「Choregraphe 2.3.1 説明会」に行ってきました

デベロッパープログラムの開始より、誰でもダウンロード可能となった 最新版の SDK である Choregraphe 2.3.1 。

今まで主に利用されていた Choregraphe 2.0.5 からの変更点を案内する説明会が7月31日にアルデバラン・アトリエ秋葉原で開催されました。


どうして、今このタイミングでChoregraphe2.3.1の説明会を行うのか?

今までは限られた人しか Choregraphe2.0.5 が入手できませんでしたが、7月3日からデベロッパープログラムがスタート。

これによりユーザ登録をすれば誰でもChoregraphe2.3.1が入手できるようになったので、行うこととなりました。

変更点の詳細はリリースノートに記載されており、これを読み込むと Choregraphe2.3.1 の変更点が確認可能です。(今回の説明内の内容もリリースノートの内容に準じています)

また、最初に注意点を。Choregraphe と pepper 本体のバージョンは合っている必要があります。現在みなさまの手元にあるであろうデベロッパー版pepperは2.0.xですので、Choregraphe2.3.1でアプリを開発してもpepperの調子が悪くなる可能性があるのでご注意を。

まず、この説明会のために本日届いた新型Pepperの説明を。

今年の2月くらいまでのPepperは通称「旧型」で、現状出荷されているpepperは通称「新型」と呼ばれています。

見た目でわかりやすい変更点は、以下。
 ・足部分に穴が増えた(=赤外線センサーが追加された)
 ・腕の付け根の形状が変化した。スリーブがあるのが旧型。
  すっきりしてノースリーブみたいな形状は新型。

見た目でわかりづらいけど変更されたのは、以下。
 ・新型はCPUの処理速度が上がった。旧型は処理にワンテンポあるけど、新型はレスポンスが早い。
 ・緊急停止ボタンのスペースに、解除キーを収納できるので、キーをなくす心配が軽減した。
 ・新型は足のオムニホイールが軽くなったので、人間が押して移動させるときに軽くなった。


今後、旧型pepperに対しては「ヘッド交換」が行われる予定。pepperの頭を交換して新型CPUのpepperを使うことができるというもの。(PepperのCPUは頭の部分に入ってます)

ヘッド交換が実施されていくと、世の中の3種類のpepperが存在することとなります。
(これにより、アプリの検証作業が煩雑になる可能性はあります。)

 ・完全旧型
 ・完全新型
 ・体は旧型、頭は新型

では、Choregraphe2.3.1の説明に入ります。

【対応OSの変更】

 windows
  -windows7
  -windows8.1
   ※2.0.5ではwindows7のみサポート

 Mac
  -10.10.2 Yosemite
   ※2.0.5では 10.7.1 LION、10.8.3 Mountain Lion のみサポート

【ボックスライブラリの構成が大きく変化】

 ・無くなったボックスがあります。
 ・メニューが減り、検索ボタンがつきました。
 ・アニメーションが充実した。
 ・認識系のボックスが多く追加されました。
  (get age,get gender,get expression,getsmile など)

認識系のボックスが多く追加されたので、この点でアプリ開発が便利になります。

【インスペクタの実装】

・ボックスを選択すると、インスペクタが表示されパラメーターなどの詳細情報が表示されるようになりました。これにより開発の一手間が減り、アプリを作りやすくなりました。

【ボックスのI/O名の表示や縮尺が右クリックで設定できる】

・初心者にとっては、使いやすくなる便利な機能です。

【新しいServiceが追加】

・エラーを表示できるようになりました。(=エラー対策)

・Wi-fiのステータスを見られるようになりました。
  PepperのWi-fiは本体とタブレットの2つあります。
  たまに本体はWifi掴んでいてもタブレットは掴んでない場合がある。
  こういうときのステータスを確認できるようになりました。

・タブレットのリロードを行えるようになりました。
  (=キャッシュをクリアできるようになりました。)

これらにより、全般的にタブレット周りが便利になりました。

【新しいアプリ「Memorize」が追加】

pepperのバックアップやリストアが可能になりました。

pepperを修理するとき、初期化してもらって送ることになっていますが、その際、Pepper内のデータの取り扱いが煩雑になってしまってました。このアプリにより、初期化とリストアが容易になったので、修理対応の際のデータ管理が便利になった。

また、Pepperを貸し借りし合ったりするときに便利だったり、原因不明の不具合が起こってPepperを初期したいときにも便利になりました。


以上がざっくりとした、Choregrapheの変更点の説明でした。

Qiitaにロボットスタートがボックス日本語訳一覧をあげていることを紹介いただきました。ただし、「参考になりますが非公式なので間違いがあっても保証はできません」との公式見解です。間違いがあったらみなさん、コメント欄でご指摘くださいね。


次に、新型pepperについて説明していきます。新型では、アプリが利用できます。

新型pepperは起動すると、オートノマスライフが起動して、タブレットにアプリ一覧が表示されます。現状100はないけど、それに近い個数のアプリがあります。

本体のコマンドが追加されました。

・スリープ
 ・頭を3秒触る。実際触ると「(ポッポッポッ)なに、なーにー」としゃべります。

・覚醒
 ・スリープ時に頭を触る。実際に触るとpepperが「わー」としゃべります。

・ストップ(=アプリを途中で止めたいときに使用します)
 ・カメラを塞ぐように頭を触る。

説明は以上です。最後にアトリエ秋葉原からお知らせです。

アトリエ秋葉原のpepperは、しばらくの間、2.0系のPepperを中心にご用意しますので、アトリエに来られる方はChoregraphe2.0.5をご利用ください。

ということで、Choregraphe 2.3.1 説明会は以上です。

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北構 武憲

本業はコミュニケーションロボットやVUI(Voice User Interface)デバイスに関するコンサルティング。主にハッカソン・アイデアソンやロボットが導入された現場への取材を行います。コミュニケーションロボットやVUIデバイスなどがどのように社会に浸透していくかに注目しています。

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