日立グループの技術が集まる「Hitachi Social Innovation Forum 2017 TOKYO」が2017年11月1日・2日の両日、東京有楽町の東京国際フォーラムで開催されました。
日立のロボットといえば、ロボスタでも度々取り上げている「EMIEW3」や先日のCEATEC Japan 2017で発表された電球型ロボットを思い浮かべる方も多いかと思いますが、それ以外にも「こんなロボットもあるんだ!」という展示がありました!
EMIEW3が大活躍
やはり、日立といえば「EMIEW3」。
「コンシェルジュ見習いEMIEW3」を見つけました。
このEMIEW3はブースや展示の案内をしてくれるのですが、あくまでも「見習い」とのこと。とは言え、色々な音がして騒々しい会場内でも人の声を聞き取ることが出来ていました。
「写真撮っていい?」と質問すると「いいですよ。その代わり可愛く撮って下さいね」と言って、この愛くるしいポーズをとってくれました!
ステージではプレゼンテーションも。
もう1台のEMIEW3とも連携して使い方のイメージを説明してくれました。
ビジネスの現場で働く「EMIEW3」もいました。
こちらは、片方のカメラで顔認証をしつつ、もう片方のカメラを使って手の静脈認証をするというデモンストレーションをしていました。
イメージとしてはホテルのフロントで事前に登録している会員の情報と照らし合わせて、チェックインを行い部屋まで案内するというもの。1台で顔認証と静脈認証をしてくれるなんて驚きでした!
実証実験中のパーソナルモビリティ
サービスロボティクス次世代パーソナルモビリティ「ROPITS」も展示されていました。
自動運転をしてくれるパーソナルモビリティ。実は2011年から茨城県のつくば市で実証試験を行っていて、その間衝突などといった事故は起こしてないとのこと。将来的には送迎サービスや施設内移動などに利用することを想定しているとのことでした。
車両の扱いとしては「電動スクーター」となっているために、ナンバーがついていて自賠責保険のステッカーも貼ってありました。
CEATECで登場したあのロボットも進化
CEATEC JAPAN 2017の日立ブースで展示されていた電球ロボット「Ageing With me」も展示されていました。
今回の出展では幾つかの呼びかけに応えられるようになっていました。販売までにはまだ時間がかかりそうですが、一歩一歩開発が進んでいるというのが見えました。
本当に早くベッドサイドに置きたい!
共創ロボットも展示
コミュニケーションが出来るロボットを中心に見てきましたが、日立グループとしては工場の生産性の向上などを目的としたロボットも開発しています。
それが自律型移動ロボット「HiMoveRo」。上に載っているのはカワダロボティクス社製の「NEXTAGE」です。協働ロボットであるNEXTAGEを動かすことで繰り返し作業の自動化などを可能となるとのことです。
実験室をイメージとするブースで、試験管などを持って移動して機械の中にいれるというデモンストレーションを行っていました。移動に関してはSLAM技術を使って自律移動を行っているとのこと。既存の協働ロボットに移動するユニットがつくと一層協働する場が広がるのを感じました。
福島で活躍するロボットたち
2011年3月11日に発生した東日本大震災。福島原子力発電所では重大な事故が発生して、今も廃炉に向けて作業を続けてられています。その現場で活躍した、もしくはこれから活躍するであろうロボットたちも見ることが出来ました。
こちらは実際に福島第一原発の瓦礫除去などで使用された小型双腕重機型ロボット「ASTACO-SoRa」。オペレーターは離れたところから遠隔操作が出来るようになっています。また先端にあるツールは自由に交換することが出来るようになっています。ですので、「片方の腕でモノを掴んで、もう一方の腕をつかってモノを切断をする」という使い方も出来るようになっています。
テレビでは見たこと有りましたが、現物を見るのは初めての原子炉格納容器内調査ロボットの「PMORPH2」です。原子炉格納容器の底を調査するのを目的としているロボットです。
ガイドパイプ走行時はまっすぐヘビのように伸び、グレーチング走行をする際は変形をして写真の様な形となります。少し見にくいですが、本体から下にセンサーユニットを降ろしてカメラや放射線量率を測定することが出来るようになっています。
全長が70cmなのですが、耐放射線仕様となっているため各種補強などがされており、実際は約10kgもあります。一瞬磁石にくっついているのかと思うくらいの重量がありました。間近で見られてしかも持てるなんて、なかなか出来ない経験が出来ました。
また、これ以外にも廃炉作業に用いられる、バネと水圧で駆動する「筋肉ロボット」の開発状況のビデオも放映されていました。
様々な方面のロボットが見られた!
日立グループとなると、EMIEW3の様なコミュニケーションロボットから福島第一原発の廃炉作業に用いられるような特殊なロボットまで手がけているということを再確認した展示会でした。
役割は異なるけど、どれも人の役に立つロボットということは間違いありませんよね。