小型ロボットアームの活用法を考える、デンソーの「COBOTTAハッカソン」が開催!

もしも、あなたの家の中に「簡単に使える小型のロボットアーム」があったら、何をしてもらいたいでしょうか?

「料理をしてもらいたい」「掃除をしてもらいたい」「洗濯を手伝って欲しい」…などなど、代わりにやってもらいたいことが色々とあると思います。

まさにそんな「小型のロボットアーム」の活用方法を考えるハッカソンが、9月9日(土)、10日(日)の2日間に渡って開催されました。主催は、世界屈指の自動車部品メーカーの株式会社デンソー。同社とグループ会社であるデンソーウェーブが共同開発したロボットアーム「COBOTTA(コボッタ)」を用いて、行われたのが「COBOTTAハッカソン」です。初日にアイデアソン、二日目に試作機を用いたハッカソンという日程で行われました。

技術者・営業職・経営者など、ロボットに関わる様々な職種の方々が集まりました。




開催場所はデンソーの東京支社。広々としたスペースで開放的な雰囲気

まずはじめに、株式会社デンソー 新事業推進部 新事業開発室 担当課長の井上明氏より、開会のご挨拶。COBOTTAの簡単な紹介と共に、今回のハッカソン開催に至った経緯や想いを参加者に伝えました。


株式会社デンソー 新事業推進部 新事業開発室 担当課長 井上明 氏


COBOTTAとは?

続いて、午前中はインプットタイム。COBOTTAが生まれた経緯やスペックなどがデンソーウェーブ ロボット事業部 技術企画部 製品企画室 小畠聖平氏より紹介されました。


株式会社デンソーウェーブ ロボット事業部 技術企画部 製品企画室 小畠聖平氏

COBOTTAの開発元は将棋対局専用ロボットアーム「電王手さん」でも知られる、デンソーウェーブです。デンソーウェーブは、2001年にデンソーから子会社として独立し、現在は自動認識機器、産業用ロボット、産業用コントローラの3つの事業を軸に展開しています。本体のデンソーでは、1967年に産業用小型ロボットの開発に着手し、以来50年間産業用ロボットの分野で第一線で活躍しています。


ロボットアーム「COBOTTA(コボッタ)」

デンソーが開発してきたのは、特に小型・中型の産業用ロボット。そして、それをさらに小型・軽量にして人間と一緒に働くロボットとして考案されたのがCOBOTTAです。同社が産業用ロボットの教育用として開発してきた「マイクロロボット」というロボットアームに対する意見を収集してみたところ、「アーム長をもう少し長くしてほしい」「アームの先端に小型カメラを取り付けたい」などの要望が出てきたと言い、それがこの「COBOTTA」の開発のきっかけになったと話しました。



小型ではありますが、産業用ロボットのため、ロボットの精度や耐久性は高く、人がいる環境でも安心して使用できるよう、鋭利な部分をなくした丸みを帯びた形状やロボットの関節に指を挟みこみにくい構造にするなど、安全に配慮した仕様になっています。



COBOTTAは、机の上にも置けるサイズ感で、約4kgと軽量でコントローラも内蔵しているため持ち運びにも優れています。

この小型のロボットアームの活用法として、どのようなアイデアが生まれるのでしょうか。

COBOTTAの紹介動画


写真で振り返る、初日のアイデアソン

各々アイデア出しをしていく

司会はロボットスタートの旭さんが務めました。ロボスタは今回のハッカソンに全面協力。

参加者が自己紹介を兼ねてアイデアを発表

その後、アイデアが近い人などが集まりチームに

初日夕方からチームごとにアイデア発表

審査員を務めたのは、デンソーウェーブ ロボット事業部 技術企画部 製品企画室 室長の澤田洋祐氏、株式会社アールティ 代表取締役 中川友紀子氏、ロボットスタート株式会社 ロボットエバンジェリストの西田寛輔氏の3名

この審査を通過した3チームが2日目のハッカソンへと進むことができました。作品のアイデアはどれも面白く、選考は非常に難航したと審査員たちは語りました。



2日目、いよいよハッカソンへ


2日目となった9月10日(日)、初日の審査を通過した3チームがハッカソンへと進みました。各チームに1台のCOBOTTAが用意され、デンソーウェーブの社員の方がメンターとして付きます。



JavaScriptやPython、C#の実行環境が用意され、COBOTTA付属のペンダントと呼ばれる制御タブレットだけでなく、パソコンからCOBOTTAを制御して動作させることができます。






各チーム、初日のアイデアをさらにブラッシュアップさせて、形にしていきます。



そして、午後のハッキングタイムが終わると、夕方から最終審査へ。勝ち進んだ3チームが発表していきます。



発表中は聞いている側も楽しそうです

興味深く発表を聞いている様子がわかるかと思います。

さて、一体どのような作品が最優秀賞に輝いたのでしょうか?

実は記事でお届けすることができるのはここまで。最優秀賞の作品は、今年の11月29日(水)〜12月2日(土)に東京ビッグサイトで開催される「国際ロボット展」にて、デンソーブースでの展示を目指します。



参加者は口を揃えて、今回のハッカソンを「楽しかった」「参加してよかった」と振り返りました。それはロボットのハッカソンは多数開催されているものの、今回のようなロボットアームを使ったハッカソンはほとんど開催されることがなく新鮮な体験だったからです。

しかし「ロボットアーム」がもし身近にあったら何をさせてみたいかということを考えてみたい人はたくさんいると思います。COBOTTAハッカソンは今後も引き続き開催されるとのことですので、「ロボットアームの活用方法を考えてみたい」という方は、ぜひ参加してみてはいかがでしょうか? メンターもつくので、ロボットアームの技術を理解するきっかけにもなると思いますよ。

このようなハッカソンが続いていくことで、ロボットアームが家庭の中に普及していくイメージが世の中にもきっと浸透していくことでしょう。

小型のロボットアーム、とても面白かったです。

編集後記

今回の記事では、残念ながらアイデアや作品を掲載することはできませんでしたが、「身近な課題を解決するアイデア」から「エンタメ寄りのアイデア」まで、幅広いアイデアを見ることができました。これまで参加してきた他のハッカソンに比べて楽しかったのは、そのアイデアが被ることがなく、どれも新鮮なアイデアだったからです。

コミュニケーションロボットのような会話ではなく、「実際にロボットアームが物を持てる」「精度良く手を動かすことができる」ことで、アイデアを考える幅が広がるのだと感じました。

今後もこのようなハッカソンに参加してみたいと思ったと同時に、「COBOTTA」の展開に注目していこうと思いました。

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ロボスタ編集部

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