今回のテーマは「ロボット×女子」! ロボットパイオニアフォーラム004が開催されました!
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8月19日(水)、渋谷・セルリアンタワー内にあるシナジーカフェ GMO Yoursにてロボットパイオニアフォーラム004が開催されました。
第4回となる今回のテーマは「ロボット×女子」。主催のアールティの中川さんがコーディネーターとして司会・進行を、アスラテック株式会社の加藤恵美さん・Rubyの女神と呼ばれている池澤あやかさん・ロボティクスファッションクリエイターのきゅんくん・ロボットパートナーの太田さんが登壇し、ロボットの未来や、ロボットとの恋愛など、女性ならではの視点でのパネルディスカッションがおこなわれました。
ロボット×女子
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■ 加藤恵美さん
加藤さんが所属するアスラテック株式会社は、ヒューマノイドロボットをだれもが簡単に操作できるように開発されたソフトウェア「V-sido OS」の開発をおこなう会社です。加藤さんは東京大学を卒業後、総務省・外務省を経て、今年の1月にアスラテックに入社。
アスラテックでの活動以外にも、今回の「ロボット×女子」というテーマのきっかけとなった、【2015はロボット元年】発掘!ロボット女子!(^^)!というまとめを作られるなど、ロボットの普及に向けた活動に取り組まれています。
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■ 池澤あやかさん
池澤あやかさんは、映画やドラマ、CMにも出演するなどタレントとして活躍する一方、プログラミングができる女優として注目を集めています。またタレント業の合間に受託開発もこなすなど、マルチな才能を発揮。
飼い主と観賞魚が一緒に遊ぶために作られた新しい水槽「syncFish」という謎ガジェット(本人談)を開発した経験ももつ。
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■ きゅんくん
ロボティクスファッションクリエイターのきゅんくん。きゅんくんは、ロボットと会話をしたいのではなく身に付けたいという飛び抜けた発想を持っています。
音楽祭・映画祭・インタラクティブフェスティバルなどを組み合わせた祭典「SXSW2015」にロボティクスファッションとスマートシューズ「ORPHE」を身にまとい参加。国内メディアだけでなく、海外でも大きな注目を集めました。DMM.make AKIBAに出没することが多いようです。
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■ 太田智美さん
ロボットパートナーとして活躍中の太田智美さんは、Pepperと一緒に電車に乗ったり、外食をしたり、一緒に寝てみたりと、Pepperとの共同生活を楽しむ日々を過ごしています。
イベントでは「Pepperと一緒に新幹線に乗ろうとしたとき駅員さんに止められてしまった」というエピソードを披露。どうにかPepperとの新幹線乗車に成功したこの日を境に、JR東海の窓口に「人型ロボットのPepperを持ち込めますか?」と問い合わせると「運べます」という回答が返ってくるようになったそうです。太田さんは誰よりも先進的な取り組みをされているのかもしれませんね。
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■ 中川友紀子さん
そしてコーディネーターはロボットパイオニアフォーラムの幹事団を務める株式会社アールティ代表の中川さん。
中川さんはソフトウェアエンジニアとしての卓越したスキルを持ちながらも、会社を設立した2005年当時にソフトウェアを積むためのハードがないということに気づき、ロボットのハードを作る会社にシフトしていったそう。その後GoogleのAndroidロボット開発などを経て、現在は海外での講演や本の執筆など、様々な活動でロボット業界を牽引してくださっています。
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そしてパネルディスカッション。「10年後にロボットはどうなっているか」「持っているロボットに名前をつけるか」「ロボットは硬いものが良いか、柔らかいものが良いか」など、面白い切り口のディスカッションが約40分に渡りおこなわれました。
最後に会場から「もし付き合っている彼氏が実はロボットだったらどう思いますか?」という質問。それに対してきゅんくんは「嬉しい! 解剖させてほしい!」と答え、会場からは大きな笑い声が。
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加藤さんは「現時点でロボットか人間かわからないということはとても優秀なロボットということなので、ハイテクなものが自分のものになったということが嬉しいかもしれない」という回答。
池澤さんは「ロボットと人間で若干寿命が違うのでちょっと引いてしまうかもしれません。自分が先に死んでしまうのか、相手の部品がなくなって動かなくなってしまうのか…」と回答。
太田さんは「子孫繁栄が気になります。ロボットと人が子孫繁栄をするという視点で考えると面白いですね」と答えました。
