【動画あり】トヨタの最新人型ロボット、国際ロボット展でデモ披露 「動きなめらか」「バランス良し」「遅延なし」
開催中の国際ロボット展にて、トヨタのヒューマノイドロボット「T-HR3」が展示されている。これは、トルク(力)を制御するトルクサーボモジュールと、全身を自在に操るマスター操縦システムなどにより、操縦者がT-HR3にかかる外からの力を感じながら、操縦者の動きを再現することができる人型ロボットだ。
まずは以下の動画をご覧いただきたい。これは、国際ロボット展のトヨタのブースで行われているデモの様子だ。
隣にいるヘッドマウントディスプレイをつけた操縦者が取ったポーズを、隣にいる「T-HR3」がほぼ遅延なしにおこなっているのがわかるだろう。
またこちらのシェーのポーズやウサイン・ボルトのポーズなど10種以上のポーズをデモしている。体がなめらかに動き、バランスが良いことがわかる。
トヨタは過去にもパートナーロボットとして2つのロボットを発表してきた。これらは楽器を演奏するものであり、指の動きなどプログラミングに基づく位置制御の正確さを追求して来た。
一方この第三世代となる「T-HR3」では、やさしく、しなやかな動きが可能なロボットを目指し開発が進められてきたという。これにより、家庭内やオフィスなどで一緒に働いていても、人に危害を与える心配もなく、安心して隣にいることができる。
このしなやかな動きは、トヨタが多摩川精機株式会社および日本電産コパル電子株式会社と共同で開発を進めてきた「トルクサーボモジュール」によってもたらされている。トルクサーボモジュールは、内蔵された高感度トルクセンサーによりトルクを感知し、意図したトルクを出力できるよう、モーターを制御するものだ。これにより、ロボットの関節を柔軟に制御することでしなやかな動きを実現するとともに、ロボットが外から受ける力を操縦者に伝えることができる。このトルクサーボモジュールは、T-HR3の関節29か所とマスター操縦システムの16か所に配置されている。
トヨタは「将来的には、家庭や医療機関だけでなく、災害地、建設作業、宇宙などで活躍するロボットへの応用を視野に入れている」と語っている。