Pepper for Bizとアプリ開発パートナー紹介制度の詳細が判明!【Softbank World 2015】

7月30日(木)、東京都港区のザ・プリンス パークタワー東京で Softbank World 2015 が開催され、基調講演にソフトバンクグループ代表の孫正義氏が登壇。Pepper for Bizの詳細や今後のPepperの展開について述べました。注目のPepper for Biz、そして新たに発表されたアプリ開発パートナー紹介制度とは果たしてどのようなサービスなのでしょうか?


▽ 目次
感情マップの復習とDeep learning
Pepper for Bizの4つの柱
Pepper for Bizの価格
アプリ開発パートナー紹介制度とは?



感情マップの復習とDeep learning

Softbank World 2015

孫社長は、6月におこなわれた一般発売発表会で公開された感情マップについて改めて触れ、快感や多幸感を得るドーパミンと、闘争や逃避反応を生じさせるノルアドレナリン、そしてこの二つを適切に制御するためのセロトニンの3つの擬似神経伝達物質により感情マップが生成されていることを説明。Pepper発表当時から備わっている「感情認識機能」を使った外部情報のインプットと、この3つの擬似神経伝達物を合わせることでPepperにハートを与えることができることを主張しました。

Softbank World 2015

そして、ここでPepper for Bizの前にもう一つの重大発表!
将来Pepperに「Deep Learning」が搭載予定であることを明かしました。

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Deep Learningとは、脳のつくりをソフトウェア上で再現し、それ自身が自動で学習を深めていく学習方法のこと。ソフトウェアが人間の手を介さずに学習していきます。

Softbank World 2015

壇上では孫社長が実際に未来のPepperのデモンストレーションをおこないました。

孫社長がPepperに歯磨き粉を見せて「これは何?」と質問しても最初は認識できません。しかし孫社長に教えてもらい歯磨き粉の名前を一度で記憶。

Softbank World 2015

再度歯磨き粉を見せて「これは何?」と質問をすると、Pepperは名前だけでなく孫社長が教えていない詳細な情報を答えます。これはWEB上の情報を検索し、最適な情報を学習したもののアウトプット。未来のPepperは無教師学習により、勝手に学習していきます。すごすぎる。

Softbank World 2015

そして孫社長は、コンピュータが人間の脳細胞のトランジスタ数を2018年前後で追い越すということ、

Softbank World 2015

そして「AIが人を超えるような未来が来ることは避けたい、目を背けたいと思うかもしれないが、それは必ず起こること。しかしそれは人間から仕事を奪うというようにネガティブに捉えるべきものではなく、よりクリエイティブな仕事や未知の課題を解決するようなコンピュータには苦手な分野を人が担っていくべきだ」と述べました。



Pepper for Bizの4つの柱

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ついに注目の「Pepper for Biz」

Softbank World 2015

2015年10月1日に申込が開始されることが判明!

Softbank World 2015

気になるPepper for Bizの中身には、4本の柱があります。

まず1つ目が「ビジネスアプリかんたん生成」機能。

会社名と接客のキャラクターなど、項目を選択していくだけでビジネス用のPepperアプリがかんたんに作れるようになるというものです。当然、サービス開始当初に生成できるものにはパターンや用途に限りがあると思われますが、時間の経過とともに様々なビジネスアプリが生成できるようになりそうですね!

2つ目が「インタラクション分析」機能。

こちらは、通行人数などのセンサーデータ、アプリケーション起動回数、接客した人の属性や感情などの情報を蓄積して見える化することができるというもので、マーケティングデータとして活用されることが見込まれています。

3つ目、4つ目は孫社長からの説明はありませんでしたが、「アプリ設定一括管理」と「プレミアムサポート&メンテナンス」の2つです。

「アプリ設定一括管理」では、複数のPepperを管理者がウェブで一括管理することができる機能で、名称や設置場所などでグループを設定し、グループごとにアプリケーションを配信することが可能になります。複数体のPepperを導入した場合に非常に便利な機能ですね!

そして「プレミアムサポート&メンテナンス」では、電話やウェブによる専用の窓口を用意してサポートを行うというもの。Pepperがユーザーの責でなく故障した際には、何度でも交換対応してもらえるようです。

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Pepper for Bizに標準搭載されるアプリケーションは以下の5つ。

1.声かけ
離れた人を呼び込み、近づいた人にあいさつする

2.ヒアリング
ニーズに応じた提案およびアンケートを実施する

3.プレゼンテーション
商品画像を見せながら、訴求ポイントを紹介する

4.エンターテインメント
パフォーマンスやゲームでお客さまと遊ぶ

5.受付
社内担当者に来客情報をメールで通知する

このように、会社などで使用する際に必要なシンプルな機能は標準で搭載されているようです。



Pepper for Bizの価格

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気になるPepper for Bizの価格は月額5.5万円。36ヶ月の契約ということで、5.5万円×36ヶ月で198万円(税別)がかかります。また契約時に別途ロボット手続き料9,800円(税別)がかかるため、3年間の合計金額は、198万9,800円(税別)。税込みだと214万8,984円がかかることになります。安いと感じるか高いと感じるかは会社それぞれかもしれません。人を一人採用しようと思えば月額5.5万円以上のコストは当然かかりますが、Pepperが給料に見合う働きを見せてくれるかどうかは、使い方次第といったところでしょう。



アプリ開発パートナー紹介制度とは?

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加えてアプリ開発パートナー紹介制度がスタートされることも発表されました。

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アプリ開発パートナー紹介制度は、Pepperのアプリを個別にカスタマイズしたいお客さまに、アプリ開発パートナーをご紹介するサービスのことで、1.ビジネスセミナー 2.開発基礎レクチャー 3.実技トレーニング 4.筆記試験を終えた事業者がパートナーの対象となるようです。

パートナープログラムへの参加は下記URLからおこなうことができます! Pepperアプリの開発事業者の皆様は是非問い合わせを!
https://www.softbank.jp/robot/d/form/partner-prg/

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最後に、7月31日10時〜一般発売用のPepperが新たに1,000台販売されることを告知。前回1分で売り切れたPepperですが、孫社長も今回はどれくらいで売り切れるのかに注目しているようです。

購入希望者は10時ジャストに申し込みボタンを押す勢いで当日を迎えましょう!


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望月 亮輔

1988年生まれ、静岡県出身。元ロボスタ編集長。2014年12月、ロボスタの前身であるロボット情報WEBマガジン「ロボットドットインフォ」を立ち上げ、翌2015年4月ロボットドットインフォ株式会社として法人化。その後、ロボットスタートに事業を売却し、同社内にて新たなロボットメディアの立ち上げに加わる。

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