「Pepperに興味があるけれど、うちのビジネスにどう活用できるだろうか」
「こんなことをPepperにやらせてみたいけれど・・・できる?」
「Pepperを実際に見てみたいけれど、どこかで見せてもらえるのかな」
そう考えている企業の担当者や経営者も多いのではないだろうか。
ソフトバンクロボティクスは、Pepper導入を検討中の顧客に対して、質問や悩みに個別に応えたり、実際にロボアプリを使ったデモが見られる体制を「Pepperアトリエ秋葉原 with SoftBank」など、全国に5箇所(東京(秋葉原、蒲田)、大阪、名古屋、福岡)設けている。予約さえすれば、どんな企業でも気軽にPepperを体験することができる(法人限定)。
1社50分ずつの時間を割り当て、マンツーマンで「Pepper for Biz」の基礎知識から解説、機能、サポート体制、価格、アプリの種類などを、とにかく細かく丁寧に説明してくれるのが特徴と言う。
具体的にはどんなことが行われるのか、ロボスタ編集部も予約して体験取材をしてみた。
Pepperのことがまるで解らなくても基礎から解説
「Pepperのこと、いやそもそもロボットのことを実はほとんど知らないんです」なんて担当者でも心配はいらない。
Pepper体験の冒頭から、ソフトバンクロボティクスの担当者が大型画面を使って、Pepper for Bizの初歩から、Pepperのカラダの仕様など、基本的なしくみなどをプレゼンテーションを通して説明してくれる。
日本の労働力不足が深刻化する情報通信白書による予測から始まり、AI・ロボット市場は30兆円市場に育てる政府の計画などが解説される。すなわち、Pepperのようなロボットは、人の仕事を奪うのではなく、人の仕事を手伝ったり、人手不足を解消するために誕生した。
Pepperの導入件数1700社を突破
Pepperが誕生した理由、基本的な性能、会話のコツ等の解説を聞いた後は、いよいよ「Pepper一般向けモデル」や「Pepper for Biz」の解説に入る。特に詳しく聞けるのはPepper for Bizの基本機能と導入事例だ。
Pepperは既に1700社超に導入され、導入事例も蓄積されている。金融、医療・介護、小売り、教育など、さまざまな分野で活用されているPepperの導入事例を紹介してもらうことできる。
Pepperのニーズが最も多い分野のひとつが「受付」と「接客」だ。例えば、接客と受付についてPepperはどのようなことが実際にできるのだろうか。さっそく聞いてみると、Pepperは呼び込み、挨拶、商品紹介、アンケート、受付、連絡先検索、顧客と遊ぶ、などができると言う。これらの基本的な機能はPepper for Bizの基本プランに含まれている。
そうは言っても受付では「××会社へようこそ」と自社名を言わせたいし、商品説明も自社商品の内容でなければ意味がない。つまり自社用のカスタマイズはどうすればよいのか?
パソコンやスマートフォンと同様に、Pepperに何かをさせたい場合は適切なアプリが必要だ。「Pepper for Biz」にはレンタル契約した状態で標準で入っている複数のロボアプリがあって、受付や接客などある程度のことはできるようになっている。会社名や製品名のカスタマイズや商品説明のプレゼンテーションもパソコン等で簡単に追加・変更ができる。
もっと高度なことをやらせたいと思ったら「ロボアプリマーケット for Biz」
標準のロボアプリが入っているとはいえ、企業によってはもう少し高度なことをロボットにやらせたい、と考える人も多いかもしれない。そこで、標準機能では満足できない場合、後から有料(月額使用料など)でダウンロードして追加インストールできるアプリ群を用意している。それが「ロボアプリマーケット for Biz」だ。月々のコストに関わってくるので気になるところだが、自社でやりたいことが標準のアプリでできるのか、それとも有料のアプリが必要なのか、ロボアプリマーケットにはどのようなアプリがあるのか、などを相談したいところだ。だからこそ、体験スペースではマンツーマンでスタッフがその相談に乗り、解説してくれる場所として用意されている。
受付での活用、来店顧客や社員の顔認証、介護施設での活用、英語や中国語などの外国語での仕事などが相談できる。また、もしMicrosoft AzureやIBM Watsonなどの高機能なクラウドAPIとの連携について希望があれば、クラウドAIと連携することでどこまで拡張して業務が可能になるのか、事例で紹介してもらえるかもしれない。
クーポンを印刷するデモ、お願いします
アトリエ秋葉原には、Pepperがそれこそウジャウジャ待機しているので、実際のデモだって見せてもらえる。この日に私がデモを依頼したのは、イベントなどでPepperが自社用のクーポンを印刷して来場者に渡すシステム。Pepperに設定を行い、小型の無線プリンタと接続、実際にクーポンを提供する稼働デモを見せてもらった。
デモして欲しい内容が具体的にあれば、予約の際にアトリエ秋葉原スタッフにその旨を伝えておくと、あらかじめ準備しておいてくれる。
場所は秋葉原、最寄り駅は末広町
教室となる「Pepperアトリエ秋葉原 with SoftBank」を簡単に解説しておこう。ここはPepperアプリ開発者の聖地とも呼ばれ、普段は多くのロボアプリ開発者が集まったり、不定期でハッカソンなどの開発者向けイベントも行われているところだ。建物は「アーツ千代田3331」という名称で、旧練成中学校を改装したアートセンター。そのためアトリエ秋葉原にも黒板があって実際に教室だった名残が随所にある。
当日は企業ごとに個別の予約制なので教室は独り占め。誰の気兼ねもなく、企業の課題や問題点、Pepperにやらせてみたいことなどが相談できる。
Pepperを法人なら誰でも体験できるアトリエは、秋葉原を含めて全国に5箇所ある(東京(秋葉原、蒲田)、大阪、名古屋、福岡)。
(詳しくは下記のページで確認してください)
次回は、Pepperを開発・販売し、体験スペースを運営しているソフトバンクロボティクスに話を聞きます。
「Pepper for Biz アトリエ体験スペース ソフトバンクロボティクスの担当者に聞く「Pepper導入前に多い相談」とは」につづく
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神崎 洋治神崎洋治(こうざきようじ) TRISEC International,Inc.代表 「Pepperの衝撃! パーソナルロボットが変える社会とビジネス」(日経BP社)や「人工知能がよ~くわかる本」(秀和システム)の著者。 デジタルカメラ、ロボット、AI、インターネット、セキュリティなどに詳しいテクニカルライター兼コンサルタント。教員免許所有。PC周辺機器メーカーで商品企画、広告、販促、イベント等の責任者を担当。インターネット黎明期に独立してシリコンバレーに渡米。アスキー特派員として海外のベンチャー企業や新製品、各種イベントを取材。日経パソコンや日経ベストPC、月刊アスキー等で連載を執筆したほか、新聞等にも数多く寄稿。IT関連の著書多数(アマゾンの著者ページ)。