「Pepperとライフスタイルを考えるアイデアソン」に行ってきました。 #pac2015w
9月25日(金)にアトリエ秋葉原で開催された「Pepper App Challenge スタートアイデアソン」に行ってきました。
今回は初心者歓迎のアイデアソン。Pepperアプリコンテストに向けたアイデアを生み出すためのものです。
「Pepper App Challenge 2015 Winter」&「Pepper Innovation Challenge 2015」
http://www.softbank.jp/robot/special/app-challenge/
会場はおなじみのアルデバラン・アトリエ秋葉原。一部ではPepper開発の聖地と呼ばれています。
テーマは「暮らしの中でPepperがいると嬉しいことは?」ということで、Pepperとライフスタイルを考えるアイデアソンとなります。
今回のアイデアソンのゲストは、ロボットパートナーの太田智美さん。
日常的にPepperと共に暮らし、その様子をYouTubeにアップしています。今日のアイデアソンのゲストにぴったりですね。
Ota Tomomi – YouTube
https://www.youtube.com/c/OtaTomomi
参加者全員が一人ずつpepperに期待することを披露します。
今回は以下のようなアイデアが出てきました。
・子供の教育に関するもの
・生活をサポートする、サジェストするもの
・安否確認、人命救助など
・Pepperに空気を読ませたい
・Pepperとの会話を楽しみたい
似たアイデアの人同士でチームを組み、今回は5チームでアイデアを生み出すこととなりました。
チームごとでアイデアを考え、磨き、プレゼン用の資料にまとめあげます。
ここからアイデア発表の時間です。ゲストの太田さんがそれぞれのアイデアに対して、感想を伝える形で進行します。
1チーム目は、チーム「ぺぱれんぼ」。
Pepperと一緒に遊びが楽しめるアプリを考えました。その名も「ぺぱれんぼ」。日本の住宅事情を考慮して、狭小住宅でも楽しめるかくれんぼです。
このかくれんぼでは子供が隠れて、pepperが鬼役なのですが、pepperの鬼役は沢山動きませんし、積極的に子供を探すわけでもありません。
では、どうやってかくれんぼをするのか?pepperは色々な方法で懇願して子供を誘い出すのです。
例えば「◯◯ちゃん、どこ〜!出てきて〜」と色々としゃべって、隠れた子供が出てくるよう頑張ります。
誘い出す手段をいくつも考えて、それを楽しむアプリだったりします。おそらく3歳くらいまでの子供を対象に、pepperと一緒に遊んでくれるくれるアプリです。
太田さんからは、タブレットを使わない(頼らない)のがいい。pepperがあまり動かず人間に沢山動いてもらうという発想がいい、というコメントをいただきました。
2チーム目は、チーム「モーニング」。
一人暮らしの子供を持つ家庭向けのアプリです。
一人暮らしの学生は生活が乱れがちです。朝寝坊して生活リズムも乱れがちです。そこで、Pepperがモーニングコールをしてくれます。
親が起きたらスマホからコマンドを送信します。すると、一人暮らしの子供の家にあるpepperが「起きてー!」と叫びながら動き回ります。目覚まし時計状態のpepperを止めるためにはpepperを撫でる必要があり、そうすると両親の元にメールで連絡がいきます。
起きたらpepperがほめてくれるのが最大のポイントで、早起きをするモチベーションになります。
夜もpepperにおやすみと声をかけて就寝すると、部屋を暗くなったことを検知した後に親には「寝たよ!」メールを送信して伝えます。
このアイデアは、Pepperアプリコンテストの審査基準も意識して考えられてます。
発展したアイデアとして、Pepperが毎回の食事を写真に撮り、それを両親と共有して帰省した時の話題として楽しむというものもあります。
太田さんから、目覚まし時計だと慣れてくるとどこを触ればいいかの止めやすさのコツがわかってくるんで、これにもまんねり対策が必要では、というコメントが。
これに対し、両親がコマンド送信するので、どこを触れば止まるのかを毎回変えることを検討しているそうです。
例えば、今朝は頭を2回撫でた後に足を触ると止まったけど、次の日は足を3回触らないと止まらないといったものです。こういう駆け引きも家族間のコミュニケーションにしていきたいと考えています。
