「L.M.D.P. Pepperアイデアソン2nd Season」に行ってきました。その2

8月29日(土)に開催された「L.M.D.P. Pepperアイデアソン 2nd Season@医療ヘルスケアステージ」に行ってきました。

 L.M.D.P.Pepperアイデアソン2nd Season@東京
 http://peatix.com/event/105073/

(「その1」の続きです。)


本編のアイデアソンスタートです。

まず今日のチーム分けの発表です。各ジャンル「チーム認知症」「チーム服薬管理」「サルコペニア」「パタカラ(口腔ケア)」ごとにメンバー分けされました。

最初にメンバー同士で自己紹介です。ここからチームごとにメンバーでアイデアを考えていきます。

付箋にアイデアを書き出して、貼り付けていきます。

チーム毎にPepperのプログラミングができるメンバーがいますので、アイデアをChoregrapheで形にしていきます。


発表の時間です。

最初は「チームカンカン娘」。認知症に関するアプリを作成しました。

80歳、認知症レベル3の女性がpepperとコミュニケーションをとる想定です。

Pepperに自分の生まれた年を言うと、年齢に合わせた当時の流行歌が流れてきて、音楽に合わせてPepperが踊り出します。

曲の後は、当時流行したファッションの画像や代表的な事件をタブレットに表示させて、pepperと会話のコミュニケーションをとります。

これらは、認知症のケアとして行われる「回想法」です。当時のことを思い出すことにより、Pepperでリハビリテーションを行うというものです。


次は「チーム認知症問題を考えるーず」。こちらも認知症に関するアプリを作成しました。

作品名は「認知症の方のための寄り添いプログラム〜ボケてもいい、死ぬまで一緒に暮らそうよ」です。

認知症の不安な要因の1つに、やるべきことをやったかどうか分からなくなるというのがあります。そんな時にPepperがいつも寄り添い、やるべきことを教えてくれます。

Pepperに期待できる展開はこちらです。

今回のアプリに実装した主な機能はこちら。

実演のスライドはこちらです。


次は「チーム一ノ瀬のおじいちゃん with pepper」。服薬管理に関するアプリを作成しました。

作品名は「記念にはいチーズ〜一ノ瀬のおじいちゃんは今日も元気かな」

一人暮らしのおじいちゃん・おばあちゃんをターゲットに、毎日服用する薬を確実に飲ませて、家族がその結果を確認できるというものです。

定時が来たらPepperが薬を飲むように喋り出します。薬を飲んだあとにPepperが写真をとって、その様子を家族に送ります。

今後の搭載予定機能もあります。


次は「チームお薬どうぞ」。こちらも服薬管理に関するアプリを作成しました。

残薬問題を解決するためのアプリです。「残薬」とは薬を飲まずにいる状態のこと。様々な原因がありますが、残薬のコストが年400億円発生しているとも言われています。

最初にPepperから薬を飲むように話しかけます。その後、Pepperから「飲んだ薬の空きケースを写真に撮って」とお願いがあり、そのまま写真を撮ります。この写真は家族宛にメールで画像添付の形で送信されます。

また、薬を飲まない=写真が撮影されなかった時も、家族宛にはお知らせのメールが送信されます。


次は「チーム東大」。口腔ケアに関するアプリを作成しました。

独居老人にはいろいろな問題が想定されます。一人だから偏った食事になりがちで、栄養が十分ではないことから、様々な病気になってしまいます。

そこで、食事相手となってくれるためのアプリをつくりました。

Pepperがいろいろと話しかけてみます。例えば「今日は冷蔵庫にどういう食材がありますか?」という具合にです。そこで、Pepperに手元にある食材を教えると、オススメのレシピを教えてくれます。

ほかにもPepperを孫に見立てていろいろな会話を行うことで、独居老人の問題を解決するというものです。


最後は「チームサルコマニア」。サルコペニアに関するアプリを作成しました。

サルコペニアとは、加齢による筋肉量減少です。

筋肉量減少を予防するために、Pepperのタブレットに老人にやってもらいたい体操が映し出されます。タブレットと同じ体操をしている間、Pepperからは励ましの声をかけてもらいます。

体操が終了したら、今日の運動の結果が表示されます。

以上で、発表は終了です。


メンバーによる投票の間、神奈川県産業振興課の方からお話です。

現在、神奈川県では「さがみロボット産業特区」の対象地区として、相模原市・平塚市・藤沢市・茅ヶ崎市・厚木市・大和市・伊勢原市・海老名市・座間市・綾瀬市・寒川町・愛川町が指定されています。

これらは国からロボット特区指定を受けている地区で、イメージキャラクターは鉄腕アトム。この前はアトムの信号機を設置しました

 ROBOT TOWN SAGAMI – さがみロボット産業特区
 http://sagamirobot.pref.kanagawa.jp/

協議会のメンバーは自治体の他、メーカー、病院、研究機関にも関わっています。

取り組みは、規制緩和されたものの実証実験の支援です。行政では、様々な場所で実証実験が行えるようなコーディネートを行っており、今年度は一般道で自動運転自動車の実証実験を行うロボットタクシーの事業を採択しました。

 平成27年度「公募型『ロボット実証実験支援事業』」採択案件を決定しました!!
 http://www.pref.kanagawa.jp/prs/p947154.html

公募型の「ロボット実証実験支援事業」を募集しております。ロボットの実証実験も支援するものなので、アプリケーションだけではなく要素だけでも対象となるそうなので、是非みなさまご応募お願いします。

 公募型「ロボット実証実験支援事業」募集開始!
 http://www.pref.kanagawa.jp/prs/p910662.html


投票結果が出ました。

今回は順位付けをすることが目的でないのですが、投票結果をみると、「認知症を考えるーず」と「チーム東大」が同票で高ポイントでした。

Pepper Tシャツをかけて代表者がじゃんけんです。じゃんけんの結果、チーム東大にTシャツプレゼントです。おめでとうございます!


最後に事務局の阿久津さんから、閉会の挨拶です。

「1回目のアイデアソンの時は、Pepperは今後どうなるんだろうと思ってアプリをつくっていたけど、今年は去年よりもリアリティのあるアプリが多かったです。

みなさん、家にPepperがやってきたらどうなるかを具体的に考えられてアプリをつくられました。

次のPepper App Challnegeの優勝をここから生んでください。このアイデアソンは継続して続けていきたいので、またご参加お願いします。」

最後に集合写真です。皆様お疲れ様でした!

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北構 武憲

本業はコミュニケーションロボットやVUI(Voice User Interface)デバイスに関するコンサルティング。主にハッカソン・アイデアソンやロボットが導入された現場への取材を行います。コミュニケーションロボットやVUIデバイスなどがどのように社会に浸透していくかに注目しています。

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