セックスロボットは今後大きなトレンドに?〜その未来と問題点

英ミラーオンラインが、孤独な人間にとって「セックスロボットは2016年最大のハイテクトレンドである」報じた




未来にはセックスロボットは当たり前になるのか?



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Photo: Mirror Online

セックスに関する心理学の第一人者、サンダーランド大学のヘレン・ドリスコル博士によれば、「セックスロボットの技術はここ数年間で飛躍的に進歩し、セックス産業の中心になる可能性がある。さらに人々はリアルなセックスロボットと恋に落ちる可能性がある。」と語る。さらに博士は「2070年には、物理的なセックスは原始的と思われるようになるだろう。」と予言した。

マーストリヒト大学の人工知能研究者、デヴィット・レヴィ博士も「ロボットとの愛とセックスは避けられない。」と語っている。

イアン・ピアソン博士はセックスの未来をと題する報告書の中で「セックスロボットの品質が上がることで、抵抗感は減り、強い感情的な絆を感じるようになるだろう。ロボットが人間を上回るのは2050年ごろ。」と予想する。



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Photo: Abyss Creations LLC

セックスロボット「RealDoll」のメーカー、Abyss Creations LLCCEOのマット・マクマレンは作り手として、「ロボットもセックスを楽しんでいるかのように振る舞うように見せることが私達の究極の目的だ。」と将来のロボット技術とAIを活用したセックスロボットの方向性を語っている。

ペドフィリア、小児性愛者に対して子供型のセックスロボットを提供することは犯罪を減らす方法になるという複数の専門家の意見もある。ジョージア大学のロボット工学エンジニア、ロン・アーキンは、「人形の提供が、子どもを対象に性犯罪者が感じる欲求のためのはけ口となる。」と語る。


8/29-8/31、香港で開催された「Asia Adult Expo(AAE)」では、自分の好みにカスタム可能なセックスロボットが多数展示されたという。



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Photo: Mirror Online

・・・この様にセックスロボットが世の中に広がるという意見は多く見られ、ポジティブな意見もあり、また実際に市場が広がっていることがわかる。果たして、実際にそうなった時に何も問題はないのだろうか?




セックスロボットの問題点

このトレンドにどのような問題があるのか。以下具体的に紹介したい。



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Photo: Mirror Online

シェフィールド大学のノエルシャーキー教授は、「アンドロイドのセックス人形が社会に有害な結果をもたらすかもしれない。人間との関係を構築することを阻害し、実生活に支障をもたらすだろ。男女でのセックスにおいても、パフォーマンスの不安を引き起こす可能性がある。」と語る。さらに「子供の初体験の相手がセックスロボットになる可能性がある」と警告する。

デ・モントフォート大学のキャスリーン・リチャードソン上級研究員は、「セックスロボットの開発は禁止する必要がある。」と主張する。「セックスロボットの開発は、異性関係、同性関係、大人と子供、どんな人間関係にとっても有害なものだ。」またリチャードソンは、「子供のセックスロボットは、小児性愛を止めることはない。その証拠もある。」と語る。



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Photo: Campaign Against Sex Robots

活動家・リサーチャー、リディア・ケイは「セックスロボット撲滅キャンペーン(Campaign Against Sex Robots)」を展開中だ。「セックスロボットの存在は、女性の身体は商品であるという考え方を強化してしまう。基本的人権を保護し、人類の残酷さを具現化しないためにも、セックスロボットに関連しての倫理を検討する時が来た。」という。

・・・今後、様々な議論が進むであろうセックスロボットの分野。ロボスタでは引き続きその行方を追っていきたい。


僕はこう思った:
セックスロボットが完全に普及するのはシンギュラリティー(技術的特異点)の一つの指標となる2045年以降との予想が多い状況で、シンギュラリティー以降の話は今考えても仕方ないよなぁと思います。その時、いろんなことを考えてるのは人工知能なんだろうし。
なお、今回はたまたま男性向けの女性のセックスロボット観点が多かったですが、女性向けの男性セックスロボットも海外には存在しています。ジェンダーの話というより人類の話なんですよね。本当にこの先どうなることやら・・・。



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中橋 義博

1970年生まれ。中央大学法学部法律学科卒。大学時代、月刊ASCII編集部でテクニカルライターとして働く。大学卒業後、国内生命保険会社本社において約6年間、保険支払業務システムの企画を担当。その後、ヤフー株式会社で約3年間、PCの検索サービス、モバイルディレクトリ検索サービスの立ち上げに携わる。同社退社後、オーバーチュア株式会社にてサービス立ち上げ前から1年半、サーチリスティングのエディトリアル、コンテントマッチ業務を担当する。2004年に世界初のモバイルリスティングを開始したサーチテリア株式会社を創業、同社代表取締役社長に就任。2011年にサーチテリア株式会社をGMOアドパートナーズ株式会社へ売却。GMOサーチテリア株式会社代表取締役社長、GMOモバイル株式会社取締役を歴任。2014年ロボットスタート株式会社を設立し、現在同社代表取締役社長。著書にダイヤモンド社「モバイルSEM―ケータイ・ビジネスの最先端マーケティング手法」がある。

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