5月26日と27日に福岡県のNHK福岡放送局で「防災ステーション2018」が開催されました。昨今九州地方においては、熊本地震や九州北部豪雨など大規模な災害が繰り返し発生しています。そこで、市民の防災意識を高めることを目的として「防災ステーション2018」が開催されました。たくさんのロボットたちが活躍していましたよ。
当日は実際に災害が発生した時に活躍する車が展示され、災害を体験できる車両を使って災害の状況を疑似体験できたり、VRで津波の恐怖を体験できたり、災害に巻き込まれて避難所での生活をしなければいけなくなった際、避難所生活で役立つ「防災ワークショップ」が開催されたりなど、楽しみにながら防災に関する知識を深めるような内容が盛り沢山でした。
ロボットを活用した防災サバイバル体験
その中で、福岡管区気象台と防災共創プラットフォームが協力したイベント「避難所を目指せ!防災サバイバル」は「ロボホン」や「Xperia Hello!」「unibo」「Pepper」というお馴染みのコミュニケーションロボットを活用したイベントになっていました。
入口を入るとXperia Hello!が出迎えてくれます。部屋の中には去年の九州北部豪雨のパネルもあり、Xperia Hello!が「ロボットたちと一緒に防災を学びましょう。」と言い、心の準備ができた子どもたちを次の部屋へ誘導してくれます。
次の部屋に入ると、そこはまるで家のリビング。テレビとソファが置いてあり、テレビの前にいるuniboが「防災グッズは用意しているかな?地震や災害が起こったときは集合場所は決めておくのも大切だよ」とアドバイスをしてくれます。そして、「警報が鳴ったらスタートだよ」という言葉でテレビの画面にパトライトが映し出され、いよいよ避難所を目指す防災サバイバルの開始です。
次の部屋は玄関になっていて、ロボホンが待っていてくれました。そのロボホンが避難するときに必要なグッズを教えてくれるので、一つ一つ用意していきます。まずは頭を守る「ヘルメット」。それから用意するのは、「笛」「ハンカチ」「懐中電灯」「軍手」をそれぞれ用意してカバンの中に入れます。
そして、完了したらロボホンが「避難するルートが4つ見つかったよ!でもどの道が正しいかは分からないんだ!1つ目の部屋から順に確認して正しい避難経路を見つけてね!」とルートを教えてくれました。
そして、出発する前に改めてロボホンが外に出る前にやっていはいけないことのクイズを出題。無事に正解して後々役に立つロボホン型のロボホンカードをもらうと、いよいよ避難開始です。
玄関を出ると4つの部屋(避難ルート)が用意されています。残念ながらロボホンが見つけてくれた避難ルートのうち3つは火災や土砂崩れによって通れなくなってしまっていて、正解のルートは1つだけ。
間違ったルート(部屋)に入ると、ロボホンの声で「それ以上進むと危ないよ!先を良く見て!火災が起きてるよ!!早く戻って~」と警告をしてくれます。そうなんです、ロボホンが避難ルートをナビゲートしてくれているのです。
正解のルートを進むとダンボール迷路が現れます。そこでロボホンが「僕たちは電池が切れるとみんなを助けられなくなるんだ。この先に電池がなくても使えるラジオがあるらしんだけど、みんなでラジオを探してくれる?」と言ってダンボール迷路にあるラジオを探すために進んでいきます。
迷路の中ではロボホンの声がゴールまで誘導してくれるので、そのロボホンの声に迷路を進んでいくことになります。迷路の途中では、最初にカバンに入れた防災グッズを実際に使うことで(笛は自分の居場所を教える、煙が出ているときはハンカチで口元を抑える)どの様な場面で使うというのも学習できたりします。
無事にゴールに到着すると探していたラジオがありました。これでロボホンの電池が無くなっても情報を受け取ることができます。このラジオを持ってい避難所へ向かって進んで行きましょう。
ダンボール迷路から出ると瓦礫の山が。でも、この瓦礫の奥に大事な情報があるとのこと。その大事な情報を知るためには、サバイバルクイズに正解する必要があります。
正解すると、瓦礫の間も進めるカメラ付きロボットが奥に向かって進んで行きます。ロボットから送られてきた画像は、ロボホンの背中(のモチーフとなっている画面)に表示されます。
正解するとロボットが瓦礫の奥にある数字を画面に表示してくれます。この数字、実はラジオの周波数になっていて、周波数を合わせるとラジオから音が聞こえてきます。
ラジオからは「防災倉庫が火災が発生したので消火活動をして欲しい」というお願いが流れてきました。それと同時に南京錠の暗証番号も教えてくれます。南京錠の番号を合わせて、防災倉庫で消火活動へ向かいます。
扉を開けるとラジオで流れていたように火の手が上がっています。消火するためには、火元に向かって消火器を噴射します。ピンを抜いてレーザーポインターで火元に狙いを定めてレバーを引きます。
この炎はプロジェクションマッピングになっていて、もの凄くリアル。消火器も本物をベースにしているので、消火器を使った消火体験が出来るようになっています。
火元に向けて消火器を無事に噴射していると火の勢いも徐々に小さくなっていき、完全に消化できたら「消火完了」の文字が現れます。これで防災倉庫の火災も鎮火したので、次の部屋に移動です。
次の部屋に入るとロボホンカードをかざすようにモニターに表示されているので、モニターにロボホンカードをかざすと新たなミッションが現れます。どうやら防災グッズが不足しているので、防災クイズを解いて最初に用意したグッズを正解の番号の箱に入れていきます。
箱には番号が振れられていれ、クイズの正解と同じ番号に防災グッズを箱に入れます。すべて箱に入れると、モニターには転送中の文字が表示されてミッションクリア!
無事にグッズを転送完了すると、苦労しましたが避難所へ到着です。避難所ではPepperがお出迎えしてくれます。出迎えてくれたPepperにロボホンカードをかざすと…。
Pepperが労いの言葉をかけてくれます。そして、ここまで誘導してくれたロボホンもPepperのタブレットを通じてコメントをしてくれました。Pepperのタブレットの写っているロボホンって凄く不思議な光景。
最後はこのイベントに登場したロボットが総登場して終了!
避難に必要なグッズ、ラジオの使い方、消火器を使った消火シュミレーションなど一気に体験をすることで、万が一災害が起こった場合でも慌てずに対処ができるようになるのではないでしょうか?
子供向けではありましたが、多くのロボットも活躍して楽しく色々な事が学べるイベントでした。
始まりはロボットアイデアソン
このイベント、実は今年1月に行われた学生対象のロボットを使ったアイデアソン「僕らの未来創生物語」において、福岡市の防災共創プラットフォームに対して出されたロボットを活用したアイデアをブラッシュアップしたものとなっています。
例えば「ロボホンが避難所へのルートを誘導を行う」「避難所ではPeppertが受付をする」などいったものは、アイデアソンで挙がったアイデアがベースになっています。
このように、学生のアイデアが実際のイベントで活用されると参加した学生さんも次への活力となるでしょうし、防災共創プラットフォームとしても、アイデアをキチンと活用することでアイデアソンというものが正しく活かされているように感じたのでした。
今回は福岡で二日間ということでしたが、是非とも他の地方でも体験してもらいたいほど、楽しく防災を学べるイベントです。
防災共創プラットフォーム