9月4日(金)に行われた『I.C.E CREATIVE LOUNGE 第2回「多様なロボット〜開発者によるプレゼン&トークセッション」』に行ってきました。
場所は、登壇者でもあるワン・トゥー・テン・デザインさんの東京オフィスです。
京都に本社があるのですが、天王洲アイルにあるビルの24階に素敵なオフィスがあります。
『I.C.E CREATIVE LOUNGE』とはインタラクティブ業界の情報共有や交流を目的としたイベントで、トピックを変えて定期的に開催しているイベントで、今回のテーマは「多様なロボット〜開発者によるプレゼン&トークセッション」ということでした。
前半がプレゼン、後半がトークセッションとなっています。
プレゼンテーションの登壇者は
作曲家で、インビジブル・デザインズ・ラボ代表の松尾謙二郎さん
巨大トイロボット「クラタス」を作った水道橋重工のCEOでCo Founderの倉田光吾郎さん
そして、会場を提供していただいた1→10design取締役 最高技術責任者の長井健一さん
の3名。
トークセッションのファシリテーターを務めたのが、AID-DCC Inc.のプログラマー、ディレクターの鍛治屋敷圭昭さん
先ずは、松尾さんのプレゼンテーションです。
作曲家の松尾さんですが、「Z-MACHINES」という楽器を演奏ロボットを作られたことを中心にお話をされました。
音楽活動をする上でロボットは欠かせないとのこと。シーケンサーは人間の代わりをやっているし、Illustratorは筆の代わりになっている。
音楽は時間の制御が大事ということで機械の制御と近いと思っている。そこで、ロボットを作って欲しいという依頼があり、TASKOさんと共同で作ることになった。
実際に生の楽器を演奏しているので、人間と区別できない。ロボットだけど生の演奏はアイコニックである。
ノウハウさえアレば、安くなっていて個人でもチョット頑張れば出来るということを強く訴えていました。
ちなみに、「Z-MACHINES」の詳しいことはこちらからご覧いただけます。
続いて、倉田さんのプレゼンテーションです。
巨大トイロボット「クラタス」を作り、アメリカから挑戦状を叩きつけられて受けて立つということになっている程、一部方面ではその動向が注目されている倉田さん。
「クラタス」を造るにはその生い立ちが影響しているこということで、お話しをされました。
元来、お父様が鉄の造形屋をしていたのですが、中学まで興味をもたなく、高校時代から物を作り始めたのこと。
その後、実寸台のボトムズを造ることをブログで発信し始めて話題となりました。(ちなみにボトムズは見たこと無い)そこで感じたのが、「物を作っていて、出来上がるのは面白い。作っている途中は自分しか知らない面白さがある」ということ。
何の専門家でもないが、今までの仕事をあわせればロボットを作れると思い、「クラタス」を作り始める。
基本的には「模型→検討→作る」の繰り返し。2012年にデビュー。
冗談でのつもりでAmazonで売ったら、実際にドバイから買いたいという話があった(現在交渉中)。
「言うこと」の大事さを強調していました。
Pepperを知っている人なら、当初から長井さんがPepper開発に携わっていることは有名な話です。
Pepperとの初めての対面の模様や、やられていたこと(ショップダイアログ(人工知能と連携するベースとなる会話)/Pepperを使ったプロモーション、イベント、B2Bのレコメンドシステムのプロトタイプ)の紹介を中心に話されました。
特に仰っていたのが、「Webの知識でPepperのSDKを操作するのは簡単」ということ。確かにChoreographeは直感的に出来ますし、アクションのFlashが分かれば入りやすいと思います。
また、今は人手が足りないとも仰っていました。ロボット業界に入りたい方は是非!
そして2部のトークセッションに移ります。
3名とも異なったアプローチから「ロボット」というテーマでお話をされました。
人型の是非や、人工知能(AI)、日米のロボット観、法規制という固いマクロなお話から、作品の値付けや、クラタスの対戦など柔らかいお話まで多種多様なトークが時間を過ぎても繰り広げられていました。
金曜の夜、もの凄く刺激的なお話を聞くことが出来ました。
主催された、一般社団法人インタラクティブ・クリエイティブ・エキスパーツ(I.C.E)の皆さん、ファシリテーターの鍛治屋敷さん、そして登壇された松尾さん、倉田さん、長井さんありがとうございました!