【けいはんな学研都市】ATRオープンハウスに行ってきたよ(レポートその3)
ATRオープンハウス2015の開催から2週間が経ってしまいましたので、焦りながらレポートその3をお届けします。「オープンハウスの歩き方」の必勝方程式であるミニプレゼンの7人目登壇者は(株)ATR-Trekの技術開発本部の中坊 壯さんです。
(株)ATR-Trek は、(株)フュートレック(←マザーズ上場会社です)とATRとの合弁で2007年に設立されたとう合弁会社です。
ATRとの協業で、話者の発話 → 音声認識サーバ → 翻訳サーバ → 音声合成サーバ → 翻訳レス ポンス という一連の流れを既にdocomo向けアプリ「しゃべって翻訳」で月額200円で実現しています。その技術を中小ホテル向けに Sotaを利用した翻訳サービスの 実証実験を実施しているそうです。
音声認識エンジン、翻訳エンジン、音声合成エンジンそれぞれSDKが用意されていて、一連の翻訳システムへの接続に関してはAndroidタブレット上で専用アプリが稼動しているとのことでした。Sotaに話しかけもAndroidタブレットのマイクが集音するとのことです。Sotaは音声合成エンジンのスピーカーとして稼動するのと、身振り手振りのアクションを担っています。
8人目のプレゼンターはATR Learning Technology(株)の稲田 真美さんです。
稲田さんは、英語学習支援システムの「ATR Call」を発表されました。Windows版の製品があるそうです。パッケージの写真を撮りそびれてしまったのですが、UIはこのようになります。実は、筆者は外国語大学の卒業でしてイントネイションにかんしては余裕の100点でした。
楽天(社内公用語が英語なのでも有名ですね)の新人研修や、京都外国語大学でも効果が実証されています。
英語は世界中に学習者がいますし、長年に渡る学習メソッドの確立によって最もシステマチックに学習することが出来る言語といえます。ネイティブ英語話者がどのように発話するのかという学問を音声学というのですが、べつだん音声学の教科書をガッツリ精読しなくても、PC画面上のドリルを実践するだけで上達するというのは素晴らしい製品と言えます。
9人目は、日本ベンチャーキャピタル(株)の西日本支社長である藤本 良一さんの発表でした。
ATRがもつ技術シーズを事業化に結びつけることを目的とした「けいはんなATRファンド」というファンドを説明されました。ファンドの総額が47億円に上り、既に(株)テレノイド計画、(株)こころみ、ブルーイノベーション(株)の3社に投資したそうです。
(株)テレノイド計画の「テレノイド」は人間の特徴をなるべく排除して男性/女性、大人/子供にも見えて感情移入が実現され易いように意図されています。(株)こころみ は「テレノイド」の会話部分を遠隔で担当している会社です。つまり「テレノイド」は自律的に話すのではなく、ユーザが声優役のオペレーターと会話することになります。
ブルーイノベーション(株)は日本で初めてのドローン インテグレーターと呼ばれているそうで、オリジナルのドローンを開発するだけでなく撮影ノウハウにも長けているそうです。
10人目の発表は、ロボットスタートでも馴染みのあるヴイストン(株)で、発表内容は「CommU」と「Sota」でした。
「CommU」と「Sota」の比較表の紹介もありました。
管理GUIのVstone Magic の画面の紹介もありました。
11人目で最後のプレゼンターは、日本ベンチャーキャピタルから出資を受けた(株)テレノイド計画の代表取締役である神山 晃男さんです。後から調べて知ったのですが、(株)こころみ の代表取締役も務めていらっしゃいます。
そして、ロボット界のロックスター石黒教授が最高技術顧問に就かれています。
サービスの紹介では、(株)こころみ での知見が背景にあるでしょうが、高齢者の特徴に充分配慮しているのが伺われました。
事業内容としましては、要介護高齢者に特化したコミュニケーションサービスを提供する、という至極まっとうな説明がありましたが、あまねく人類/世界に対するサービスとして「人類の新しい友人を生みだす」という野望に度肝を抜かれてしまった筆者でありました。
テレノイドの実物を初めて見た時は、「キモいなぁ…」というのが正直な気持ちでした。ただ、彼(でも彼女でもOK)を胸に抱いて会話を重ねていきますと、あら不思議、なんだか萌え萌えと暖かな気持ちになってきます。プレゼン会場の外にいるオペレーターさんが好みのアニメ声だったという点を差し引いても、テレノイドには無限の可能性を感じた次第でした。ミニプレゼン会場からは以上です。