SoftBank World 2015レポート | その1 | その2 | その3 | その4 | その5 | その6 | その7 | その8 | その9 | その10 |
7/30〜7/31開催の「ソフトバンクワールド2015」。ロボットスタートも参加してきましたので、Pepperを中心としたロボティクスに関するプログラムを一挙紹介していきます!
■基調講演:IoT・AI時代の新しいマーケティング
ネスレ日本は、190ヶ国以上でビジネスを展開するグローバル企業のネスレグループにおいて、成長と高利益率を実現している「先進国モデル」とされています。成長の原動力は、様々な分野における製品とビジネスモデルのイノベーションです。昨年、いち早くPepperを「ネスカフェ コーヒーマシン」の売り場に導入した事例とともに、到来するIoT・AI時代の新しいビジネスモデルについてお話しします。
ネスレ日本株式会社
代表取締役社長兼CEO
高岡 浩三 氏
地を這う食品産業を代表して指名されて登壇。だからこそ、3つの成長戦略を取り入れれば利益の出る高成長をさせることが出来ると考えている。
ネスレは世界最大の食品企業。毎年5%成長をコミットしてるが。先進国は1%。特に日本は胃袋の数も大きさも小さくなってるマーケットであっても3.5%の成長率、20%の利益率を上げている。
その一因はグループのなかでも特筆したマーケティングを行っていること。
日本のようなトップレベルハイクオリティの競合がいるなかでは20世紀型のマーケティングでは通用しない。問題解決ソリューションをどう提供しているかにフォーカスをする。
NESCAFEを例にとって提示する。
コーヒーそのもののイノベーションは実はそれほど無い。30年以上前自動販売機に温める機能のイノベーションが起きた結果、缶コーヒーが100倍大きいビジネスになった。自動販売機の製造メーカーがつくり出したイノベーション。
安価なコーヒーメーカーが家庭に普及したが、これも機械的イノベーション。 そしてスタバなどでカフェメニューが当たり前になり、家で飲みたいというニーズが出てきた。しかしこれもマシンのイノベーション。
人口は減っているが、世帯数は増えてきている。1杯ずつわざわざお湯をわかすのは難しくなってきた。
アンバサダープログラムを行っている。オフィスにいながら20円、30円のコーヒが飲めるようになったが、アンバサダーにはお給料を払っていない。そのモチベーションは「同僚からありがたがられる」こと。
昔と比べて今は電話が鳴らなくなった。社内の会話コミュニケーションも減ったが、アンバサダープログラムで集う場所が出来たらコミュニケーションが円滑となった。これが大きなモチベーションであり、現在10億杯、200万人以上の人に飲まれている。
Pepperにおいては、NESCAFEは量販店でのコーヒーメーカーのシェアが50%以上あり人手不足でも悩んでいた。しかし2000台導入する方向で話、テストケースで置いたら、接客もでき、お客様が会いたく集客効果もあがった。
ネスレシアター15分のショートムービーをYouTubeに載せている。普段のテレビはCMをスキップして見ている。しかし無料でクオリティの高い動画はYouTubeなどで普通に見られている。そこにCMと同じコストを出してショートムービーを載せればお客様とのコミュニケーションが取れる。
日本のネスレにおていはeコマースを全体の20%を目指している。現在は現在10%となっている。
eコマースのみが継続して契約出来、長期間売上のコミットが出来る。これにより新しいビジネスモデルが出来る。
これとIoTはどうかかわるか?
今は500万台のNESCAFEのカフェマシンが置かれている。これが繋げられればネスレシアターのコンテンツと連動でき、何が飲まれているかわかり、工場の計画に組み込めれば販売予測が不要になる。店頭はPepperで集約することで、マーケットリサーチなどというものが不要になる。
クラウド上に一元管理をすることで、消化量も確認でき、定期便の時期を早めるたり季節ものの提案などが出来る。またコーヒー以外の注文も可能になる。
オフィスなどでも地域イベントの情報配信なども。個人に寄り添ったサービスが出来るようになり効果的なバリューチェーンを組むことができる。問題の多くを解決できるオポチュニティがある。
実は過疎の村にアンバサダーがいる。1軒屋に一人、毎日近所の人がお茶会をしている。これは孤独という深刻な問題。都会でも例外ではなく、そのお茶会に寄って安否確認をしている。つまり、この様な問題が、コーヒーが、食品メーカーが解決できる可能性を秘めている。ネスレは メーカーではなく、サービス産業に入ろうとしている。20世紀の決めた業種という概念が壊れていくと考えている。
今後は色々なパートナーと組んでいきたいと考えている。
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