経済産業省と三菱地所などが大手町フィナンシャルシティグランキューブ内で、自動搬送ロボットがオフィスに食事を届けるサービスの実証実験(就業者限定)を行っていることは、別記事「経産省と三菱地所 ロボットとエレベータが連携した「ロボットフレンドリー」な街づくりを本格化 NECやパナソニックのロボットでデモ公開」でお伝えしたとおり。期間は1月12日〜2月28日まで。
その実証実験では、デリバリー・テイクアウトプラットフォーム「NEW PORT」をスカイファーム株式会社が提供している。
ロボットがオフィスビルや商業施設内で活躍するためのロボットフレンドリー環境
ロボットをオフィスビルや商業施設内で有効活用するため、ロボットが稼働しやすい施設内環境の整備(ロボットフレンドリー環境)が欠かせないが、現状、施設内でロボットが稼働する上で、フロアを跨ぐロボットの移動やロボットとセキュリティとの連動などが最大の課題となっている。
この課題を解決すべく、三菱地所株式会社の大手町フィナンシャルシティグランキューブにてロボットがエレベータに安全・スムーズに搭乗できる施設環境の実現に焦点を当て、ロボットが建物外部~エレベータ~室内まで荷物を配達するデリバリー実証実験や、ロボットがエレベータと連携しながら複数フロアを清掃する実証実験を行うこととなった。
その中で、デリバリー・テイクアウトプラットフォーム「NEW PORT」の運営会社であるスカイファーム株式会社は、三菱地所株式会社と協同し、人とロボットが共存する「ロボットフレンドリーなまち」のテーマに基づき、ロボット活用のユースケース創出や人出不足の課題解決に向けたロボットの社会実装に向けた実証実験を、2022年1月12日(水)~2月28日(月)の期間、同所にて実施中だ。
スカイファームによる実証実験
スカイファームは、横浜市が設置した関内ベンチャー企業成⻑支援拠点YOXO(よくぞ)のパートナー企業であり、横浜ハーバーエリアでのテイクアウト・デリバリー「NEW PORT」をモデルとして、発注システム、受注管理システム、配送管理システムを3点セットで全国向けにクラウドサービスとして2021年より展開している。今回の実証実験において同社は、デリバリー・テイクアウトプラットフォーム「NEW PORT」のシステム上でのお弁当注文ページの構築および店舗側へはシステムを通して注文情報を受け取ることを可能としたオーダリングシステムの提供、およびロボットデリバリーにおけるサービス運営を行った。
▼ロボットの社会実装に向けた実証実験概要
名称 | ロボットフレンドリーな環境・まちづくり ロボットの社会実装に向けた実証実験 |
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実施内容 | フードデリバリーサービス(スカイファーム株式会社運営)と運搬ロボット、各種ビル設備を連携させ、ロボットが屋内外の飲食店舗からオフィスまで食事を運ぶ就業者向け飲食デリバリーサービスを展開、就業者の利便性向上を実現。 |
参加企業 | 【ロボットサプライヤー】パナソニック株式会社、NECネッツエスアイ株式会社 【ビルソリューションプロバイダー】株式会社日立製作所 【その他】スカイファーム株式会社(お弁当デリバリーシステム) |
実施期間 | 2022年1月12日(水)~2月28日(月) |
実施場所 | 大手町フィナンシャルシティグランキューブ(うち、1月25日時点で7店舗が参加) |
注文用特設ページ | https://www.new-port.jp/robot-GC |
経産省と三菱地所 ロボットとエレベータが連携した「ロボットフレンドリー」な街づくりを本格化 NECやパナソニックのロボットでデモ公開
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「NEW PORT」は、横浜ハーバーエリア及び東京丸の内にあるレストランの食事や手土産を自宅やオフィスに届けるデリバリープラットフォームでだ。自宅だけでなく、会議やイベント、勉強会、ミーティングのケータリングにも活用でき、予算や規模にあわせてオードブルの提案も可能だ。同社は、今後もテクノロジーを活用することで課題解決・利便性向上に寄与し、快適な時間と空間の提供、不動産価値向上、飲食店支援、フードロス問題などへ取り組み、新たな価値の創造をしていくとのことだ。