「Pepper適職診断」を開始したリクルートキャリアさんにお話を伺いました。
株式会社リクルートキャリアで、Pepper向けアプリ「Pepper適職診断」をリリースしたと聞きまして、株式会社リクルートキャリア ネットビジネス推進室 片岡悠人様にお話を伺いに行きました。
ーーー最初に御社の事業をご説明いただいてもよろしいでしょうか。
片岡「リクルートキャリアは人材総合サービス会社として、新卒学生既卒向けの就職情報サイト『リクナビ』のような就職のサポートと、転職情報サイト『リクナビNEXT』、職業紹介サービス『リクルートエージェント』といったような転職のサポートを事業の柱としています。」
ーーーネットビジネス推進室の役割を教えてください。
片岡「ネットビジネス推進室は、就職、転職からさらに視野を広げて「働く」をテーマに新規事業やサービスを開発している部署です。」
ーーー「Pepper適職診断」アプリを作成するきっかけを教えてください。
片岡「去年の6月にソフトバンクの孫さんが記者会見で発表したPepperに衝撃を受けました。その後、9月に行われたPepper Tech Festival 2014の参加者に先行提供された限定1台の抽選に当ったのが私の部の上司だったんです。そこからPepperが会社にやってきて私がPepper開発の担当者となりました。
Pepper 第1号ユーザーお宅訪問、戸惑う妻とクリエイター宣言の夫
http://japanese.engadget.com/2014/09/21/pepper-1/
このPepperで何をしようか思案して、色々とアイデア出しをしました。受付とか秘書とか健康チェックとか。Pepperで社内を元気にしてもらおうというものも出てきました。
職場を明るくするSmile Robot
http://kakushin.works/products/000002
そうこうしている中、リクルートキャリアとPepperを掛け合わせたサービスということで”Pepper適職診断”を思いつきました。」
「Pepper適職診断」は、『リクナビNEXT』の適職診断をPepper用にアレンジし、Pepperからの質問に答えていくと最後に働き方のタイプを教えてくれるというアプリ。
『リクナビNEXT』適職診断
http://next.rikunabi.com/01/tenshokushindan/tenshokushindan_01.html
「毎日定時に帰れる仕事がしたい?」「尊敬できる上司の下で働きたい?」などの質問がPepperから出されていきます。
回答に応じてPepperから「確かに、仕事とプライベートのメリハリは重要だよねー!ボクもオンとオフの切り替えは負けないよ!!」といった合いの手が入るので、楽しく適職診断が行えます。
診断結果ではタイプ別の結果を教えてくれるとともに、Pepperによる個人的な感想も答えてくれます。僕がやった時は「こだわりの強い職人タイプだね」と教えてくれたのですが、中には「もしかして合コン大好き?」といった感想もあるそうです。
ーーーPepperアプリをつくってみていかがでした?
片岡「Pepperを手に入れてから色々と情報を集めて勉強してましたので、Choregraphe(Pepperアプリの開発環境)での実装は1週間ほどでつくることができました。Pepperプログラミングよりも、どうやったら面白いセリフになるのかのシナリオを考えるのに苦労しました。会話の間や抑揚を適切に調整していくのが大変で、この点は今後も調整を重ねていきたいです。
最初はインターネットでの『リクナビNEXT』のコンテンツと連動させようと思ったのですが、データ処理やネットワークの問題で不安定になりそうでしたので、全部Pepperのローカル側に置く形でつくりました。」
ーーーPepperだから工夫した点はありますか?
片岡「”適職診断”は元々インターネットでの『リクナビNEXT』のコンテンツで、22問あるんです。それをPepperと会話しながらやるにはあまり質問数が多くない方が適切だろうと6問に絞るなど工夫してみました。設問は減らしましたが要点は押さえているので、診断結果はきちんと出ます。」
ーーー使った方からの感想はいかがでしたか?
片岡「最初は上司やチームのメンバーに使ってもらったのですが、おもしろいという感想が多かったです。Pepperが相手だから普段答えづらい質問にも答えやすくなるという感想や、Pepper相手だと素を出せるという感想もありました。
社外の方へも希望された方に使っていただいているのですが、面白いという声が多く、つくった甲斐がありました。
弊社では「カクシン」というサイトを運営しているのですが、このアプリの紹介を載せたら、これがきっかけで弊社に興味を持っていただいた方もいるので、うれしいですね。」
ーーー今後のバージョンアップのご予定は?
片岡「セリフや動きのブラッシュアップは継続して続けていきたいです。求職者の方が面談で弊社にいらした時、コンサルタントが来る前の時間でこの”Pepper適職診断”をやってもらい、アイスブレイク的に緊張をほぐす役目をPepperに担って欲しいですね。」
今回お話を伺いまして、Pepperが相手だとリラックスして答えることができるという感想が印象に残りました。人型ロボットゆえの特長ですね。就職や転職を行う時は、色々と相談事が出てきますので、将来はロボットが人間の相談相手になってくれる時代がやってくるかもしれません。
現在「Pepper適職診断」を受けてくれる方を大募集中だそうです。ご希望の方は、以下の「カクシン お問合せページ」のお問い合わせ内容に「適職診断Pepper体験希望」と記載してお申し込みを。
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北構 武憲本業はコミュニケーションロボットやVUI(Voice User Interface)デバイスに関するコンサルティング。主にハッカソン・アイデアソンやロボットが導入された現場への取材を行います。コミュニケーションロボットやVUIデバイスなどがどのように社会に浸透していくかに注目しています。