サムスンがAI音声アシスタント「Bixby」を発表!Galaxyシリーズに搭載へ

サムスンのソフトウェア・サービス担当の開発担当バイスプレジデント、Injong Rhee氏がサムスン公式ニュースでAI音声アシスタント「Bixby」の概要と、Bixbyを登場間近のGalaxy S8に搭載すること、さらに今後全てのデバイスに搭載予定であることを明らかにした。


以下発表されたBixbyを紹介していきたい。




なぜBixbyが必要なのか?

一般的にスマートフォンなどのデバイスは機能が多様化するにつれて、ユーザーインターフェイスが複雑になっていくという問題がある。本来テクノロジーの進化はユーザーフレンドリーになるはずなのに、現実は機能が増えるに連れ複雑なメニュー構造になってしまうのだ。一般のユーザーがデバイス全ての機能を把握するのは難しいのが現状だと思われる。サムスンは何百万台ものデバイスを生産しているため、複雑になっていくユーザーインターフェイスの改善は会社にとっても大きな課題になっているという。


サムスンはここで、「人間が機械を学ぶのではなく、機械が人間を学ぶ」というコンセプトのインターフェイスを用意する必要があると考えたという。そこで登場したのが「Bixby」と呼ぶAI音声アシスタントだ。


今後サムスンのデバイス上のインターフェイスをBixbyにしていくという。



siri

そして、既に先行しているAppleのSiriのような他社音声アシスタントとはBixbyは根本的に異なっているという。




Bixbyの特徴

サムスンのBixbyが他社AI音声アシスタントと違う特徴として以下3点が発表されている。



1. 完全性

Bixbyはアプリケーション内部でも対応できるという。Bixby対応アプリであれば、ほとんどすべての操作が音声だけで可能になるというもの。Bixbyが登場すれば、音声で一貫性のあるユーザーインターフェイスが実現できるという。



2. コンテキスト認識

Bixby対応アプリであれば、ユーザーはいつでもBixbyを呼び出すことができる。アプリの作業の途中でBixbyを使って、またアプリに戻るなども簡単にできるという。アプリの状況と現在のコンテキストを常に認識しているからできる動作だ。ユーザーは直感的にタッチ操作や音声操作を組合あせて使えるという。



3. 許容範囲の広い認識

一般に音声コマンドが増えていくと、正確なコマンドを覚える必要がでてくる。一方、Bixbyは正確ではないコマンドでも対応できるように考慮されている。ユーザーの意図を理解して、不完全な指示から正しいコマンドを実行できるという。




Bixbyの今後

直感的な操作を目指して、今後デバイスの側面に専用のBixbyボタンを設置していくという。音声インターフェイスをアクティブにするときに、呼びかける必要なく、ボタンを押すだけでよいというものだ。(Amazon Tapは音声でのよびかけなく、ボタンを押すだけというのに近い。) Bixbyボタンを押して、電話を誰かにかける、と伝えるだけでいいのであれば、いままでの操作に比べてどれほど簡便化は想像に難くない。



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Photo: SAMSUNG

今月末に発売予定のGlaxy S8が初のBixby搭載のスマートフォン。発売時はプレイントールアプリがBixby対応という。今後Bixby対応アプリは増えていくと言う。またサードパーティーのアプリデベロッパーに向けてSDKを用意する予定とのこと。将来的にはかなりのアプリがBixbyに対応していく可能性もあるだろう。


サムスンはスマートフォンからBixbyを展開していくが、今後全てのデバイスに広げていくという。スマートフォンに限らず、エアコンやテレビにも対応する予定だ。Bixby自体はクラウドでほとんどの処理がなされるため、デバイスに内蔵するのは、ネット接続とマイク、スピーカーなどがあればいいだけという。このBixbyエコシステムを成長させていくにつれて、人生のインターフェイスに進化させるというのがサムスンの野望だ。


僕はこう思った:
「Bixby」って毎回呼びかけるのは違和感あるなと思ったら、スマホのボタンを押すだけだった。いいと思います。



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中橋 義博

1970年生まれ。中央大学法学部法律学科卒。大学時代、月刊ASCII編集部でテクニカルライターとして働く。大学卒業後、国内生命保険会社本社において約6年間、保険支払業務システムの企画を担当。その後、ヤフー株式会社で約3年間、PCの検索サービス、モバイルディレクトリ検索サービスの立ち上げに携わる。同社退社後、オーバーチュア株式会社にてサービス立ち上げ前から1年半、サーチリスティングのエディトリアル、コンテントマッチ業務を担当する。2004年に世界初のモバイルリスティングを開始したサーチテリア株式会社を創業、同社代表取締役社長に就任。2011年にサーチテリア株式会社をGMOアドパートナーズ株式会社へ売却。GMOサーチテリア株式会社代表取締役社長、GMOモバイル株式会社取締役を歴任。2014年ロボットスタート株式会社を設立し、現在同社代表取締役社長。著書にダイヤモンド社「モバイルSEM―ケータイ・ビジネスの最先端マーケティング手法」がある。

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