【本店】武蔵野銀行さんで働いているPepperを見てきました
武蔵野銀行さんに行ってきました!
先日、埼玉県主催の第3回ロボットビジネス交流会に参加した際のレポートを書きましたが、そこで登壇されていた武蔵野銀行さんで働いているPepperを見せていただき、取り組みについてお話を聞いてきました。
埼玉県では本当に知らない人はいないといういう位有名な武蔵野銀行なのですが、県外の方ではご存じない方もいらっしゃると思いますので、まずは簡単にご説明を。
昭和24年に政府の一県一行主義が改められ、同25年から29年の間に全国で12の地方銀行が新たに誕生しました。武蔵野銀行は、昭和27年大宮(現さいたま市)に本店を置き、埼玉県の地方銀行として県内の中堅・中小企業などの金融の円滑化を図ることを目的として設立、以来、県民の皆さまのご支援と県勢の発展に支えられ、今日に至っております。(武蔵野銀行Webサイトより抜粋)
ちなみに最寄駅の駅前には35年以上前から「ぶぎん通り商店会」というエリアがあるくらい埼玉県に根付いている地方銀行です。ある意味もの凄く「お固い」イメージで、ロボットのようなトレンドに乗らないイメージがあった武蔵野銀行さんが、何故Pepperを導入されたのかなどを聞いてみました。
お伺いしたのは、武蔵野銀行の本店。埼玉県の大宮駅から徒歩5分程のところにあります。
Pepperはこの本店以外に、さいたま新都心にある「さいたま新都心パーソナルプラザ」に配属されています。
何かやらないといけない!
左が本店営業部次長の石井さん、真ん中が本店に配属されているPepper(for Bizモデル)、右が営業企画室調査役の山田さん
先ずは山田さんにお話を伺いました。
「遠くない将来、ロボットが色々な場面に入って来るのは間違いないと考えています。そこで武蔵野銀行としても何かやらないといけないという事になり、ソフトバンクさんとも以前からお付き合いがあったのでPepperを導入しました。
現状としては『話題作り』となっています。先日のロボットビジネス交流会でもプレゼンテーションさせて頂きましたが、能力しては十分に使えるということが分かりました。特にロボットが話すと皆さん耳を傾けてくれるので、今後は各種勉強会や県内の学校での金融教育の一環にも使っていきたいですね。」
武蔵野銀行さんのPepperへの取り組みは、ロボットスタートのパートナー企業でもあり、埼玉県に拠点を置いている生活革命さんにお手伝いをお願いしているとのこと。
「生活革命さんとは埼玉県の方にご紹介いただき、協業してやっています。イベントなども数多くこなしているので安心してお願いできます。」
ベンチャー企業がなかなか地方銀行に食い込むというのは難しいのですが、埼玉県が間に立ってマッチングをすることでこの様なことが可能になっているのですね。
今後のロボットについては
「今直ぐに別のロボットを新たに導入するということはありませんが、今話題になっているFinTech(Financial technology)の波は地方銀行にも嫌でも来ます。その一環としてロボットアドバイザー(質問に回答すると要望にそった資産運用をアドバイスしてくれるシステム)ということは検討しています。また、銀行の業務は定型のものが多いので、効率を考えて将来は営業時間外は人ではなくロボットが応対するなどの可能性はあると思いますが、銀行は効率以外の部分もあるので検討を重ねていきます。」
と前向きにお話が伺えました。また、地方銀行でもFinTechの波が押し寄せて来ていることに驚きました。
積極的にロボットをプッシュしている埼玉県の役割についても聞いてみました。
「正直、Pepperを始めてみて色々見始めました。大学や研究所は色々あるので要素技術は実はあるのではないかと思っています。それをいかにマッチングして、サイバーダイン社みたいな企業を埼玉県から作り出せるか。それを銀行としてもお手伝いをしていく。これが出来たら埼玉を地盤としている銀行の銀行員としてはもの凄い喜びです。埼玉県が旗を振ってくれているので、県内の他の金融機関と協力出来るというのもポイントです。
以前と違って銀行の役割も変わってきていると思います。ただ、出来ることも決められてしまっていますし、短期の利益を出すというのはもちろん必要ですが、企業を育てる/一緒に成長をしていくということが今後は大切だと思います。」
女性やお子さんにPepperは人気ですね
店頭でのPepperの活躍に関しては、本店営業部次長の石井さんに聞いてみました。
「本店ということで、長時間Pepperに触れる方はいらっしゃいませんが興味は持たれています。実際は女性やお子さんがですね。若い人は自ら触りにいきますが、年配の方は少し恥ずかしいので積極的に行かれるということは少ないかも知れませんが、ご案内すると非常に興味を持たれますね。」
待合ロビーでのPepperは特に今のところ故障もなく絶好調とのこと。ちょっと活躍を見ていましたが、声のボリュームも調整されていて邪魔にならないような位の声量でお客様にアピールをしていました。その声に反応してチラッと見る女性のお客様いらっしゃったりと思った以上に溶け込んでいました。
とは言え、本店の窓口にいらっしゃるお客様より、もう一つの設置店舗さいたま新都心パーソナルプラザのPepperの方が人気があるとか。
みずほ銀行の導入から始まったロボットの銀行での導入。今後も様々な地方銀行が導入されると発表されています。先ずは銀行からロボットと人のビジネスコミュニケーションが始まるのかも知れません。
取材にご協力を頂いた、武蔵野銀行の山田さん、窓口営業時間中にPepperについて教えていただいた石井さん、本当にありがとうございました。