【PAC 作品自慢総選挙】オレたちが選んだ受賞作品を紹介するぜ!
「SoftBank Robot World」の2日目に開催されたPepper App Challenge(PAC)の番外編となる「PAC作品自慢総選挙」。
このイベントは、「PACのファイナルに残れなかった作品」+「エッジが効いている作品」全15作品を紹介し、当日会場に来たお客さんのWeb投票で賞を与えてしまおうという企画です。
2日目の基調講演の裏という時間帯にも関わらず、多くの方が観覧にいらしていました。
オファーを受けたにも関わらず、ぱっぺーがPepperのキャラクターガイドラインに違反しているとのことで、ブランドNGのシールを貼られてしまいました。そんなところからイベントスタートです。
PAC本選の決勝戦で各賞を発表
「PAC作品自慢総選挙」では、ビジネスに与える可能性がある「ビジネス革新大臣賞」、新たなユーザー体験を与える「UXデザイン革新大臣賞」、優れた技術革新をもたらす「技術革新大臣賞」、そして最も投票が多かった「PAC作品自慢総理大臣賞」の4つの賞を用意しています。
各賞の発表は2日目の午後から行われたPAC”本選”の決勝戦内で行われました。
PAC総選挙内でブランドNGを喰らってしまったので、各賞の発表のアプリ解説は「ぱっぺー」ではなく「あさひ」で登場。(ちなみにガチでその場で結果発表が行われたため、事前に結果は教えられていなかったということを書き加えておきます。
受賞した作品は再度プレゼンテーションを行います。これはPAC総選挙を見ていない方への配慮。但し、総選挙のプレゼンテーション時間は5分だったのですが、3分に減らされていました。とは言え、全てのチームが3分でもその魅力を十分伝えられたのではないかと思います。それでは結果をご紹介していきます。
「ビジネス革新大臣賞」は『おもてなしPepper』
まずは「ビジネス革新大臣賞」の発表から。
受賞作品はPPOPさんの『おもてなしPepper』となりました。
来社されたお客様に対しておもてなしをしつつ、Pepperと各種のデバイスを連携して「スマート商談」を行うというものです。
「顔認識をしてお客さまを特定」「会議アジェンダの提示」「会議室IoT連携」「整列お辞儀」などが行えるようになっています。具体的にはPepper同士がデータ連携をすることで会議室への誘導したり、複数台のPepperが整列してお辞儀をしたり、会議室内で内容・時間・空調環境の管理調整を行うものです。これにより来社したお客様に対して「おもてなし」をするという訳です。
確かにこの様にトータルで会議前から会議後まで全て行うアプリは見かけたことはありませんでした。今後も継続的に開発をしていくとのことですが、多くのお客さまが来社して打合せを行うような企業にとっては、時間も効率化でき、気持ち良く商談も運べそうですよね。
「UXデザイン革新大臣賞」は『Robava』
続いて「UXデザイン革新大臣賞」の発表です。
受賞作品は「Be a robot」さんの『Robava』となりました。
このアプリはPepperに乗り移るかのような体験ができるものです。この大型の装置はPAC総選挙会場でも組み立てられて実際に体験することもできました。
Pepperに接続された各種デバイスと、人が乗り込む装置とが連動することでPepperに乗り移った体験ができるのです。プレゼンテーションでは、今年の夏に開催された「Maker Faire Tokyo 2017」での展示の模様の映像も流れましたが、人がPepperを操作することで、まるでPepperが本当に生きているようになり、且つ周りの人のコミュニケーションが一段と楽しくなるというものでした。まさに新たな「UX」を体験できるものです。
将来的にはAI等と連携すること自然に近づけるかも知れませんが、やはり人間が操作すると体験が全く違うものになるのだと感じました。
「技術革新大臣賞」は『人肌感覚を持ったPepper』
続く「技術革新大臣賞」はJAPERAさんの『人肌感覚を持ったPepper』です。
この作品、他の作品とは一味違います。ポイントは人肌と同じような感覚を受け取ることが出来るセンサーがポイントなのです。
新開発した「人肌感覚」を実現するセンサーをPepperの肩に載せることで、人と触れ合うことができ、もっと密なコミュニケーションが取れるのではないかというもの。このセンサーはシート状になっていて、その上印刷して作られています。はい、超ハイテクです。
人は肌に触れる強さで感覚が変わります。触れられるとのと叩かれるのは同じ「接触」ですが違いますよね。その差を読み取ることができるセンサーなのです。
今のPepperのセンサーでは触られたということしかわかりませんが、このセンサーを使うことで強さや範囲を読み取ることができるので、様々な応用が効くのではと考えられています。
ある意味反則に近い様な作品ですが、これがPepperを含めコミュニケーションロボットのセンサー部分に反映されたらと思うと想像が膨らみます。
「技術革新大臣賞」にふさわしい作品でした。
「PAC作品自慢総理大臣賞」は度肝と爆笑に包まれた作品!
いよいよメインの「PAC作品自慢総理大臣賞」です。
「PAC作品自慢総理大臣賞」受賞作品は、ハッピーまつもとの「Pepperはじめてのおつかい」でした!
国民誰もが知っているであろう人気テレビ番組「はじめてのおつかい」。それをPepperを使ってやってしまったという、ある意味問題作です。
実際の商店街にPepperを連れていき、遠隔操作して買い物をしてしまいます。それも八百屋さんとお肉屋さん。まるで本物の「はじめてのおつかい」みたいです。
物珍しく写真撮る人やどうして対応して良いか戸惑っているオヤジさんなどが映っていて、社会実験のような作品となっていました。
しかし、思った以上に、商店街の皆さんが買い物をしているPepperに優しく接しているのを見ると、まだまだ捨てたものじゃないんだなと感じました。
本編のPACとは違うが意義のあるイベント
今回の記事では、受賞作のみをご紹介しましたが、全体的にエッジが効いている作品が多かったというのが正直な印象です。受賞作以外にも個人的には賞をあげたいと思うようなものが何作品もありました。
最近のPACは「ビジネスに使える」という視点で選ばれるものが多いですよね。もちろんそれが悪いとは思いませんが、今回開催されたPAC総選挙のように「自分たちのやりたいことをPepperを使って実現する」という中から新しいイノベーションが生まれる可能性はあるのではないでしょうか。また、投票じゃなければ「Pepperはじめてのおつかい」が賞を取るのは簡単ではないはずです。アプリデベロッパーさんの技術研鑽の場として、この企画は次回以降も継続して実施して欲しいと切に願っています。(もちろん次回も司会をする用意は万端です!)