「CommU(コミュー)」と「Sota(ソータ)」を調べてみた
今年の1月20日に発表された、ヴイストン株式会社による「CommU(コミュー)」と「Sota(ソータ)」について調べてみました。
最初にそれぞれのスペックをご紹介。
「CommU(コミュー)」は高さ30.4センチ/938グラム、
「Sota(ソータ)」は高さ28.2センチ/800グラム。
どちらもテーブルに載せられるようなサイズのロボットです。
何をするロボットかというと、ずばり「社会的対話ロボット」。
今まで人間に話しかけるロボットは存在していました。広い意味だと、銀行ATMの音声なども一方的にメッセージを伝えるロボットと言ってもいいかもしれません
しかし、人間同士が会話しているときに抱く「対話感(=会話に参加しているという感覚)」を与えることの出来るロボットは実現していませんでした。
CommU と Sota は対話感を可能としたのが画期的なロボットなのです。
では、CommU と Sotaは具体的にどういうふうに人間に対話感を与えているのでしょうか。
まず、複数のロボット同士が対話を行い、時折人間に対して対話に関する質問を投げかけたり、同意を求めたりして、対話感を演出します。
こちらの動画をご覧頂くと、挨拶のような一方通行なメッセージ、おねだりのような双方向なメッセージのほかに、ロボット同士が喋りだし、そこに人間が話しかけると「取り込み中なんでちょっと待って」というような社会的な振る舞いまでもロボットが行っているのがわかります。
CommU と Sota はロボットが人間に向かって話しているのか、ロボットに向かって話しているかがはっきりと区別できる振る舞いが可能なので、ロボットによる社会的振る舞いを実現しています。
そして、顔のパーツの自由度を高くすることで、多彩な表現を可能としています。
この「自由度」とは、それぞれのパーツが動かす出来ることのできる方向や回転のことで、CommUでは眼球部・頭部・胴体部の自由度が高くなっています。
自由度が高いと顔の表情や身振り・手振りの表現も多彩となり、人間に似た微妙な振る舞い、いわゆる非言語コミュニケーションが可能となります。
これらの「強い対話感」と「高い自由度」が、今までのロボットに無い特徴となっています。
CommUとSotaの違いは、CommUが研究者向け、Sotaが家庭用と位置付け。
CommU には超小型PC の Raspberry Pi が内蔵、Sota は CommU よりもシンプルな機構となっていて、ロボットクリエイターの高橋智隆さんによるデザインです。
それぞれ LinuxOS 搭載で VstoneMagic というソフトウェアを使い、パソコンからモーション作成・動作プログラミングが可能となっています。
現在、様々なロボットが開発されていますが、現在は日常的な場面で使われるロボット研究に焦点が移りつつあり、人間と自然に対話できるロボット開発に注目が集まっているそうです。
近年、音声認識技術が発展し、iPhone に搭載されている Siri のような音声でやり取りする機能が徐々に実用かされています。この技術が進化すると、今回の CommU と Sota のように対話感が普通なロボットが増えていき、ロボットと普通に会話をするのが当たり前になる時代がやってくるのかもしれません。
表情を表現するためのハードウェアのと、音声認識技術・AI技術などのソフトウェアの両方が進化していくことで、今後より人間らしいロボットが出てくるんでしょうね。
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北構 武憲本業はコミュニケーションロボットやVUI(Voice User Interface)デバイスに関するコンサルティング。主にハッカソン・アイデアソンやロボットが導入された現場への取材を行います。コミュニケーションロボットやVUIデバイスなどがどのように社会に浸透していくかに注目しています。