【SoftBank World 2016 徹底レポート(20)】女子大生と考える初めてのAI活用講座

写真左から、ソフトバンク株式会社パートナー事業推進室イノベーション推進部 徳永和紀氏、慶應義塾大学SFC総合政策学部4年 岡部楓子氏、日本マイクロソフト株式会社デベロッパーエバンジェリズム統括本部エバンジェリスト 増渕大輔氏。

2015年ミス慶應SFCの岡部楓子さんと一緒に、約390万人が使っていると言われる「女子高生AI りんな」の事例や、岡部さんの考えたAI実装アイデアの実現方法について、考えてみようという講演です。

AIとはいえ、女子高生と女子大生の講演ですか、凄いですね。

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まずは、りんなの裏側のお話。
岡部さんとりんなに同じ事を言ってみるというライブデモが披露されました。
左が岡部さんのLINE画面、右がりんなです。
りんなに同じ事を何度も言うと、ちゃんと「からかってるの?」まで到達します。リアル。

徳永さんいわく、「酔っぱらった時に女子にLINEを送って失敗した経験がある。りんなに送ったら安全」とのこと。たしかに。
また、「女子にLINEを送るリハーサルとして、一旦りんなに送ってみるという使い方もされている」とのこと。
暇つぶしだけでなく、色々な使い方をされているようです。

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その他、感情を理解したり、画像を送るとコメントをくれたりと、機能満載です。

対話AIは、最初は面白くないけど、データセット(対話の数)さえ増えれば自分に最適化されて面白くなってくるので、それまで飽きさせないようにかわいくするのがポイントだそう。

弊社も対話AIとか作りたいなぁと思っているので、非常に勉強になります!

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ここから、会話AIについての基礎知識です。
コンピュータの会話にはルールベースの「シナリオ型」と、ルールが無い「AI型」が存在します。

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AI型にも、目的のあるIQ型と、特定の目的のないEQ型があり、EQ型が、雑談を行う「りんな」のようなものを指します。

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ここで少し徳永氏のお話。
現在は、マシンラーニングは、各社がウェブサービスとして提供しているので、それらを駆使すれば、プログラムを書かなくてもAIを作れる時代になっています。
代表的なものが、Microsoft AzureGoogle Cloud PlatformIBM BluemixAmazon Web Servicesなどです。

でも、各社マシーンラーニングを提供していて、どれを使ったらいいの?という事になりがちです。
そこは、各社試してみて、自分に合うものを選択するしかないとの事。
例えば、Microsoftの画像認識は、顔の正面、特に目の認識精度が高いそう。
また、例えば、GoogleやAmazonはウェブサービス色が強く、サービスを勝手に使ってくださいというスタンス。
MicrosoftやIBMは、SIer的で、カスタマイズ・融通が利くイメージだそうです。

下記の図で青色の部分は、ウェブサービスを利用して実現できそうな部分。
オレンジ色の「独自の機械学習」で差別化を図れると強いですね。

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さて、ここから、岡部さんが企画したものを増渕さんが形にしていくコーナーです。
女子大生らしく、自撮りについて。

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ほぼ100%の女子大生が、所謂「盛れるアプリ」を使っているとのこと。
そこで考案されたのが「狙った男を落とせる自撮りアプリ」です。肉食系。

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これに対し、増渕さんが真面目に要件を分解して、手段の説明をされていました。
よく言われる「綺麗」と「可愛い」の違いなど、人の感性によるところが大きく、判断基準が曖昧なので、意外と難しいとおっしゃっていました。

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男性側・女性側を分類し、マシンラーニングによって導き出された男性の好みベースを使用し、撮影のアドバイスをしてくれます。

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という事で、難しそうなAIを、「男を落とす」というカジュアルな切り口で勉強できる講演でした。


ちなみに、岡部さんは、某テレビ局への就職が決まっていて、来年からアナウンサーになるそうです。


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鹿田 貴史

携帯検索サイト立ち上げ、サーチテリア広告立ち上げ、トランスコスモスにてAskモバイル立ち上げ、アパンドールCTOを経て、現在ロボットスタート株式会社CTO。将来の夢はバスの運転士。

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