IoTビジネス共創ラボ 第2回 Pepper WG 勉強会に行ってきました その1
9月30日、IoTビジネス共創ラボ 第2回 Pepper WG ワークショップが開催されました。
こちらはソフトバンクロボティクス株式会社と事務局である日本マイクロソフト株式会社が共同で運営のワーキンググループ。Pepperを使ってビジネスを行いたい企業が対象となります。
WGのメンバーはこちら。
以下イベントページでの説明です。
第2回 Pepper ワーキンググループの勉強会では、アイディアソン(Ideathon)を実施いたします。アイディアソンとは、特定のテーマについてグループ単位でアイデアを出し合い、それをまとめていく形式のイベントです。
Cloud Robotics をテーマに、参加者の皆様と盛り上がれればと思います。IoT やPepperに興味のある方はぜひご参加ください。
前回の様子はこちらのレポートをどうぞ。
Pepperのアップデート
ソフトバンクロボティクス株式会社 村林氏からは、Pepper App Challenge 2017までの道のりをお知らせいただきました。
今回は本線に挑むまでにいくつかのルートがあります。
そのルートの一つとして、Mashup Award 2016による特大ペッパソンが今年も開催決定しました。11月5日、6日に行われます。
去年の特大ペッパソンの様子はこちらからどうぞ。
Microsoft Azure のアップデート
日本マイクロソフト株式会社 新井氏からは、Microsoft Azure のアップデートについてお知らせいただきました。
最後に、Azure勉強会のご案内です。
Azureに特化したPepper WGでの勉強会です。デモを交えながら説明が行われます。申し込みは以下から。
IoTビジネス共創ラボ 第3回 Pepper WG Azure勉強会 – connpass
追加開催: IoTビジネス共創ラボ 第3回 Pepper WG Azure勉強会 – connpass
Cloud Robotics Azure Platformの活用実践レポート
株式会社ヘッドウォータース 先端技術推進室 室長 木村正吾氏から「Cloud Robotics Azure Platformの活用実践レポート」をお伝えいただきました。
ヘッドウォータース(以下、ヘッド)でのロボット事業は、2013年からロボットアプリ制作を開始し、2015年12月には、Iotプラットフォームとなる「SynApps(シナップス)」をβリリース。そして、2016年3月には正式リリースを行い、APIサービスや業務システムへの外部サービス連携をスタートしました。
最初がPepperをスタンドアローンで使い、次にCMSを使いPepperに行わせる作業を管理して、現在は様々な情報を扱うためにマイクロソフトと提携したという流れです。
これらのクラウドロボティクス事業は、ロボットの社会進出を後押しするためのものと言えます。
Azure Cognitive Serviceなどをロボットに活用しています。具体的には、顔認識(Face API)、推測エンジン(Machine Leaning)、言語意図解析(LUIS)などを使っています。
社員の業務システムであるCRMやPOSをロボットにもシェアしたり
ロボットの仕事っぷりを、Power BIを使って簡単に分析できたりします。
ロボットの管理や仕事の設定はCMSから行えます。
システム構成図です。Pepper内のロボアプリをSynAppsで連携させ、その先にAzureや業務システム等の連携させています。
ヘッドでは、ロボットが活躍するためには、プラットフォームの強化が必要であり、Cloud Robotics Azure Platformへ移す必要があると考えます。
どうして移す必要があるのか。
まず、Clord to Robot(C2R)は不安定で面倒くさいです。そして、ログ解析と機械学習用データとしてPepperのログを収集しているのですが、Pepper1台あたりのログが膨大であるため、ロボットの台数が増えるとトラフィックとコストバランスが悪化します。
最後に、集中すべきはロボットアプリの開発であったり、機械学習やコグニティブの強化です。最終的にはクラウド側でプログラムレスのレベルに引き上げたいと考えます。
今後の活用のイメージです。
デバイス管理、Cloud to Robot制御、API処理の共通基盤、ログ蓄積、デバイス管理とCloud Robot感の高速化は、Azureを活用していきたいと考えます。
一方で、アプリの強化、共通ライブラリの量産と品質強化、機械学習や近く処理の活用強化・精度向上は自社で力を入れていきたい部分です。
こちらがプラットフォームを使ったSynAppsの構成図です。
これにより可能になったのが、顔認証受付です。会社の受付にいるPepperがFaceAPIで初対面かどうかを判定し、判定結果からCMSで設定した指示通りにPepperが対応するというもの。
もう一つが、自然言語意図解析と学習。BGMのかかる店舗に設置されているPepperが、用件をタブレットを使わず、会話で伺います。この際、聞き取りにはハンドマイク(=PCアプリ)を使用し、LUISを使ってお客様の意図を判定します。もし、意図判定ができなくともPepperが学習をして、数分後には意図判定ができるようになります。
3つ目が、Pepperのログから判定してリアクションを取るというもの。展示場に設置されているPepperを触ってくるお客様がいました。危険な体勢になってもスタッフが近くにいないので、お客様に危険を知らせることができません。
このような時、Pepperの身に何が起こっているかを、Log MonitorとMachine Leaningが自動判定し、CMSで設定したとおりの危険を回避する行動をとらせることができます。
発表は以上です。
その2に続きます。
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北構 武憲本業はコミュニケーションロボットやVUI(Voice User Interface)デバイスに関するコンサルティング。主にハッカソン・アイデアソンやロボットが導入された現場への取材を行います。コミュニケーションロボットやVUIデバイスなどがどのように社会に浸透していくかに注目しています。