映画やライブ映像を高音質で楽しむサウンドバー「Sonos Beam (Gen 2)」製品レビュー 開封の儀からファーストインプレまで

米国発のオーディオブランド企業「Sonos」(ソノス)が発売した新製品「Sonos Beam (Gen 2)」(ソノスビーム・ジェンツー)が届いたので、早速製品レビューをお届け。開封の儀とテレビに接続して初期設定、ファーストインプレッションを中心に、設定でトラブるとしたらココ、映画を高音質で聴くのに必須のセッティングなど解説。

我が家に届いた「Sonos Beam (Gen 2)」。大きくて重い。モバイル製品じゃないので大きくても重くても重厚で結構なのだが、家電量販店で買って持って帰るのには少し厳しい

「Sonos Beam (Gen 2)」は、テレビ、音楽、ゲームなどを高音質で楽しめる、コンパクトなサウンドバーの最新機種。主にテレビの前に設置し、映画やライブ映像、ゲームなどで、3Dサウンドや高音質音響が楽しめる製品。特に立体音響の効果があるのは「Dolby Atmos」(5.1ch)対応の作品となる。キャッチコピーは「Hollywood@HOME」。せっかく観る映画やアニメ、ドラマ作品の音楽がどのように変わるのかワクワクする。

せっかく映画を観るなら、映画館で観るように高音質で楽しみたい。Dolby Atmosには、Netflix、Amazon プライムビデオ、U-NEXTなどの配信サービスが対応している。「Sonos Beam」の製品寸法は横幅66cm(10 x 66 x 6.8 cm)。ちなみにAlexaに対応している

「Sonos Beam」の色はホワイトとブラックの2色展開。小売価格は59,800円(税込)。sonos.com、ヨドバシ・ドット・コム、Amazon.comなどで販売する。ちなみに原稿執筆時点では定価での販売となっている。Amazonの販売ページはこちら(現在の価格)

開封の儀

Sonos製品全体の傾向だが、パッケージがとても素敵な作りになっている。購入した製品を開封する瞬間から既に楽しみは始まっているという考えからだろう、随所にこだわりが見られる。

開封はここから。新品ならではの楽しさとワクワク感

カバーにくるまれているスピーカー本体が見える。付属品は本体の奥の中箱に納められている。



付属品の中箱を開けると、付属品が出てくる。電源ケーブル、テレビと接続するための長さ1.5mのHDMIケーブル(eARC対応)、今回は使用しなかった光オーディオのHDMI変換ケーブル(光インタフェース用)、簡易マニュアルとなっている。


ARC / eARC対応とは?
HDMIは映像と音声の両方をひとつのコネクタで利用できる便利なインタフェースなのだが、厳密に言うと種類がいろいろと存在する。「Sonos Beam」のような高品位サウンド機器はHDMIの「ARC」(Audio Return Channel:オーディオリターンチャンネル)か「eARC」に接続する必要がある。「eARC」は「ARC」の拡張版で、高品位のHDオーディオ(Dolby Atmos等)にも対応している。筆者のテレビには4つのHDMIコネクタが装備されているが、そのうち「ARC」はひとつ。「Sonos Beam (Gen 2)」ではそこにHDMIケーブル接続することで、すんなりと接続ができるのだが、「ARC」のコネクタが解らない、対応していないなどの理由で、ケーブル接続しても音が鳴らないという初期設定時のトラブルにもなり得るのでその点は注意したい。


また「ARC」「eARC」対応の「HDMI」がテレビ側で利用できず、かつ、光コネクタが空いている場合は、光オーディオのHDMI変換ケーブルで接続して利用できるようだ。

簡易マニュアルには必要最小限の内容のみ記載

本体を箱から取り出し、くるんでいたカバーをはずす。内容物一覧。


Gen2ではグリルの孔が正確に配置され、素材もアップデートされている

スピーカー本体裏面のインタフェース




「Sonos Beam (Gen 2)」の初期設定

物理的にはテレビと「Sonos Beam」本体をHDMIケーブルで接続する。


その後はスマホの「Sonos」アプリで初期設定を行う。iPhoneなどのiOSならApp Storeから、AndroidならGoogle Playストアから「Sonos」アプリをダウンロードしてインストールする。筆者のように既にSonosユーザーであれば、既にスマホにインストールされている「Sonos」アプリを起動する。「Sonos」アプリは「Beam」の追加操作に誘導してくれる。


