【不気味の谷】ロボットは人間の見た目に近づくか?
ロボットがもつ不気味の谷とは
新しいロボットが続々と出てきたロボット業界。可愛いロボットがたくさん出てきましたね。しかしこれらのロボットを見ているとこんな疑問をもつ方もいるようです。
「どうしてロボットは “ロボットらしい顔” をしているんだろう?」
「もっと人間の顔に似せて作れば良いんじゃないか?」
たしかにPepperやロビなど、いかにもロボットという顔です。可愛いけど。
ではこれ以上 “人間に近づけない理由” はなんなのでしょうか?
背景には「不気味の谷」と言われる現象が潜んでいるようです。
不気味の谷とは?
不気味の谷とは、東京大学の森政弘名誉教授が1970年に提唱された考え方です。
筆者は、ロボットの外観をより人間に近づけるという登山の道程においてそのロボットに対して人間がいだく親和感に、この谷のような関係があることに気がついた。筆者はこれを「不気味の谷」と呼んでいる。
(中略)
動き、というものは、人間を含めて動物一般の、したがってまたロボットのいのちなのであるが、この動きというファクターが加わると、山はいっそう高く、また不気味の谷はさらに深みを増すのである。
(エッソ・スタンダード石油、広報誌「Energy(エナジー)」第7巻第4号(1970年刊行)収録「不気味の谷」より引用)
グラフにするとこのようになります。
Pepperやロビなどの現在の人型ロボットは、人に似ていますがアンドロイド程似ていません。そしてここからもう少し似せようとすると、不気味の谷と言われる不思議な現象により、人間は嫌悪感を抱いてしまうのです。
上の画像は人間に似ていますが、少し怖いですよね。人間に似ていないときは人間的特徴が目立ち、似過ぎてしまうと非人間的特徴が目立つようです。
不気味の谷という現象がある以上、Pepperやロビのようなロボットの見た目は将来も人間に近づくことはなく、外見が人間とほとんど変わらない「アンドロイド」との二分化が進んでいくのかもしれません。
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望月 亮輔1988年生まれ、静岡県出身。元ロボスタ編集長。2014年12月、ロボスタの前身であるロボット情報WEBマガジン「ロボットドットインフォ」を立ち上げ、翌2015年4月ロボットドットインフォ株式会社として法人化。その後、ロボットスタートに事業を売却し、同社内にて新たなロボットメディアの立ち上げに加わる。