【けいはんな学研都市】ATRオープンハウスに行ってきたよ(レポートその2)
ATRオープンハウス2015の2日目のミニプレゼンテーションの3人目以降のご紹介です。
3人目はATR適応コミュニケーション研究所の玉井 森彦さんです。発表テーマは「無線通信分野の展示紹介」という若干そっけない印象ですが、選りすぐりのミニプレゼンですから期待は高まります。
お話が始まって直ぐに、第5世代移動通信システムというお言葉が飛び出されまして、ヤバイ全然予習の範囲外だわ!と焦りつつ取り留めのないメモを取ります。
どうやらLTEや4Gと呼ばれる現行の通信規格の次世代に関するお取り組みのようです。流石先端技術のATRです。ロボットの取材のつもりだと準備不足でした。
第5世代の通信規格について話を聞いていますと、時間や場所によって使われていない周波数域を利用するとか、パケット通信の要求するアプリに応じてインターネットへの接続を変えたり(アプリに相応しいアクセスポイントを探す、と解釈したのですが誤りがあればご指摘をお願いしたい)、複数の中継箇所を束ねる等の夢のような高等技術が投入されるようです。
4人目のプレゼンターは、佐藤匠徳特別研究所の河岡 慎平さん(愛称はチャーリーとのこと)です。この発表がスゴイんです。
何がスゴイって先ず発表タイトルが凄いです。「ゼブラフィッシュ一分子蛍光in situハイブリダイゼーション法の開発」という 門外漢にはどんな研究なんだろうという想像どころか、読み方さえも分からない孤高さに戦慄します。チャーリーお手柔らかに頼むよぉ…
読み方のほうはググってWikipedia がヒットしたので記事化することにしました。「ゼブラフィッシュ一分子蛍光in situハイブリダイゼーション法の開発」の読み方は、「ぜぶらふぃっしゅ いちぶんし けいこう いん さいちゅー はいぶりだいぜーしょん」です。
ゼブラフィッシュという世代時間が短い魚(生殖を始めるまで2か月半〜3か月くらい)がいまして、この魚の交配させたうえで、何かの目的を持つ一分子を追跡しているのだと思いました。
- ゼブラフィッシュの写真(Wikipediaから拝借)
で、チャーリーさんの次の発表が本当にスゴイんです。
なんと、心臓から分泌されるホルモン(hANPと書いて”ハンプ”と読みます)によって癌手術後の転移が明らかに低減するそうです。ATRってテクノロジー分野だけではないんですね。
5人目に発表されたのは、株式会社ATR Promotionsの足立 隆弘さんです。
こちらの会社はATRグループの技術シーズを事業化するために、ライセンス管理や起業支援をする目的で設立されたそうです。
そして、製品として売り出し中なのが人位置測定システムだそうです。
リアルタイムで商業施設等の人の位置、流れを追跡測定できるそうです。個人情報保護の観点から個人が特定されてしまう点を天井から撮影することで克服したとのことです。
天下のATR様ですから、顔面撮影で個人情報を取得してもキッチリ個人情報管理してくれるソリューションも遠くない将来に提供されることでしょう。
6人目の発表者は、株式会社ATR Creativeの高橋 徹さんで、発表内容は「ちずぶらりプラットフォーム」です。
高橋さんの言によると、昨今は古地図の人気が高まっているそうで、実用的なツールとしての地図ではなく、楽しめる地図サービスに市場を発見されたそうです。ずばり「地図が変わると、体験が変わる」のです。
確かに観光地とかにある手書きの街歩きマップって、距離感が分かり難いとか関係なしに楽しいですよね。
そんな楽しい手書き地図のアプリが、実は既に50種類以上スマートフォンアプリとしてリリースされています。それらの地図アプリのベースになっているのが今回の「ちずぶらりプラットフォーム」です。例えば、これみたいに19世紀のサンフランシスコの町並みが地図アプリになるなんて素敵じゃないですか。
絵地図にはいろいろ課題があるそうなのですが、ナニより手書きの地図上で自分の位置がどこに居るのか分からないという点が挙げられます。そこで技術的なブレイクスルーとして、ゆがみのある絵地図上に現在位置を示す技術が開発されました。
「ちずぶらりプラットフォーム」ではプロトタイプが公開されていますので、ご関心のある方は覗いてみてください。ページURL:http://alpha3.chizuburari.com/
7人目以降の発表者は、レポートその3でお伝えします。