いわゆるペアリングのような作業を行う。アプリの指示に従って、本体にスマホを近づけると設定が行われる。



その後、「Sonos」アプリから本体と接続するWi-Fiのパスワードを入力する。


これで設定完了。もし音声が出力されない場合は、テレビ側のデジタル音声出力設定を変更してみるとよい。テレビの端末によって設定やモードは異なるのでここでは割愛する。

この時点で音声が出ない場合は、テレビ側のデジタル音声出力設定を変更してみるとよい

ちなみにスピーカーの音質の向上を最大限に体感したいなら「Dolby Atmos」(5.1ch)の作品を選択したいところだ。Netflixなどのサブスクでは作品の検索画面で「Dolby Atmos」とかで検索することもできる。



チューニング機能「Trueplay」はおすすめ

さて、いよいよ「映画の立体音響を楽しもう」と意気込んでみたものの、どうも思ったように立体音響が伝わってこない。「おかしいな」と思って、Sonos独自の自動チューニング機能「Trueplay」を設定してみた(iOSデバイスが必要)。「Sonosアプリ」でスマホを持って部屋中をウロウロして、スピーカーの周囲の環境を学習させることで、最適な音場を自動で調整するチューニング機能だ。その結果、設定前とはまるで異なる立体で重厚感のあるサウンドに変わった。やっぱりチューニング機能はちゃんと設定しないとね。

Trueplayは、部屋の壁、家具、その他の面からの音の反射を測定し、Sonosスピーカーを設置場所にかかわらず微調整して音質を向上させる機能。この機能は絶対使ってね


セリフはとてもクリア

ちなみに、5.1chなどで6つのスピーカーがすべて分離しているものなら心配ないのだけれど、サウントバーなど、前面スピーカーだけで仮想的な立体サウンドを行うと「セリフが聞こえにくい」という弊害が起こりやすく、その点を心配する人は少なくないと思う。しかし、「Sonos Beam (Gen 2)」の場合はその心配はまったくない。セリフを重視し、きちんと聴き取れるというコンセプトが根底にあり、ささやき声やアクションシーンでもセリフを聴き取りやすくするようにセットアップされている。更にSonosアプリのスピーチエンハンスメント機能も使えば、セリフはしっかり、BGMや効果音は広がりを持って重厚感のある音が聴こえてくる。

Sonosアプリの画面(iPhone)。ボリュームの調節はアプリからも簡単にできる。赤い矢印のボタンがセリフを更にクリアにするスピーチエンハンスメント機能のオン/オフ


最大の問題点はテレビのリモコン(!)

なお、我が家での「Sonos Beam (Gen 2)」導入の最大の問題点はテレビのリモコン受光部がサウンドバーで隠れてしまい、テレビのリモコンを天高く掲げないとテレビのチャンネル操作等ができなくなったこと(「Sonos Beam」に限らずサウンドバー全体が抱えるアルアルな課題)。家族みんなに筆者が批判される状況となっている(汗;)。リモコンを反射する機構を考えなければ・・と感じている今日この頃である。

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神崎 洋治

神崎洋治(こうざきようじ) TRISEC International,Inc.代表 「Pepperの衝撃! パーソナルロボットが変える社会とビジネス」(日経BP社)や「人工知能がよ~くわかる本」(秀和システム)の著者。 デジタルカメラ、ロボット、AI、インターネット、セキュリティなどに詳しいテクニカルライター兼コンサルタント。教員免許所有。PC周辺機器メーカーで商品企画、広告、販促、イベント等の責任者を担当。インターネット黎明期に独立してシリコンバレーに渡米。アスキー特派員として海外のベンチャー企業や新製品、各種イベントを取材。日経パソコンや日経ベストPC、月刊アスキー等で連載を執筆したほか、新聞等にも数多く寄稿。IT関連の著書多数(アマゾンの著者ページ)。

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