9月12日(土)に開催された「Pepper App Challenge 2015 Winter ハッカソン #2 -介護・福祉-」に行ってきました。
https://pepper.doorkeeper.jp/events/31073
こちらは「Pepper App Challenge 2015 Winter」への参加を検討している方を対象にしたハッカソンの第二弾。コンテスト部門賞の1つでもある「介護・福祉」をテーマにしたものです。
Pepper App Challenge 2015 Winter
http://www.softbank.jp/robot/news/developer/20150821a/
会場はおなじみのアルデバラン・アトリエ秋葉原。一部ではPepper開発の聖地と呼ばれています。
今回は「介護・福祉」をテーマにしたハッカソンのためか、ご自身で介護をされている方など、身近に介護や福祉のある方の比率が高いです。そして、全国各地からの参加者も多いハッカソンとなりました。
みんな黙々と開発を行ってます。もくもく。もくもく。
発表の時間です。3チームが順番に発表を行います。
まずは、チーム「ユマニチュードPepper」。
皆様は「ユマニチュード」をご存知でしょうか?ご存知ない方もいらっしゃると思うので、Pepperから説明をします。
(ブログをご覧いただいている皆様は以下のスライド写真をご覧ください)
このユマニチュードを実際にPepperが行うというのが今回のアプリです。介護者役の方とPepper操作役の方がアプリの実演を行います。
具体的にPepperが行うことはこちらです。
(1) 被介護者にPepperが近づく
(2) 被介護者の顔認識をPepperが行い、名前を呼びかけながら自己紹介を行う
(3) 被介護者にコールバックをもらえたら、さらに近距離に近づき話しかける
スマートフォンからPepperを動かしたり、話をさせたりと操作を行います。これは、Pepperに命令して何かをさせている風景を被介護者がどう見るかと考え、被介護者の見えない位置から操作を行えるようにとの配慮から実装された機能です。
今後の拡張プランはこちらです。
ユマニチュードを習得するには、一般的に2〜3年ほどかかると言われています。Pepperアプリの形でメソッドを入れることで、短い期間で実際に行うことが可能となります。
また、スマホをリモコン的に使うことにより、日本語が堪能ではない方でもユマニチュードが可能となります。
今回は、ユマニチュードメソッドに沿った台本を事前に作ってきたそうなのですが、アプリ作成の時間に制約もあったので、台本をシンプルにしたそうです。
また、Pepperを喋らせるのに、[スマートフォン→サーバ→Pepper]という経路で行いました。これはIotを意識した実装で、今後Pepper経由でIotをさせる機能も追加可能となります。
認知症の方は日々物事を忘れていくので、コミュニケーションは人間よりもロボットが行う方が適しているのかもしれないとのことでした。
次は、チーム「お掃除Pepper」です。(チーム名なしだったので、勝手につけちゃいました)
Pepperには3つの大罪があるのをご存知でしょうか?それは「でかい!重い!邪魔!」です。
このデメリットをメリットに変える新発想!それがお掃除Pepperです。
割烹着を着たPepperの後ろにモップがつけられています。Pepperは「どいて、どいてー」としゃべりながら動き回り、障害物を見つけたら転回して床掃除をします。動きを止めたいときは、Pepperの頭を触ります。
とりあえずこのアプリを使うと部屋が綺麗になります。
今後追加予定の機能は
・スマホから操作できるリモコン
・お掃除バンパーの改善(今回は時間が限られていたので、100円ショップで揃うものでつくったそうです)
・拭き掃除モード、掃き掃除モードの追加
・ねこじゃらしアタッチメントに付け替えての、ペットお世話機能
アプリ自体はシンプルですが、パーツを一つ付けるだけで無限の可能性が広がることが伝わってきました。
実演は以上です。
Pepperの脚部には色々とセンサーがついているのですが、後部は超音波センサーだけなので、Pepperの仕様的にも背後にモップをつけたのは正解でした。
Pepper App Challenge 2015 Winterの審査基準観点的には「継続性」が抜群によさそうです。
チームの方曰く、Pepperのアプリではなくアタッチメントとしてのモップをつくったのがポイントだそうです。
最後は、チーム「ぺらめっこ」です。
笑顔が増えて直感的にわかりやすいという、画期的なゲームアプリを作成しました。その名も「ぺらめっこ」で、進化版にらめっこです。
ルールは2つ。
(1) 笑顔を誘発する顔をPepperに向かって行う
(2) 笑った方が負け
Pepperに向かって行った変顔画像が蓄積されていきます。タブレットに変顔写真がランダムに表示されるので、その変顔写真相手ににらめっこを行うというものです。
Pepperのセンサーを使った笑顔判定で勝敗が決まり、笑うのを10秒我慢するとPepperが「ぎゃははは、参りましたー」と喋って負けを認めます。
将来的には、サーバ経由で全世界の変顔同士での対決を行ったり、勝率を出して全世界変顔ランキングも作ってみたいそうです。
確かに言葉要らずで笑顔を増やすことのできるアプリでした。
会場からは、静止画だけじゃなくて動画バージョンも欲しいとの要望も。
以上で発表は終了です。
メンバー全員が2票を持ち、投票をしていきます。結果、今回はチームぺらめっこが一番票を集めました。
おめでとうございます!チームぺらめっこのメンバーには、Pepperスタンドペンがプレゼントされました。
最後は懇親会です。ビールとピザをつまみながら、今日のハッカソンの話でみんな盛り上がりました。おつかれさまでした!
アトリエ秋葉原では Pepper App Challenge 2015 Winter に向けて、10月末の応募締切にまで、ハッカソン・アイデアソンを開催しております。今後の開催日程は以下のページをご覧ください。
▽アトリエ秋葉原 Pepper App Challenge 2015 Winter 特集ページ
http://pepper-atelier-akihabara.jp/pac2015w
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北構 武憲本業はコミュニケーションロボットやVUI(Voice User Interface)デバイスに関するコンサルティング。主にハッカソン・アイデアソンやロボットが導入された現場への取材を行います。コミュニケーションロボットやVUIデバイスなどがどのように社会に浸透していくかに注目しています。