スマートホーム、コネクテッドビークル、ヘルスケア、ソフトバンクが期待するパートナー企業 ソフトバンクイノベーションプログラム(1)

ソフトバンクは「第2回 SoftBank Innovation Program(ソフトバンクイノベーションプログラム)」の説明会で、同社が考えるビジネスと連携パートナーについて説明を行った。

今回はその説明会の中から、ソフトバンクイノベーションプログラムにおける「スマートホーム」「コネクテッドビークル」「ヘルスケア」部門の応募について、ソフトバンクが考えるビジネスとビジネスパートナーについてを解説する。




スマートホーム

スマートホームについては、ソフトバンク株式会社 プロダクト&マーケティング統括 パートナー事業推進室 イノベーション推進部 ⼯藤景司氏が説明を行った。

「スマートホーム」は第1回に引き続いての募集テーマとなる。ソフトバンクは家やオフィス等の室内空間を快適にするための革新的なプロダクト・サービス・ソリューションを募集する。


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スマートホームに必要な要素は実にさまざま。家電連携などのIoTだけでなく、防犯、見守り、インテリア、教育、建物、コミュニケーションなど多岐にわたる

同社では、スマートホームで価値を創造するには単独のデバイスや機器だけでは満足度の高いサービスやソリューションを提供することは難しいと考えている。同社は通信環境やモバイルデバイス、アプリケーションを持ってはいるが、インテリアやみまもり、防犯、家電連携など専門分野の知見を持った企業とパートナービジネスを展開していきたいと考えている。
更に、人間が何か操作するのではなく、遠隔から見守りしたり、状況を確認できる防犯のしくみなども重要な要素だ。


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居住空間を創造する不動産・賃貸、ハウスメーカーと、家電メーカーやインテリアなどの生活家電の開発を行うパートナー、そしてソフトバンクと顧客の4つの要素が繋がってこそスマートな室内環境が実現できるとしている。


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東京ガスのような大手法人との協業によるスマートホームの構築のほか、ソフトバンクが持つ「かんたんオフィス」などの法人ソリューション、「おうちソリューション」などのアクセサリーECサイト、「+Style」などのクラウドファンディングなどとの連携も可能だと考えていると言う。




コネクテッドビークル

コネクテッドビークルについては、同社 法⼈事業統括 法⼈事業開発本部 事業開発統括部事業戦略部 担当課⻑ 鈴⽊松雄氏が登壇して解説を行った。


コネクテッドビークル部門では、前回は2つの企業が選ばれている。Urban Engines, Inc.(米国カリフォルニア州)は「都市交通×ビッグデータ」として、都市交通のさまざまな移動データをリアルタイムに可視化・分析・予測するエンジンを提供を目指す。もう一社のDrivemode, Inc.(米国カリフォルニア州)は「スマートフォン×車」、スマートフォンを活用した付加価値サービスを提供する会社だ。


今回の募集で特に求められるテーマは3つ。

  • 運転の快適を向上
  • 自然環境の負荷低減
  • 交通事故の削減

これらを実現するテクノロジーやソリューションとの出会いを求めている。


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ソフトバンクの強みとしては、40万社の法人顧客を持っているので、まずは革新的なテクノロジーやサービスをテストしていくための「テストフィールド」を提供できること。更にPepperに搭載している感情AI、IBM Watson、通信やクラウド、位置情報、課金決済など約1300社のパートナー企業との技術連携、コラボレーションを行うことができること。そして「販売・告知・プロモーション」に重要な広告配信やメッセージ配信、T-POINTなどとの連携で支援できるとしている。


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サービスイメージ例としては、「挙動検知センサー」(マイクロデバイスとの連動)、「安全運転の補助」(クルマや道路の安全性の向上)、「運転を楽に維持費を軽減」、「各アイテムのIoT化」(センサーやスキャンとの連携とネットワーク化)の4つを上げている。


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ヘルスケア

ヘルスケアについては、同社 プロダクト&マーケティング統括 サービスコンテンツ本部 医療・健康事業推進室 室⻑ ⾼橋宏祐氏が登壇して解説した。

ソフトバンクが実現したいのは、既に病気にかかった人を治療したり発見することではなく、未病と言われる病気予備軍の人を健康に引き上げることに注力したいと語った。

高橋氏によれば「人間ドックでA判定(健康)が出る人はわずか7%しかいない。約30年前は30%がA判定だったので、健康な人の割合は大きく減ってきている。ソフトバンクはマジョリティであるB、C判定の人(70%をしめるという)、健康ではないけれど病気でもない人、メタボであったり血圧にやや問題を抱えている人を深刻な病気にならないよう健康に変えていく市場を目指す」と言う。


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例えばユニークなプロダクトとしては「パーソナルカラタサポート」「スマート体組成計」などがある。また、病院では現金精算が通例のため、会計の待ち時間がとても長い。ソフトバンクの「スマート病院会計」は病院の会計を携帯電話やスマートフォンの利用料金と一緒に請求するシステムを持っている。更に「かんたん保険」を含めてここに上げたすべてのサービスが、他の企業とのパートナーシップで実現している。例えば、パーソナルカラタサポートはFiNC、かんたん保険は損害保険ジャパン日本興亜だ。企業の規模にかかわらずパートナーシップ連携によってビジネスを実現する。


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高橋氏は応募企業に期待することとして、下記のように「健康状態の見える化」「ヘルスケアを続けられるしくみ」「ヘルスケアサービスの利用者拡大」をあげた。ヘルスケアサービスの利用者拡大については健康を気にするしくみ作りとしてAIや自己診断による動機付けなどがある。


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これらの技術やソリューションと、ソフトバンクの強みを合わせてビジネスを実現したいと考えている。

次回はソフトバンクが考えるビジネスとパートナーについて、フィンテック、VR(仮想現実)/AR(拡張現実)/MR(複合現実)、ドローンの3部門について解説する。

 

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ロボスタ編集部

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