大和ハウス工業のロボット事業ショールーム「D’s TETOTE」に行ってきました。

みなさま、大和ハウス工業がロボット事業を行っているってご存知でした?公式ページを見てみると、以下のように説明がありましたので、一部抜粋してみます。

日本社会の前には、少子化と高齢化の二つの大きな課題が立ちはだかっています。それは少ない若年層がより多くの高齢者層を支えるという負担の構図です。そして高齢者世代にはロングライフ時代の老後の暮らしの不安とどう向き合うか、あるいは快適な老後生活を実現するためのQOL(生活の質)の向上が強く問われているのです。

これらの課題に対して、大和ハウスが新たに着手したのがロボット事業です。
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そして、どうして大和ハウスがロボット事業を行うのかもこのようにありました。一部抜粋してみます。

答えの一つは医療機関や介護施設などの福祉分野で蓄積した長年の経験、ノウハウや実績を踏まえて仔細に検証した結果、福祉の分野で「ロボットは高齢者のかけがえのない良きパートナーになれる」と確信したからにほかなりません。

(略)

そしてもう一つの答えは、住まいと暮らしの環境は、人の営みの基本であることです。
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説明を読むうちに興味が出てきたので、東京本社にあるショールーム「D’s TETOTE」に足を運んでいることにしました。さすがの大和ハウス、ビルが大きい!

説明書きがありました。「超高齢社会への挑戦。本館1Fにて介護ロボットを展示、お気軽にお立ち寄りください」ということなので行ってみることにします。

「D’s TETOTE」です。ガラス張りで入りやすい雰囲気です。

入るとすぐに説明書きがありました。

読んでみると「アスフカケツノ(明日不可欠の)商品やサービスを通じて」という一文が。これはどういうことでしょうか?

(ア)安心・安全
(ス)スピード・ストック
(フ)福祉
(カ)環境
(ケ)健康
(ツ)通信
(ノ)農業

大和ハウス工業がこれらをこれからの時代が抱える問題や課題であり、新たな価値を提案することで、サステナブルな未来を目指していくそうです。



■メンタルコミットロボット「PARO(パロ)」

アザラシのぬいぐるみな形をしたロボット「パロ」がいました。

パロは抱きかかえて安らぎを得るためのぬいぐるみのようなロボット。産業技術総合研究所が開発したアザラシ型メンタルコミットロボットです。

参考リンク:産総研-世界一の癒し効果、アザラシ型ロボット「パロ」、いよいよ実用化(発表・掲載日:2004/09/17)

アニマルセラピーを行うためのロボットで、介護福祉施設や小児病棟での研究・検証の結果、実際の動物を使ったアニマルセラピーと同様の効果があることが確認されたロボットです。

高齢だったり、住宅事情などでペットを飼うことができない人に向けたロボットでもあります。

実際に抱かせてもらいました。

「キューキュー」という鳴き声とともに行う様々な動きが予想以上にかわいいです。しっかりと抱きかかえるとなぜか安心する気持ちになってきて、パロのいろんなところを撫で可愛がりたくなります。

パロの色々なところを優しくなでてあげると懐いてくれて、触られると嫌がるヒゲをしつこく触るとあまり懐いてくれなくなるそうです。

ぬいぐるみっぽいのですがロボットなので充電の必要があり、充電器は口にくわえたおしゃぶりです。口におしゃぶり(充電器)をさしてあげた時、キューキュー言いながらよろこぶ姿がこれまたかわいいです。



■ロボットスーツ「HAL®(ハル)」

CYBERDYNE株式会社によるロボットスーツ「HAL®(ハル)」です。

身体を動かす時に神経を通じて筋肉に送られる生体電位信号を皮膚を通じて検出し、身体の動きを補助・拡張してくれるというものです。

詳しい原理はこちらのページをごらんください。

HAL®とは?
http://www.daiwahouse.co.jp/robot/hal/products/about.html

重たい荷物を運ぶ時に通常よりも軽く運ぶことができるというものです。

今回は大和ハウスの方のご厚意で「HAL®作業支援用(腰タイプ)」を実際に装着させていただきました。

装着をして、オフィスによくあるコピー用紙(重さ:約10kg)を実際に持ち上げてみました。感想は「勝手に腰が伸びる感じで、軽くなるというより持ち上げるのが楽になりました。おそらく腰に負担がかからなくなるから、持ち上げるのが楽になると思います」とのことです。



■狭小空間点検ロボット「moogle(モーグル)」

一軒家の床下点検を行うためのロボット「moogle(モーグル)」です。

今までは実際に人が入って目視で点検を行っていましたが、色々な難点がありました。実際に点検を行うスタッフの身体的負担はもちろんのこと、スタッフ以外の人には本当に床下点検の結果が問題なかったのかを確認することが難しいということもあります。これらの難点を解消できるのがmoogleです。

床下にmoogleを置いた後は、コントローラーを使い移動させます。搭載されているカメラは移動用と点検用の2つで、画像はパソコンからリアルタイムで見ることができるそうです。LED照明で明るくさせながらキャタピラで移動し、15cmまでの段差は越えることができます。

ちなみにmoogleのデザインは高橋智隆さんによるものだそうですよ。



■ほかにも色々とありました。

このほかにも、排泄を自動で処理してくれる「minelet爽(さわやか)」、尿を自動で吸引してくれる「Humany(ヒューマニー)」、難聴の方をサポートする耳につけない会話支援機器「COMUOON(コミューン)」、悪路でもスムーズな車いす移動をサポートする「JINRIKI(じんりき)」、免荷式リフトで歩行訓練を行う「POPO(ポポ)」、除菌タオルディスペンサー「Purus(プールス)」などがありました。

自動排泄処理ロボット「minelet爽(さわやか)」

尿吸引ロボット「Humany(ヒューマニー)」

卓上型対話支援システム「COMUOON(コミューン)」

けん引式車いす補助装置「JINRIKI(じんりき)」

免荷式リフト「POPO(ポポ)」

これらが展示されている「D’s TETOTE」は自由に入ることができますので、興味のある方は足を運んでみてはいかがでしょうか?

大和ハウス東京本社は、最寄駅JR水道橋駅徒歩2分となります。

ロボット事業|法人のお客さま(生活環境ソリューション)|大和ハウス工業
http://www.daiwahouse.co.jp/robot/index.html

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北構 武憲

本業はコミュニケーションロボットやVUI(Voice User Interface)デバイスに関するコンサルティング。主にハッカソン・アイデアソンやロボットが導入された現場への取材を行います。コミュニケーションロボットやVUIデバイスなどがどのように社会に浸透していくかに注目しています。

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