「変なホテル東京」4か所泊まり歩いてみた!受付ロボットの対応はまちまち、世界初のホログラム受付には忍者やイケメン執事も登場

2020年の年末、「変なホテル東京」4か所を泊まり歩いてみた。
ご存知の方も多いと思うが、「変なホテル」とは、世界初の人型ロボットが受付対応してくれる、非対面方式のホテル。
東京に住んでいるので、なかなか都内で泊まるチャンスはないのだが、都民割の対象になると聞き、以前から興味のあった変なホテルに泊まってみよう、と思い立ったのである。(この記事の末尾に「おんな鉄道ひとり旅」YouTube動画を掲載)


「変なホテル東京 銀座」


まず訪れたのは「変なホテル東京 銀座」。銀座といっても、築地や新富町駅から徒歩2〜3分の立地にある。
到着したのは夜。ホテル入口を入るとフロントには同じ顔の女性が2人…いや、ロボットが2体並んでいた。





受付ロボットに話しかけるも・・

「こんばんは〜」と声をかけると瞬きはするが返事はなく、ほどなくして奥から人間が出てきた。宿泊名簿を受け取りペンで記入する。どうやらここは人とロボットが共存するホテルのようだ。


フロント前の機械からカードキーを受け取り、エレベーターに乗る。エレベーターはカードキーをかざさないと客室の階数が押せないタイプで、安全対策はバッチリである。他のホテルもカードキーの仕様は同様であった。


フロント横には「ユニボ」という名前の子供型ロボットもいた。
「明日の天気を教えて」と話かけると「調べます。明日のお天気は…」と画面に天気図を出して教えてくれた。お礼を言うと「どういたしまして」との返事。なかなか優秀だ。



全自動クリーニングマシーンは除菌機能付き

泊まった部屋はベッドが広めのシングルデラックス。机、椅子、冷蔵庫ほか、通常のホテルの設備が備わっている。バス・トイレも明るくきれいだった。
通常のホテルと違うのは部屋にLGスタイラーが設置されていること。これは全自動クリーニングマシーンで、「変なホテル東京 銀座」には全部屋に設置されていると書いてあった。これを使うのも楽しみにしていたのである。


青い光を放つLGスタイラーは、まるで未来の道具。除菌もできるそうなので、このご時世にもピッタリだ。中に服を入れて電源を入れると、未来っぽい金属音と共に扉に文字が浮かび上がる。動作音は少し大きめだが、終了して服を取り出すとパリッとして軽くなっていた。


ほか、部屋のコンセントは通常の形態のもの以外にUSB充電できる箇所がいくつかあった。
こういうところはさすがである。


また、内線・フロントへの電話は「HANDY」というスマホ型のもので、電話機能はもちろん、設定をすればテレビ、エアコン、照明のリモコンにもなる。
これも未来っぽくて興奮したが、だんだん画面をスクロールするのがめんどくさくなって通常のリモコンを使うようになってしまった。


「変なホテル東京 浅草橋」


2つめは総武線浅草橋駅から徒歩3分の「変なホテル東京 浅草橋」。
フロントは2階。エレベーターが開くとかなり広いフロントに、男性型ロボットと女性型ロボットが鎮座していた。銀座にいたタイプとは顔が違う。男性型ロボットはオードリーの若林さんに似ている気がした。


フロントには人はおらず、大きな水槽にはロボット魚が泳いでいる。音はなくシーンとしていてまさに未来っぽい。



チェックインは無人で、音声案内と音声認識も優秀でサクサク

こちらはすべてロボットが対応。「いらっしゃいませ。変なホテルへようこそ。タッチパネルで言語を選択してください」と言われ、液晶パネルに誘導される。
チェックインはロボットの音声案内で、音声入力、または手入力で入れていく。音声認識も正確で、サクサクと入力が進み、あっという間にカードキーが出てきた。ちなみに人型ロボットは4ヶ国語が堪能だ。


