発話音声から睡眠不足を検知して交通事故を減らす RimTechのプロジェクトに小田原市が協力 消防職員を対象にデータ収集

   リスク計測テクノロジーズ株式会社(以下、RimTech)は神奈川県が主催する「BAK NEW NORMAL PROJECT 2022」に採択され、連携企業のジェネクスト株式会社と共に開発を進めている「発話音声から睡眠不足を検知し交通事故を減らすリスク管理DX」において、小田原市協力の下、小田原市消防本部にタブレットを設置し、消防職員を対象に発話音声データの収集を開始することを発表した。

小田原市の参画により、同プロジェクトの累計参加者数は100名を突破する見込み。RimTechはリスク計測技術を活用し、発話音声から眠たくなる可能性を予測する技術を開発し、睡眠不足を起因とする交通事故の削減を目指す。なお、同プロジェクトには2022年10月より横須賀市が協力している。


プロジェクトの背景

国内の年間交通事故件数は約30万件(令和3年)とピーク時の約95万件(平成13年)から大幅に減少しているものの、まだ減少の余地を大きく残している。こうした中、2022年4月に道路交通法が改正され、アルコールチェックの厳格化が進んでいる。また、2018年には旅客自動車運送事業運輸規則及び貨物自動車運送事業輸送安全規則が改正され、睡眠不足の乗務員を勤務させることができなくなっている。

一方で、規制の強化に伴い、乗務員の安全管理に関する業務の負荷が増していることも事実。そのため、DX化により安全性を確保した上で業務負荷を軽減する新しいソリューションが求められている。RimTechは人に関するリスクの削減に向けた発話音声解析エンジン“Motivel”を提供している。Motivelの活用事例としては、露プーチン大統領のストレスを発話音声データから可視化することに成功している。今回はこうしたMotivelの実績を基盤に声を用いて眠くなる可能性を予測する技術の開発に向けて、横須賀市の協力の下、消防局職員を対象に発話音声データの収集を行う。




発話音声データの収集方法

インターネットに接続されたデバイスを使用して発話音声データを収集する。収集タイミングは「出勤時」「仮眠前」「退勤時」で、発話音声データの収集にはRimTechが開発した専用のWebアプリケーションを使用し、収集の都度、AI音声解析エンジンMotivelによる発話音声の解析も行う。発話音声データの解析はクラウド上で実行され、解析結果は即時に判明する。

ABOUT THE AUTHOR / 

望月 亮輔

1988年生まれ、静岡県出身。元ロボスタ編集長。2014年12月、ロボスタの前身であるロボット情報WEBマガジン「ロボットドットインフォ」を立ち上げ、翌2015年4月ロボットドットインフォ株式会社として法人化。その後、ロボットスタートに事業を売却し、同社内にて新たなロボットメディアの立ち上げに加わる。

PR

連載・コラム