今後マクドナルドはロボット店員に置き換わるのか?
マクドナルドもロボットレストランに?
先日も海外、国内のロボット系レストランの紹介をしたばかりですが、今度は、マクドナルドの店舗がロボット店員に置き換わり、人間の仕事を奪うロボット?として話題になっています。
2015年より米国一部の店舗で実際に試験導入されており、全国展開して導入が進む可能性もあります。
マクドナルドのロボット
実際どんな感じのロボットなのか、見てみましょう。
この動画を見るとわかりますが、ロボットというよりデジタルサイネージ的なデバイスになっており、タッチパネルでメニューを決めて、決済することができるシステムになっています。
こうやってロボットが並ぶとまるで無人店のように見えなくもありません。
しかし実際は店員はお店にいます。
オーダーを受け、会計する部分だけがロボットが対応するようになっています。
ここで注目すべきはオーダー時のカスタムや支払い方法の多様化というお客の利便性が多く高まっていることです。
たとえば、ハンバーガーは通常数種類のメニューの中から選ぶだけでしたが、このシステムではチーズとパンの種類、ソースの種類、トッピングの種類を様々にしていすることができるのです。ハラペーニョにベーコン、焼きマッシュルーム追加、ピクルスなし、マスタード多め、なんていうややこしくて、店員にオーダーしにくそうなオーダーが遠慮なくできるのです。しかも簡単に。二郎でいうところの、ヤサイマシマシアブラカラメなんて感じのカスタムオーダーですね。
支払いも現金、カードだけでなく様々なモバイルアプリの決済にも対応するなど、多様化しています。お金のミスがなくなるというのも店舗運営上のメリットになりますね。10円あわない!なんてことがなくなるんですから。
ロボットがオーダーと会計を済ませた後は、厨房にオーダーが入り、人が作り、それを店員がお客様のところに持ってくるというのは今までオペレーションを変わりありません。
人がオーダーを受けるよりもスピーディーにかつカスタムした注文をさばけるのであれば、お客さんは満足ですよね。
ちゃんと見ていくと、現状では単なるカウンターの人員のコスト削減というよりも、顧客満足度向上のために導入された意味合いが強いように感じます。
人間は人間しかできない接客の仕事に専念できるという方向性ならサービスレベルも上がることでしょう。そういうロボットと人間の共存する店舗というのはこの手の店舗の運用としては、理想的な気がしてきます。
みなさんはどう思われますか?
こうなると完全無人化か?
将来、こんなロボットもマクドナルドの店舗に導入されたら、完全無人の店舗運営という話になるのかもしれません。
このロボットがハンバーガーを作って、あとは配膳して、お客様のところに運ぶロボットがあれば仕組みとしては問題はないわけです。
けれど、まだこういうサービスロボットは安くはありませんし、完全に運用させるためには、現実的にはもう少し時代が進むのを待つ必要があるように思います。
それ以上に、顧客が人間と接することのない無人店舗を好むのかどうかという問題もあります。
ローコストオペレーションの安いお店は無人のロボット店舗、高級なお店は人間が接客するという未来になるんでしょうか?
完全無人化の例
そんな未来の接客の姿を、いち早く見ることができたお店のお話。
先日SoftBankによるPepperだけで運営するケータイショップが話題になりました。
これは実験的な期間限定のショップでしたが、ひとつの可能性を見せてくれる企画になっていました。もちろん常設店舗で、裏にスタッフがいない状態での運用はまだ難しいとは思いますが、そういうお店がいずれ登場するんだろうなと思わずにはいられないものでした。
気になる接客面は無機質なロボットではなく、むしろPepperならではの愛嬌のある接客となっており、愛想の悪い人間よりもよほどサービス精神のあるものでした。
未来は人間味を感じる無人のロボット店舗が主流になるんでしょうか?
飲食店の無人化はオペレーション上、もう少し時間がかかるにしても、それ以外の業種ではロボットだけ店舗の展開が進むかもしれません・・・ね。
これはロボットではないのか?
日本にもたまに見かけるハンバーガーの自販機。よく高速道路のSA/PAとかにありますよね。
ユーザー満足度の追求というよりは、24時間運用が求められるケースですが、実際、この機械のほうがマクドナルドのロボットより自動化・無人化が進んでいます。
マクドナルドのマシンがロボットなのであれば、自販機もある意味ロボットという気もしてきます。もちろんロボットの定義次第ですが。
そう考えるとロボットの定義についても一度整理したほうがよさそうですね。これについてはまた改めて記事を書きたいと思います。
では、また!
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中橋 義博1970年生まれ。中央大学法学部法律学科卒。大学時代、月刊ASCII編集部でテクニカルライターとして働く。大学卒業後、国内生命保険会社本社において約6年間、保険支払業務システムの企画を担当。その後、ヤフー株式会社で約3年間、PCの検索サービス、モバイルディレクトリ検索サービスの立ち上げに携わる。同社退社後、オーバーチュア株式会社にてサービス立ち上げ前から1年半、サーチリスティングのエディトリアル、コンテントマッチ業務を担当する。2004年に世界初のモバイルリスティングを開始したサーチテリア株式会社を創業、同社代表取締役社長に就任。2011年にサーチテリア株式会社をGMOアドパートナーズ株式会社へ売却。GMOサーチテリア株式会社代表取締役社長、GMOモバイル株式会社取締役を歴任。2014年ロボットスタート株式会社を設立し、現在同社代表取締役社長。著書にダイヤモンド社「モバイルSEM―ケータイ・ビジネスの最先端マーケティング手法」がある。