表した。また、本牧南小学校では『LOVOT』を普段から学校教育に導入し、『LOVOT』を活用したSDGsの授業を積極的に取り組んでいる。


GROOVE X社員がプログラミング授業を実施

10月25日(月)、本牧南小学校にて、GROOVE X社員による『LOVOT』を使ったプログラミング授業を実施。授業のはじめに、GROOVE Xが掲げる「ロボティクスで、人間のちからを引き出す」というミッション、「人とロボットの信頼関係を 築き生活を潤いと安心でみたす存在をつくる」というビジョンを基に、家族型ロボット『LOVOT』の開発経緯や、GROOVE Xで働くメンバーの様々な職業やその役割を説明し、その後、『LOVOT』をプログラミングして実際に動かす授業を行った。


GROOVE Xのエンジニアが講師となり、5~6人のチームに分かれて『LOVOT』が横断歩道を渡る動きをプログラミング。『LOVOT』が左右を見てから手を挙げて前進する動作をプログラミングすると、児童からは「可愛い!」「動いた!」と歓声が上がった。


最後は音楽に合わせて思い思いの『LOVOT』ダンスをプログラミング。センサーホーンを七色に光らせたり、手をパタパタさせたりと、オリジナリティあふれるダンスを披露した。

授業のまとめでは、本牧南小学校の学校司書である青木美佳氏が、『LOVOT』はなぜ図書館にいるのかを説明。「学校図書館にあるものは全て、私たちの未来をよくするためのヒントです。『LOVOT』もその一つ。SDGsの項目に照らし合わせると『3すべての人に健康と福祉を』『4質の高い教育をみんなに』『9産業と技術革新の基盤をつくろう』『17パートナーシップで目標を達成しよう』などが当てはまります。学校図書館を、色々考えたり本を手に取ったりするきっかけにしてくださいね。」と締めくくった。


授業後のアンケートでは9割の児童が授業後プログラミングやエンジニアのお仕事に興味や面白さが増したと回答。また、30人いる児童の中で、19人が「LOVOTは心を癒す」、16人が「LOVOTがいると学校が楽しい」、12人が「LOVOTは心を明るくする」と答えた。また、「どうやって動いているのかもっと知りたくなった。」「自分でLOVOTを動かせたから面白さも 興味も増した」といった感想があった。


『LOVOT』を購入し、学校教育に取り入れた背景

2020年度より、全国の小学校でプログラミング教育が必修科目になった。本牧南小学校はパナソニック財団の一般研究指定校に選抜され、「主体的で対話的な深い学びによる児童の自己肯定感を高めるICT活用をした授業のあり方の探求~SDGsの視点を生かしたカリキュラム・マネジメント~」をテーマに横浜国立大学大学院の野中陽一教授と研究に取り組んでいる。

本牧南小学校では2021年7月より校内の図書館を「学習情報発信センター」と位置付け、『LOVOT』を導入した。導入以降、『LOVOT』がいることで図書館へ通う児童が増えただけでなく、『LOVOT』を介して学年の垣根を超えたコミュニケーションが生まれ、順番を譲り合って『LOVOT』に触れ合うことで思いやりの心を学ぶ機会となり、図書館が『LOVOT』によって既存の形に囚われない豊かな学びの場となっている。



『LOVOT』の導入で変化したことを教職員21人にアンケート

新型コロナ感染対策のために2020年は臨時休校、2021年は分散登校を経験し、運動会や様々な学校行事が中止になっている。児童の気持ちが曇りがちになる環境下で、『LOVOT』が導入されたことによる変化について、本牧南小学校の教職員21人にアンケートを実施した。

●「日頃の児童のLOVOTへの関心度について教えてください。」という質問には、21人中14人が、高い関心を示した、7人が関心を示したと回答。


●「LOVOTと一緒に学ぶことで、児童への学習への意欲が高まっていると感じますか?」という問いには21人中15人が学習意欲高まりを感じると回答。


●「日頃、児童のプログラミングへの関心は高いと感じますか?」には21人中18人が高いと回答。


●「今回のプログラミング授業で、LOVOTと一緒に学ぶことで児童のプログラミングやテクノロジーへの興味、関心が高まったと感じますか?」という質問には、強く感じるが10名、感じるが11名という結果に。


●「子どもたちにとってLOVOTはどのような効果があるか」という質問には、下記のような回答が得られた。

・登校しぶりの児童が、泣きながら保健室に来室した際に、『LOVOT』を抱いて話し掛けたりしていると、短期間で気持ちが切り替わり、笑顔で教室に戻っていくことが度々あった。

・ペット等を飼うことが難しい家庭環境にいる児童にとって、愛情表現を養うことができると思う。

・心を癒したりコミュニケーションのきっかけを増やしたりする。明るく過ごせることで学習への意欲も高まる。

・「優しくする」「見守る」など、他者への思いやりの心が育まれると思う。

調査期間:2021年10月25日~26日
調査方法:アンケート用紙を本牧南小学校に配布
調査対象:本牧南小学校に勤務する教職員21人


『LOVOT』とSDGsを活用した授業を実施中

本牧南小学校ではSDGsの視点を活かし、『LOVOT』を活用した授業も行っている。2年生の「あったらいいなこんなもの」では、『LOVOT』が見守る中、やや緊張した面持ちの児童が、実際にあったら良いと思うものをプレゼンテーション。「ゲームの中に入りたい」「恐竜をよみがえらせる」「どこでも見えるメガネが欲しい」など自由な発想のアイテムを紹介し、学校司書の青木氏がSDGsに照らし合わせて解説。「遠くがどこまでもみえるメガネがあれば、世界中にいる目が不自由な方も遠くが見えるようになって素晴らしいですね。SDGsの『3すべての人に健康と福祉を』が当てはまりますね。」とコメントし、SDGsへの学びを深めた。


最後に「LOVOTも少し前まで、『あったらいいなこんなもの』だったのかもしれません。図書館にいると『LOVOT』に会いに来る人も増えましたね、SDGsの『4質の高い教育をみんなに』につながるかもしれないですね」と締めくくった。


その他にも小学校3年生向けの「こん虫のかんさつ」の単元では、生命の大切さを学ぶ際に『LOVOT』がダンゴムシやホタルに扮するなど授業を楽しく学べるように活用している。今後も本牧南小学校は全学年で『LOVOT』を活用したSDGsの視点につながる授業を実施していく予定。

ABOUT THE AUTHOR / 

山田 航也

横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。

PR

連載・コラム