「以上でチェックインは完了です。快適なホテルライフをお楽しみください」と言われてお辞儀された時、「これぞ未来!」と感動した。人は全く出てこなかった。



浅草橋駅を見下ろす絶景

泊まった部屋はスタンダートシングル。部屋の窓からは総武線の浅草橋駅が見下ろせて、鉄道好きの私にとっては満足いくものだった。


翌朝のチェックアウトは機械にて。もうロボットは対応してくれないのかな、と思っていたら、最後に「またのお越しを心よりお待ちしております」と言ってくれてうれしくなる。ロボットなのに「心より」なんて言葉を使うのがニクい。


「変なホテル東京 浅草田原町」


3つめは「変なホテル東京 浅草田原町」。浅草駅から徒歩約9分ほど、かっぱ橋道具街はすぐの場所。

受付が世界初、光のホログラム

こちらのフロントはロボットではなくホログラム。キャラクターは3つ、右から「忍者」、「恐竜」「イケメン執事」となっていた。ホテルの色も赤と黒、金色など、日本らしさを強調している気がする。


受付は、恐竜を選んで前に立ってみた。ホログラムの恐竜はまだ卵の状態。しばらくすると、「わーい!孵化するの、6500万年待ってたよ〜!」と、おどけた恐竜が飛び出してきた。
しかし急に「右のマイクマークを押したあと、マイクに向かって話してね」と案内しだす。6500万年前の恐竜のわりに、冷静だ。
「内容に間違いなければ、次へボタンを押してね」
ユニークな動きと裏腹に、案内係としては完璧であった。


フロント前の床には、歩くと反応して水の輪や紅葉が現れるホログラムも。楽しくて何度もやってしまった。


こちらではツインの部屋をシングルユースで2泊。ちょうど浅草酉の市開催日だった。
パソコンほか機器をたくさん持ち歩いている身としては、ツインだとUSBコンセントも2倍になるのがいい。ちなみに1階はファミリーマートが入っていたので何かと便利だった。





「変なホテル東京 浜松町」


4つめは浜松町駅から徒歩3分ほどの「変なホテル東京 浜松町」。

受付ロボットの反応が機敏!

こちらは浅草橋で見たタイプの男性型ロボットと女性型ロボットが対応。ちなみにここのロボットが、一番反応が機敏だった気がする。


部屋は「タワービューシングル」という高層階にあるシングル。LGスタイラーも設置されているが、なんといってもこの部屋からは、東京タワーがバッチリ見える。都内で泊まることなどほとんどなく、ましてや東京タワーが見える部屋に泊まるのは初めてだったので、テンションが上がった。

しかしこの日はチェックインが遅く、コンビニで夕食を買って東京タワーに乾杯しつつ晩酌しようとしたら、明かりがフッと消えてしまった。0時、消灯時間だった…。


現在、「変なホテル」は日本国内では19か所ある。都内4か所を泊まり歩いて楽しんだ変なホテルだが、まだ恐竜ロボットが受付をしてくれるホテルには行ったことがない。
これからは地方含め、全ての「変なホテル」に泊まり歩くことを1つ人生の目標として掲げたいと思う。

■ おんな鉄道ひとり旅「【ロボットが働く「変なホテル」に泊まってみた】ロボットだけでホテル業務できるの?」

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YASCORN(やすこーん)

漫画家&文筆家。鉄道旅・お酒・温泉・とうもろこし・ロボット・プログレが好き。児童誌から鉄道誌まで幅広く活動している。著書に「おんな鉄道ひとり旅」全2巻(小学館)、「メシ鉄!!!」全3巻(集英社)、「のぞみ、出発進行!!」(小学館ジュニア文庫)、「GOGO♪たまごっち!」シリーズ 全15巻(小学館)など。(アマゾン著者ページ) 東洋経済オンライン・鉄道最前線で「漫画家ヤスコーン☆の鉄道漫遊記」連載中。その他「You Tube「おんな鉄道ひとり旅」チャンネル」「LINEスタンプ おんな鉄道ひとり旅」「オリジナルグッズショップ(ロボクングッズもあります)」など。最新情報はTwitterにて。仕事のご依頼メールは「info@yascorn.com」まで。

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