小売業でPepperを導入するメリットを語ってもらいます。
SoftBank World 1日目「Pepper業種別成功事例1〜小売・サービス業〜」のレポートとなります。
このセッションのテーマは以下のとおり。
2015年10月のローンチ以降、進化を続けるPepper for Biz。Pepperによる接客の最新成功事例を、実際の効果や成功要因分析を交えながら、導入企業のプロジェクト担当者とともにご紹介する。また、今後の接客業務向けロボアプリについての展望をいち早くご紹介する。(Webサイトより抜粋)
「SUUMOカウンター」の事例をご紹介
独自開発をした会話エンジン「TAISHI」を活用した事例紹介として先ずは、株式会社リクルートテクノロジーズITソリューション統括部 アドバンスドテクノロジーラボ 塩澤 繁氏が登壇しました。
「TAISHI」はLINEのアカウントのパン田一郎で使用していたのですが、これをPepperに導入し、ショッピングセンターなどに設置しているブース(「SUUMOカウンター」)で活用出来るようにアプリを開発したとのこと。
当初テストとして導入したところ有効であると確認し、2015年12月にPepper for Bizを15台導入して本格的に運用を開始しました。
Pepperには、「スーモカウンターのサービス紹介」「ゲーム(4種類)」自由会話が出来るアプリを用意していて、ゲームに関しては難易度を下げて作っているとのことです。Pepper導入後は数倍の来訪客となったとのこと。
ただ、Pepperを導入して幾つか気がついたこともあったとのこと。
自由会話エンジンの「TAISHI」だが、Pepperが聴きとった言葉をクラウド上にアップし、意図解釈、辞書DBなどを参照し、0.5〜1秒でレスポンスを行うようになっています。当然ながら辞書追加も可能となっているとのことで、前述した「SUUMOカウンター」に設置されているPepperは不動産関連のキーワードが入った辞書のDBを参照しています。
会話ログの分析なども行っていて、Pepperが読み取った人の年代や時間などの属性によって会話の内容を変化させたり、方言などの対応も可能となっているとのことです。
また、前述した各種辞書の拡張についても検討をしていて、現在沖縄銀行と一緒に金融辞書の作成を目指しているとのことで、今後は様々な業種の企業と協業をして、辞書の作成を行っていきたいと考えているとのことです。
自己解決することで、お客さま満足度が上昇
続いて、日本オラクル株式会社クラウド・アプリケーション事業統括 アライアンス&チャネル本部 ディレクター小西 明宏 氏から、人が苦手な部分をPepper+ORACLEで解決を。
例えば、法人外国人向けの多言語FAQや商品機能情報のFAQ、これは人よりもロボットを使った方が効率が良いのではないでしょうか。
仕組みとしてはこのような流れになります。
アクセス頻度や鮮度によってランクをあげて最適な回答をすることが出来、あまり無い回答に関してはPepperを通じてオペーレーターが回答するということにしました。
具体的には
ガイドアシスタンス機能を用いて、Pepperで一般的な質問をさばく
一方で、もっと詳しい情報が必要な場合は、チャットを通じてオペレーターがお客さま対応を行い漏れの無いフォロー体制を作ろう思っているとのこと。ある意味でPepperがオペレーターのアバターになるというイメージとのことでした。
全てのログが取れているので、問題点などを発見することもできるようになり、また、クラウド上で質問が編集できるので、Pepper自体のプログラム変更が不要というのもメリットとして挙げられます。
例えばタブレットなどを使って「お客様に勝手にやってくれ」と言う風な提供をしても、実際の満足度は上がらないのではないでしょうか。今まではPOSレジを通さいないといないと同じだったお客様が、ロボットを使うことで、回遊をしただけでデジタルのビヘイビアに繋がっていくとのこと。
システムのAPIは公開しているので、クラウドによって。低コスト、短期間で提供が可能となっています。
FAQ,ガイドアシスタンスをつかって自己解決に誘導するうことで、お客様の満足度があがる一方でスタッフの負担は下がります。また、詳細な問い合わせはチャットを使って対応することで、これもお客さまの満足度があがる。
クラウド連携を短期間、低コストで開発運用が可能という点もメリットとして挙げていました。
この様に店頭でお客様とロボットが接することで、満足度を上げつつ、スタッフの負担を下げることが出来るソリューションも続々登場しているというセッションでした。