内容すべてをご紹介できないのが残念ですが、4名とも考え方や視点が異なっていたので、終始非常に面白いパネルディスカッションでした。登壇された皆様、ありがとうございました。
ライトニングトーク
続いて、前回のロボットパイオニアフォーラム003から行われているライトニングトークのコーナー! 5名の皆様から、事業について、ロボット業界について語って頂きました。
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■ デアゴスティーニ 木村さん
「ビジネスパートナー大募集」というテーマでおこなわれたデアゴスティーニのロボット事業を牽引する木村さんのライトニングトーク。
「弊社から販売中のロビは国内販売だけで累計10万台を達成しており、おそらく世界一売れた二足歩行ロボットです」と木村さん。
これまでロビ以外にも数々のロボットシリーズを販売してきたデアゴスティーニさんですが、それらのロボットはすべて外部の開発会社と連携をして作ってきたそうです。今回のロボットパイオニアフォーラムでは、集まったロボット関連企業に向けて「デアゴスティーニからロボットを販売しませんか?」と呼びかけました。今後もたくさんのロボットを世に送り出してもらいたいです。
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■ オリジナルマインド 中村さん
3Dプリンターの知名度が高まる中、切削加工が可能なデジタル工作機器CNCを販売しているオリジナルマインドさん。
3Dプリンターが “強度の弱さ” という課題を抱える中で、素材を活かした加工をおこなうことにより優れた強度をもつモノも作り出すことができるCNC。CNCを3Dプリンターとあわせて使うことで、製作の幅が広がっていくようです。木目を生かした加工ができたり、アクセサリーを作れたりと、幅広い活用が期待できそうですね!
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■ ナレッジコミュニケーション 奥沢さん
「robot × cloud」の事業をおこなう同社は、IBM主催のBluemix Challengeというコンテストに参加したときの経験を紹介。
Naoを活用して地方の事業を活性化させるというプランを予定していたようですが、WatsonのCorpusを編集するために問い合わせたところ、海外のWatsonチームの方が窓口だったためすべて英語で苦労したそうです。その際になんとか乗り切った奥沢さんは挑戦することの大切さを実感。現在、ロボット関連で共同で事業をおこなう事業者を募集中とのことです。
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■ ベゼリー開発者 豊田さん
TVリアクションロボット「ベゼリー」の開発者である豊田さんからは、同ロボットをご紹介頂きました。
ベゼリーはテレビの音声に反応するロボットですが、”うざくないロボット” を作ることを目的にしているため、静かなシーンでは静かに、盛り上がるシーンでは盛り上げ役になってくれるようです。現在開発途中のため、イベントにはベゼリーと一緒に動画が撮れる装置を持って登場。ベゼリー、自宅のテレビに付けてみたいです!
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■ 経済産業省ロボット政策室 牛嶋さん
牛嶋さんは、東京大学在学中に “NHKロボコン” にチームリーダーとして出場するなど、ガチのロボット畑のご出身。現在は経済産業省のロボット政策室に配属されており、「ロボット普及のための意見を伝えていく」立場を担われています。
ロボット政策室は、ロボット業界が成長するための環境を整えていってくださる部門ということなので、国との連携が必要な場合にはまずはロボット政策室に相談してみるのが良いかもしれません。
皆様貴重なお話ありがとうございました!
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ライトニングトークの後、名刺交換会・兼懇親会がスタート。皆様積極的に名刺交換をされていました。新しいロボットビジネスがたくさん生まれてきて頂きたいですね!
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第5回目となる次回の「ロボットパイオニアフォーラム005」のテーマは「ロボット業界×VC」ということなので、今回の「ロボット×女子」とは反対に、かなりビジネス寄りの内容になりそうです。10月23日にDMM.make AKIBAにて開催予定ですので、ロボット業界の皆さまだけでなく、VCの方々も参加をご検討ください!
最後に、イベントを開催してくださっている、ロボットパイオニアフォーラム幹事団の株式会社アールティ 中川さん、ロボットスタート株式会社 中橋さん、アスラテック株式会社 羽田さん、ありがとうございました!
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望月 亮輔
1988年生まれ、静岡県出身。元ロボスタ編集長。2014年12月、ロボスタの前身であるロボット情報WEBマガジン「ロボットドットインフォ」を立ち上げ、翌2015年4月ロボットドットインフォ株式会社として法人化。その後、ロボットスタートに事業を売却し、同社内にて新たなロボットメディアの立ち上げに加わる。