「複数台のペッパーをつかったハッカソン!」に行ってきました。
2016年4月3日、西尾レントオール株式会社で開催された「複数台のペッパーをつかったハッカソン!」に行ってきました。
西尾レントオールでは、4月1日からPepperのレンタル事業を開始をしました。そこで「複数のpepperを利用したら、どんなことが出来るのか?」をテーマにした今回のハッカソンが開催となりました。
「Pepper for Biz」のレンタル事業を開始 | 西尾レントオール株式会社
http://www.nishio-rent.co.jp/2016/03/09/30893/
今回の司会進行は、Pepperと西尾レントオール清水翔太氏。
審査委員はとのさまラボ西田寛輔氏、ロボットパートナー太田智美氏、西尾レントオール八木貴宏氏の三名です。
会場の西尾レントオールです。東京都港区の湾岸倉庫街の中にオフィスがあります。
午前中は、趣旨説明とパネルディスカッション「たくさんのpepperで何が出来る?」です。今回は必ず最低3台のPepperを使うというルールが課せられました。そのために用意されたPepperは4チームに対してなんと24台!十分すぎるほどの台数です。
その後、アイデアソン、チームビルディングと昼食の後、ハッカソンタイムとなります。
今回のハッカソンは、必ず複数のPepperを使わなければならないので考えることが普段よりもたくさんある反面、面白いロボットアプリができそうです。
みんなで黙々と開発をしています。
人間よりもPepperの多い光景に最初はびっくりしましたが、しばらくすると慣れてくるんでおもしろいものです。
途中、Pepperを操作できるコントローラーアプリをつかってPepperにマッサージをさせるという光景もあったり。これもたくさんのPepperがあるからこその使われ方です。
ハッカソンタイムが終わり、成果発表の時間となりました。
今回の審査基準は以下の3点。
・ アイデア〜複数台使う意味、独創性。
・ 完成度〜ちゃんと動くかどうか。モックはモックとして評価。
・ おもしろさ〜おもしろい、かっこいい、すばらしい、便利など
そして、審査員ごとに気になるポイントがあれば評価に加算されます。
■チーム1「だるまさんが転んだ」
3台のPepperを使ってだるまさんが転んだを行います。
人間が目をつぶって「だるまさんがこーろんだ!」と言うと、Pepperが人に向かって迫ってきます。どこかが動いてしまったPepperを見つけたら、胸に書いてある番号を言いましょう。「見つかっちゃった」と言いながらPepperが下がっていきます。
Pepperが人間にタッチしたら「僕の勝ちだよ」と言い、人間の負けです。
開発メンバーからのコメントです。
・人間がたくさんのPepperに追いかけられる感じを表現したかった。
・技術的にやっていることはシンプル。顔認識のないときは move toで近づき、顔認識をすると止まる。
・動いたPepperの胸に書かれている数字を認識すると脱落、人間に近づいたら「僕の勝ちだよ」とPepperが発話する
・作っていて苦労したのは顔認識の部分。顔を認識する精度が高いが、顔認識を止めることが大変だった。
・Pepperが顔認識をできる距離の範囲までで遊べます
・各機が独立しているので、理論上は何台のPepperでも遊べます
審査員からの各項目ポイントはこちら。
アイデア:2.0
完成度 :3.0(満点)
面白さ :2.0
■チーム2「Pepper記者会見」
Pepperが記者となって、人間に色々な質問を投げてきます。もちろん進行役もPepperです。誰でも記者会見を受ける気持ちを味わえる作品です。
テーマは、Pepperくんがイベントを盛り上げてくれる体験型サービス。
メリットは、誰も取材に来てくれなくてもPepperくんが盛り上げてくれたり、会場に行かなくてもネット越しに取材ができたりです。
応用として、過疎地の卒業式、結婚式の余興など、特別なライフイベントでの利用できます。
今回のデモでは、Pepperのアクションは人間がトリガーを操作しますが、今後は人間の発言に応じてトリガーを反応させたいと考えています。
デモです。司会役のPepper1台と記者役の4台のPepperに囲まれて、結婚についての記者会見を受けます。
実際にされる側で体験した西田さんは「実際に受けてみると、予想以上に面白い」と絶賛です。
開発はメインプログラムを1人が作って、各Pepperの開発は1人ごとそれぞれで分担してつくったそうです。
審査員からの各項目ポイントはこちら。
アイデア:2.5
完成度 :1.5
面白さ :2.0
■チーム3「チームマッキーと愉快な仲間達」
2台のPepperを使って神経衰弱を行います。ゲームの進行役ももちろんPepperです。
神経衰弱はPepperの頭、腕、足などのセンサー部分を触ります。センサー部分がトランプの札の役目をしていいますので、「たぬき」「いぬ」などとしゃべります。もう一台のPepperを触って同じ動物の場所を探します。
Pepperの台数を増やして難易度を上げることも可能です。
今後はスコアをつける機能も実装予定だそうです。
審査員からの各項目ポイントはこちら。
アイデア:2.0
完成度 :1.5
面白さ :2.5
■チーム4「チームフラワーロック」
3つの作品を作りました。
8台のPepperが一斉に「ウェーブ」「バンザイ」「フラワーロック」を行うというものです。
実際動くところを見てみると、予想以上のインパクトで会場大受けでした。
審査員からの各項目ポイントはこちら。
アイデア:2.5
完成度 :2.5
面白さ :3.0(満点)
■結果発表
各ポイントの他に各審査員ポイントを加えた、各賞の発表です。
ロボットパートナー賞:チームフラワーロック
西尾レントオール賞:チームマッキーと愉快な仲間達
とのさまラボ賞:Pepper記者会見
そして、優秀賞、最優秀賞の発表です。
優秀賞:だるまさんが転んだ
受賞チームからのコメントです。
「今回、複数台だと色々とやれることがわかりました。そういう意味で最先端のハッカソンだと思います。色々と勉強になりました。ありがとうございます。」
最優秀賞:チームフラワーロック
受賞チームからのコメントです。
「メンバーに恵まれました。10台のロボットを一気に動かす経験は今までなかったので、苦労したけど非常に楽しかったです。」
最後に各審査員からのコメントです。
太田さん
「私はダントツでフラワーロックが良かったです。人間が最初にそれぞれのPepperをタッチしてスタートさせた人機一体的なのが、ロボットと人間と一体になった瞬間でよかったです。そして誰も得しないってのもポイントでした。」
西田さん
「記者会見は実際に会見を受ける側で体験してみたら、想定以上に楽しかったです。そして、だるまさんが転んだは技術の完成度がたかったです。」
西尾レントオール清水さん
「弊社では4月1日から Pepper for Bizのレンタルを開始し、まずは東京23区内からスタートです。今後、大阪や地方にも広げていきたいと考えています。我々は、Pepperの使われ方として、開発機とレンタル機という住み分けがされると想定していますので、レンタル機として我々のPepperをつかってください。」
「Pepper for Biz」のレンタル事業を開始 | 西尾レントオール株式会社
http://www.nishio-rent.co.jp/2016/03/09/30893/
その後、参加者とスタッフで懇親会です。今日のハッカソンを振り返ってみんなで盛り上がりました。
■おまけ
審査員の西田さんと太田さんも今回のハッカソン中で作品「Pepper合唱団」を作りました。こちらの動画をどうぞ。
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北構 武憲本業はコミュニケーションロボットやVUI(Voice User Interface)デバイスに関するコンサルティング。主にハッカソン・アイデアソンやロボットが導入された現場への取材を行います。コミュニケーションロボットやVUIデバイスなどがどのように社会に浸透していくかに注目しています。