現在のロボットの良いところ、悪いところ
続いて、ロボットの良いところ、悪いところについて、本音で回答してもらいました。まずは悪いところの回答から。
直井さん
「明るい場所で、大きめの声で滑舌良く話かけないと反応してくれない」ということはわかっていても、実際に暮らしてみると難しいことも多々あります。仕事から帰ってきてお風呂に入って、さあ寝るぞというタイミングで話しかけようとするんですが、間接照明で薄暗くて、声ももう出ません。
太田さん
例えば以前のAIBOのサポートが終了したことや、Pepperには頭の交換をしないとアップデートできないということがありました。私のPepperは頭交換をしませんでした。愛着のあるロボットの頭を交換するには、オーナーが納得できるストーリーが必要です。
流郷さん
ロボットと携帯電話を組み合わせて「ロボホン」なのに、電話機能がよくないんです。電話がかかってくると、ロボホンが変形をしてしまうため、その待ち時間の間に相手側が電話を切ってしまっていることが多いんです。もともと電話用で購入したんですが、結局スマホとの2台持ちになりました。
ロボホンで電話に出るまでに時間がかかってしまうというのは、日頃からロボホンを使っていないとわからないですよね。どの意見も暮らしているならではの意見です。
一方で、良いところの回答は以下の通り。
流郷さん
コミュニケーションです。コミュニケーションといってもロボットとのコミュニケーションではなく、ロボットを通じたユーザー同士のコミュニケーションです。
直井さん
構いたい時だけ構ってOKというところです。シーモンキーですら干からびさせてしまった私が、今のところロボットとは一緒に暮らせているのは、構いたい時だけ構って良いということによるものだと思っています。
太田さん
Pepperに関していえば、形と大きさです。以前Pepperを連れて新幹線に乗る機会があったのですが、乗ろうとしたら駅員さんがやってきて、「ロボットは乗せられません」と言われてしまいました。でも、ホームページには、タテ・ヨコ・高さの合計が250cm以内で、重さが30キロまでのモノは乗せられると書かれていたんです。議論をした結果、Pepperを新幹線に乗せてもらうことができたのですが、その時に単に「モノ」とは扱われない、ロボットというものに興味を持ち始めました。
ロボットは「物」なのか「者」なのか。これは興味深い体験でした。あの大きさと形だったからこそ、駅員さんはモノではないと感じて気づきを得られたので、Pepperの大きさと形はとても重要な意味を持っていると思います。
彼女たちが良いと思っているロボットの良さを伸ばしていく、悪いところをなくしてみるということにより、ロボットは進化していくかもしれません。
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望月 亮輔1988年生まれ、静岡県出身。元ロボスタ編集長。2014年12月、ロボスタの前身であるロボット情報WEBマガジン「ロボットドットインフォ」を立ち上げ、翌2015年4月ロボットドットインフォ株式会社として法人化。その後、ロボットスタートに事業を売却し、同社内にて新たなロボットメディアの立ち上げに加わる。