物理運動シミュレータの開発をおこなうVMC Motion Technologies株式会社は、国立研究開発法人土木研究所(以下、土木研究所)が進める自律施工技術基盤の一部となる、建機と土壌のコンピュータ・シミュレータの開発をおこなったことを発表した。実際の作業環境をデジタル内で再現し、建機の動きやその環境を高精度にシミュレーションするシステム。
このプラットフォームの利用事例の一つとして、2021年11月24日~26日に開催される、土木研究所建設DXフィールドにて、油圧ショベルと不整地運搬車による連携作業(掘削・積み込み・移動・放土)の自律施工デモストレーションが、実機とシミュレータで実施される。
このシミュレータは、土木研究所が自律施工研究開発の効率化を目指して構築を進めるプラットフォームの一部で、物理エンジン「AGX Dynamics」(後述)の土壌モデルを実装、同研究所が所持する電子化された建機とDXフィールドをバーチャル化している。
「AGX Dynamics」によって、掘削、放土といった土砂の挙動を高い精度で再現しながら、同時にリアルタイムでの計算処理を実現させることが仕様上できるもの。
このプラットフォームは、施工会社や大学が活用することが想定されており、研究の重複を回避し研究開発を加速する役割が期待されている。
同社は「より多くの研究開発者の皆様にこのプラットフォームをご活用いただき、今後の社会を支える技術発展に寄与したいと考えております」と語っている。
AGX Dynamicsとは
AGX Dynamicsは高速性と正確性を両立し、高い安定性を誇る最先端の商用物理エンジン。スウェーデンのAlgoryx社が開発を行い、VMC Motion Technologies株式会社が日本での販売、サポート提供を行っている。
多くの訓練シミュレータ、エンジニアリング用途シミュレーション、大規模な粒子シミュレーションなどで活用されている。建機・ロボット・クレーンなどのマルチボディや、土壌・水上・水中・風といった環境のシミュレーションで実績がある。
■参照_国立研究開発法人土木研究所
自律施工デモストレーションの実施と申し込み
https://www.pwri.go.jp/jpn/about/pr/press-release/pdf/20211022.pdf