欧州のドローン医療輸送の実証実験にTerra Droneのグループ会社ユニフライが参画 将来の医療とドローンの実用性を探る

Terra Drone株式会社の海外グループ会社ユニフライはベルギー、オランダ、ドイツの3ヶ国で行われているドローンによる医療輸送の実証実験「SAFIR-Med」に参画していることを発表した。


ドローンによる医療輸送の実証実験「SAFIR-Med」

国際連合が2018年5月に公表した報告書によると、2050年までに世界の人口の約70%が都市に住むようになると予測されている。人の移動が都市部に集中することから、アーバン・モビリティーにおける様々な課題が浮上する中で、緊急対応が可能で信頼性の高い医療輸送を実現するソリューションとしてドローンが注目されている。

SAFIR-Medは人口や建造物が密集する都市部で、ドローンが安全性を担保しながら医療活動をサポート可能か検証するための実証実験。ドローンだけでなく有人航空機と組み合わせた医療活動を想定し、安全で持続可能かつ社会的に受け入れられる方法で医療活動へのドローン採用を推進する。

「SAFIR-Med」のイメージ

欧州では2023年1月に施行される欧州規則を見据えたドローンの航空管制管理システム「U-スペース」の開発が進められている。SAFIRはU-スペースを実際の環境や社会と統合していくことを目的に幅広いドローン活動を行うためのコンソーシアムで、U-スペースを稼働させるために連携不可欠な複数の企業・団体が参画している。2回目の実証実験となるSAFIR-Medはベルギーの航空交通管制局(ANSP)のSkeyesや、その子会社であるU-スペースサービスプロバイダのSkeyDrone、ドイツのU-スペースサービスプロバイダのDroniqなど、空域を管理する欧州各国の企業がサポート。また、世界で初めて空飛ぶ車の企業としてNasdaq上場を果たしたドローン機体の先駆者である中国のEhangが参画している。

「SAFIR-Med」のイメージ

Terra Droneの海外子会社であるユニフライは、ドローンの運航管理システムであるUTMを開発し、欧米5ヶ国にて導入実績のを持つほか、これまでも各国のドローンの商用化や市場拡大を目的としたプロジェクトに参画してきた。ベルギーのアントワープ港で行われた1回目の実証実験においては、さまざまな制限下で検査などのドローン操作を安全に行うことが可能であることを実証。ドローンの運航管理に関する知見の豊富さ、技術力の高さ、そして1回目の実証実験での成果が評価されたことから、2回目の実証実験においても、ドローン運航管理システムの技術提供に抜擢され、実証実験を先導していく。

Terra Droneは新しい移動手段へのニーズ、災害時の救急搬送や物資輸送の必要性の高まり等を背景に、2021年より空飛ぶクルマ領域へ本格的に参入してきた。2022年に予定されている日本国内のドローン規制緩和を見据え、ユニフライの豊富な実績と知見を活かしながら安全で効率的な飛行を実現する運航管理を検証し、低空域のインフラにおける課題解決を目指していく。


ユニフライについて

ベルギーに本社を置く大手ドローン運行管理サービス・プロバイダーであり、ドローン版航空管制システムであるUTMを開発。欧米5カ国で導入実績があり、同分野における世界的なリーディングカンパニー。ドイツ航空局(DFS)も同社の技術力を高く評価し筆頭株主となっている。テラドローンは2016年に戦略的パートナーシップ契約を締結、資本提携も行い海外における筆頭株主となっている。


Terra Drone株式会社について

2016年に創業。東京本社含め、全国に拠点を構え、海外においても欧州・東南アジアを中心に事業展開する、世界最大の産業用ドローンソリューションプロバイダー。世界的なドローン市場調査機関のDrone Industry Insightsによる「ドローンサービス企業 世界ランキング2021」において、産業用ドローンサービス企業として世界2位に選ばれ、2021年2月にシリーズAで15.1億円を調達した。

関連サイト
Terra Drone株式会社

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山田 航也

横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。

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