「第2回 PALROコンテスト」表彰式に参加してきました!


第3回には是非とも応募してみたい!

1月17日(土)、富士ソフト株式会社のアキバプラザで「第2回PALROコンテスト」の表彰式が開催されました。

富士ソフト株式会社が開発をおこなうコミュニケーションロボットPALRO(パルロ)は2010年3月から教育機関向けに、2012年6月からは高齢者福祉施設向けに販売が開始されており、今回の第二回PALROコンテストでは、アイディア部門(①一人暮らしの方が使うPALRO ②商業施設で活躍するPALRO)、プログラム部門にわかれてPALROの活用法が募集されました。

優勝者には賞金だけでなく副賞としてPALRO本体が贈られるため、ロボット好きにはたまらないコンテストとなっています!
応募総数204の中で、優勝に輝いたのは果たしてどのようなアイディアなのでしょうか?

アイディア部門の優勝者は2テーマ共に開発経験なし!

司会を務めたパルロ

同コンテストの面白さは、アイディア部門は開発の必要がないという点です。その結果、ロボットにこれまで関わったことがない方からも自由なアイディアが集まり、結果として新しい目線を取り入れた幅広いアイディアが選考へと進みました。

そのアイディア部門の一つ目のテーマ「一人暮らしの方が使うPALRO」で優勝に輝いたのは、ロボットや先端技術の展示会サポートなどをされている大塚さん(ハンドルネーム目黒坂権之助さん)。「高齢社会のコミュニケーションロボットのスタンダード、 “小姑”ロボット」というアイディアで見事授賞しました。

大塚さんはロボット関連の取材などもされている方で、「これまで様々な方のお話を聞く中で課題に感じてきたことをレポートに書き留めました。本当の意味で、高齢者の視点に立って考えてみたんです」と語る同アイディアは、高齢者介護の現場で活躍しているPALROの今後の展開に一役買っていくのかもしれませんね!

また、アイディア部門のもう一つのテーマである「商業施設で活躍するPALRO」で優勝に輝いたのは御年70歳を越えておられる、川崎在住の小林さん。たまたまコンテストサイトでこのPALROコンテストのことを知り、奥様と一緒にアイディアを考えたとのことです。PALROが商業施設の案内をしたり、お客様と関わる中で情報を取得したりと、マーケティングにも活用できるというアイディアでした。

「認知症予防に効果があると言われるPALROですが、私たちのような高齢者にとっては、”PALROの活用方法を考える”ということが認知症予防に非常に役に立つと感じました」と小林さん。副賞のPALROが届くことがとても楽しみだと笑顔で話されている姿が印象的でした! 次回、第三回のコンテストがあればまた応募したいとのことです!

アイディア部門のそれぞれのテーマで優勝されたお二方ともロボットの開発経験がないということで、珍しく、貴重なロボットコンテストだと改めて感じました。

高齢者の視点に立った開発

開発部門入賞者の皆様

「高齢者施設で導入できるシステム」というテーマで募集されたプログラム部門。そこで優勝に輝いたのは、株式会社金沢エンジニアリングシステムズという組み込み系のソフトウェア開発をおこなう会社から代表して参加された、こちらも同じ名字の小林さんでした。

小林さんの考えたプログラムは、“意思伝達装置”を使ってPALROを動かすというもの。

PALRO本体に大きめのボタンが数個繋がっていて、そのボタンを押すだけで簡単にPALROを動かすことができます。なかなか大きな声が出せない、うまく話すことができないご高齢の方でも簡単にPALROを操作することができるような仕様になっています。
現場の視点、高齢者の方の視点に立ったからこそ生まれたアイディアだと感じました!

学生さんから最前線の開発会社まで、幅広く応募が来ているのも今回のコンテストの特徴ですね!

豪華な審査員陣

同コンテストは賞品も豪華ですが、審査員もとても豪華な顔ぶれでした。

fuRo所長の古田氏

日本のロボット研究の第一人者であり、未来ロボット技術研究センター(fuRo)所長の古田貴之氏も同コンテストの審査員として参加しており、発表当日は古田氏による講演もおこなわれました。「ものづくりよりも、”ものごと”づくり」という言葉が印象的だったこちらの講演では未発表のロボットの設計図が画面に映されたり、非公開の映像が流されたりとオフレコの内容も多く含まれており、講演を聴くことができただけでも授賞した方々には価値あるコンテストだったのではないかという程、貴重な講演でした。

インテル株式会社の宗像氏

また、同じく審査員を務めたインテル株式会社取締役の宗像氏による講演もおこなわれました。宗像氏は、集まった開発者に向けて「皆様が安心して開発をして頂けるように、コンピューティングの環境は私たちが全力で整えていく。それがインテルの使命」と語り、集まった若い開発者にエールを贈りました。

表彰式後にはコンテストに応募された開発者の方々と第一線でご活躍されている審査員の方々との懇親会も開かれ、集まった高校生や大学生が緊張しながらも積極的に交流をおこなうなど、今後の日本の未来を担う彼らにはとても貴重な経験になったことは間違いありません。

第三回の開催に期待しつつ、応募に向けてアイディアを考えておきたいと思います!

第二回PALROコンテスト結果


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望月 亮輔

1988年生まれ、静岡県出身。元ロボスタ編集長。2014年12月、ロボスタの前身であるロボット情報WEBマガジン「ロボットドットインフォ」を立ち上げ、翌2015年4月ロボットドットインフォ株式会社として法人化。その後、ロボットスタートに事業を売却し、同社内にて新たなロボットメディアの立ち上げに加わる。

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