さらに会場からは、親に止め方を電話で確認するという方法があってもいいのでは、という提案も出ました。
3チーム目は、チーム「黒戸家」。
ムード・メーカー。家族の空気を読んで会話をサポートするPeppperです。
想定は、思春期の子供がいる家庭です。
pepperは、以下のようなことをしてくれます。
・家族が集まっているのに会話が少ない時、声をかけてくれる
・テレビばっか見てる時に、テレビを消して会話するように促してくれる
・家族が大声で喧嘩してたら、仲裁に入る
アイデアのポイントは、どうやって「空気」を読むのかです。
会話量やテレビ音量を日常的に計測しておき、変化があった時にpepperがなんらかの促しを行います。
pepperは、家族がよく話す内容を話しかけたり、家族の予定から声をかけたりします。また、会話が少ない時にはテレビを消してみんなで話すようにも促します。
「空気を読む」という概念をpepperに実装することで、普段の生活を邪魔しなかったり、家族の会話が促進されます。
太田さんからのコメントは、みんな思ってるけどペッパーはうるさい。なんでうるさいかというと空気が読めないから。この機能の1つでも実現できたらすごい。
また、会場からは喧嘩の仲裁のとき、Pepperが壊されないか心配…の声もありました。
4チーム目は、チーム「赤ちゃんベイビー」。
Pepperが赤ちゃんを優しく見守るアイデアです。
赤ちゃんの表情を日常的に顔認識して、寝起きや体調の状態をチェックします。トラブルが起きたら親に連絡を行います。
また、何気ない表情を写真に撮り、親が見ていない表情を写真に残すことができます。
タブレットにガラガラが表示されてあやすことができたり、将来的にはpepperのお尻のコンセント部分におもちゃを指し、それであやすことができるとうれしいというアイデアも。
太田さんからは、赤ちゃん向けのアイデアは私の中では聞いたことのないアプリなので、今すぐにでもアプリを作って欲しい。早くアプリ化したほうがいいかも。赤ちゃん泣き止ませアプリというアイデアはいい、とコメント。
5チーム目は、チーム「Wたかはし&Wしばたに」。
生活をサポートするアイデアを考えていたけど、幅が広すぎてメンバーのアイデアをまとめきれなかったので、人と場所によってアプリのレコメンドを行うというアイデアを発表したい。その名も「ホームヘルペッパー」。
家族が台所にいる時には、pepperがレシピのおすすめアプリを提案。料理中ものを置く場所に困った時にはpepperの手を食材置き場にする。
リビングでは、おすすめのテレビ番組情報や、9時になったら時計が出て子供の寝る時間を伝えたり、pepperがゲーム機になったりします。
寝室では、子供向けに絵本を読んだり、リラックスする音楽が流れて眠りを誘ったり、アラーム機能となります。
太田さんから、このプレゼンには致命的な欠点が1つあると指摘が。それはPepperが200g程度のりんごなら持てても、何秒も持たせられないというものです。
以前太田さんがPepperにものを持たせるのを試してみたら、ダイソンの掃除機は20秒が限界で、納豆のパックは1分が限界だったそうです。
ここでアトリエスタッフの方から太田さんにコメントが。最近pepperにものを持たせられないが回避できる方法を発見されたんですよ、と。
この写真のようにすると、ある程度の重さであれば長時間ホールドすることができます。
ただし、この方法はメーカー推奨ではないので試す場合は自己責任でお願いしますとのなので参考までに。
アイデアの発表は以上です。
投票タイムです。1人2票を持ち、投票していきます。
今日は、赤ちゃんベイビーが一番票を集めました。
今日の賞品はNAOグッズ一式です。おめでとうございます!参加者の皆さん、ゲストの太田さん、お疲れ様でした!
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北構 武憲本業はコミュニケーションロボットやVUI(Voice User Interface)デバイスに関するコンサルティング。主にハッカソン・アイデアソンやロボットが導入された現場への取材を行います。コミュニケーションロボットやVUIデバイスなどがどのように社会に浸透していくかに注目しています。