革新的なソリューションや技術を発掘してビジネス化を支援するソフトバンクイノベーションプログラム その概要と狙い、強みとは

ソフトバンクは2016年8月19日、「第2回 SoftBank Innovation Program(ソフトバンクイノベーションプログラム)」の説明会を東京汐留のソフトバンク本社で開催した。


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ソフトバンクイノベーションプログラムとは、多くの企業から提案を募り、ソフトバンクがそのソリューションや技術に対して革新性や優位性があると認めた企業を選出し、プロトタイプの開発費用やテストマーケティング実施の環境などをソフトバンクが提供し、最終的にはプロダクトやサービスの商用化の実現を目指すパートナープログラムのこと。


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今回の募集は6つのテーマで行われる。
フィンテック、VR/AR/MR、ドローンの3つが新しく追加された。


・「スマートホーム」※1
・「コネクテッド・ビークル」※2
・「ヘルスケア」
・「フィンテック」※3 NEW
・「VR(仮想現実)/AR(拡張現実)/MR(複合現実)」  NEW
・「ドローン」  NEW

※1 家電製品や設備機器などをインターネットと接続して制御する住居
※2 インターネットと常時接続している自動車
※3 IT技術を活用した金融サービス



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なお、6つのテーマがあるといってもコンテストではないので、各部門ごとの応募内容に優劣をつけるものではない。ソフトバンクがその革新性を評価すれば、テーマ別にかかわらず複数企業が選出される場合もあり、逆に一社も選出されないテーマが出る場合もある。

ちなみに前回のテーマと、選出された企業は下記の通り。

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第2回は「デジタルマーケティング」のテーマは廃止され、新たに3つのテーマが追加されて合計6テーマになった



スマートホーム部門からは4社、コネクテッドビークル部門からは2社、デジタルマーケティング部門からは1社、ヘルスケアからは該当なし、となった。


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説明会に登壇した同社 プロダクト&マーケティング統括パートナー事業推進室 室⻑ ⼭本佳樹氏


進行スケジュールとポイント

案件の募集は既にはじまっていて、9月30日に締切となる。第一回の経験では海外からの応募もあったため、日本時間で締め切られる。その後、ソフトバンクによる選考が12月下旬まで行われ、2017年1月上旬からテストマーケティングを行う予定だ。

応募

応募の際は、企画の背景、革新性や独創性、ターゲット、ビジネスモデル、実現時期などが重要になる。運営側はアイディアだけの応募は望まず、ビジネスとして実現可能な具体的なソリューションやサービスが望ましい。
応募はベンチャーから大企業まで規模は問われないが、個人での応募はできない。

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選考

ソフトバンクによる選考が12月下旬まで。必要に応じて面談を行うという。選考結果はメールで通知される。

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テストマーケティング

来年1月からはテストマーケティングが行われる。自治体との連携や既存ユーザのモニタ企画などが検討・実施される。

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商用化

テストマーケティングを踏まえて、収益性や将来性、展開性などを考慮し、商用化が具体的に検討される。

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プログラムの最大のメリットは

このプログラムに参加する最も大きな利点は、ソフトバンクの支援を受け、ソフトバンクが持つ強みやリソースを活用して、ビジネスとしてランディングできることだ。ソフトバンクの持つリソースは、4GやWi-Fiなどの通信環境や通信回線、スマートフォンなどのモバイル端末環境、位置情報サービス、課金決済など。更には同社が持っている法人顧客40万社もビジネスを加速する上では大きな魅力だ。


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リノベーションサービスをワンストップで展開し、「住まい」を軸とした新しいサービスも提供する「リノベる株式会社」は第一回のプログラムで選ばれた。顧客のライフスタイルに合わせて提案するIoTデバイスやサービスの開発費用をソフトバンクが提供し、現在は実体験によるテストマーケティングの段階に入っている。

前回は選ばれた8社のうち、半分以上の5社が海外の企業だった。
個人的には、第2回は日本の企業がより多く選ばれ、世界市場にはばたくチャンスが得られることを願いたい。

なお、別のページで各テーマごとの詳細や選考のポイントなどに触れたいと思う。

> 「スマートホーム、コネクテッドビークル、ヘルスケア、ソフトバンクが期待するパートナー企業(1) ソフトバンクイノベーションプログラム」につづく


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ロボスタ編集部

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