「Pepper SDK for Android Studio 体験会」に行ってきました
先日ソフトバンクロボティクスにより発表されたAndroidのSDKがPepperに対応したことを受け、5月29日アトリエ秋葉原で「Pepper SDK for Android Studio 体験会」が開催されました。
今日のタイムスケジュールです。
最初に、ソフトバンクロボティクス 事業推進本部 猿田晋也さんから「Pepper SDK for Android Studio インストールチュートリアル」の説明です。
本日の体験会の想定ユーザは、Pepperアプリ開発者でこれからAndroid Studioを覚えたい方、Android StudioユーザでこれからPepperアプリ開発を覚えたい方です。
注意点です。
今日は正式公開前、全ての情報が揃う前に行っているフライング的な位置づけな体験会です。そのため本日お伝えした内容から変更の可能性がありますので、ご注意ください。
Pepper SDK for Andoroid Studioとは。
Andoroid StudioでPepperアプリを開発するため、以下の機能を追加するプラグインです。
・ロボットブラウザ
・ロボットビューアー
・ロボットエミュレータ
・アニメーションブラウザ
・アニメーションビューア
・アニメーションエディタ
・チャットトピックエディタ
・Qi SDK(JAVAのAPI library)
Andoroid Studioのシステム要件です。
Andoroid Studio:Version 1.5以上
SDK:上記Andoroid Studioのバージョンに準拠
Windows OS:Window8.1以前(今後Macにも対応予定)
Memory/CPU:上記Andoroid Studioのバージョンに準拠
Macについては動く場合もありますが、公式にはサポートしていないそうです。
Android SDKとBuild in Tool のインストール方法です。
Pepper SDK for Android Studioのダウンロードです。
ソフトバンクロボティクス Developer Portalのダウンロードページから取得を行います。現在はLinux版とWindows版のβ版が公開されています。
Pepper SDK for Android Studioのインストールです。
Android Studioの標準のPlug inインストールと同じ方法です。
ロボットSDKとツールのインストールです。
アイコンの説明です。
・SDK Managerは、SDKのバージョン管理を行います。
・Emulatorは、ロボットビューアー及びAndroidエミュレータを起動します。
・Connect/Disconnectは、実機やバーチャルロボットとの接続と切断を行います。
・Rest/WakeUpは、実機とバーチャルロボットのスリープと起動を行います。
アプリケーションの作成(プロジェクトの作成です)。
ここからはアプリケーションの作成方法です。
今日のイントロダクション、サンプル、APIリファレンスはそれぞれ以下のページを参照してください。
イントロダクション
http://android.aldebaran.com/doc/index.htmlサンプル
http://android.aldebaran.com/doc/tutorials.htmlAPIリファレンス(JavaDoc)
http://android.aldebaran.com/doc/javadoc/index.html
Android SDK / Android対応Pepperに関する情報は、ソフトバンクロボティクスのDeveloper Portalでチェック。ユーザ登録後、ニュースレターチェックで最新情報がメールで届きます。
現在、Qiitaでcardboardキャンペーン実施中です。
Qiitaに「開発サンプル」や「やってみた」体験を投稿したcontribute順20名の方に、Pepper cardboard進呈中です。
条件は、PepperとAndroidのタグが付いている記事であること。内容がPepper Android SDKに関すること。GithubやFacebookなどのコンタクト先があることです。
詳細はPepper Developer Portalで。
猿田さんからの発表は以上です。
続いて、ソフトバンクロボティクス事業推進本部 縄田昇司さんからのお話です。
先日発表されたPepperのAndroid対応。そこから出てきた「今度のSDKは何ができるのか?」や「ソフトバンクロボティクスは何を考えているのか?」についてお話いただきます。
縄田さんの自己紹介です。
今まで研究開発と財務以外のことほぼ全てをやっていて、今はPepperのデベロッパーを国内外問わず拡大することに挑戦中。5月からはPepperのUSサイトもオープンし、アメリカやフランスにデベロッパーを広げる活動もされています。
本日もフランスのAldebaran出張から帰ってきたその足でアトリエ秋葉原にいらっしゃいました(おつかれさまです!)。
Pepper Android SDKについて、できることはこれまでのSDK(Choregraphe)とほぼ変わりません。ただ、以下の3点に変化があります。
(1) Android開発者から見ると、同じUI/UXでロボアプリ開発が可能になりました。これにより、Pepper開発者の層がAndroid開発者にも広がるようになりました。
(2) バーチャルロボット環境で、会話・モーションに加え、タブレット表示が可能になりました。特にChoregrapheにはなかったタブレットでのエミュレーションもできるようになったのは大きいかと。
(3) Google Playを通じてロボアプリを配布・販売できる可能性が現実的になりました(現在準備中)。準備中なのは、ロボアプリのセキュリティーやその他問題について社内で検討をおこなっているためだそうです。
今後に向けてです。
Pepperはオープンなロボットプラットフォームを目指します。
Aldebaranはハードウェアの企画製造とNAOqiやChoregrapheのソフトウェア製作の両方を1社で行う、言わば垂直統合モデルの企業です。
ソフトバンクは、一家に一台のロボットを入れる未来を目指す事に重きを置いています。
このような両社が議論するようになり、特定の知識を知らないとロボアプリが作れない状況より、Android含め色々な開発者プラットフォームに対応する方向になりました。
ここから、何かを知らないと作ることができない世界から、元々知っている事を活用しながら作れる世界を目指します。
そして、より良いものが作りやすいプラットフォームを目指します。
今までのNAOqiは、特にB2Bでビジネスするお客様にとって1社の開発会社で広範囲の対応をする必要があるイメージがありました。見た目はPepperが普通の事をやるロボアプリなのに、開発のためにはやる事がたくさんありました。
今回Android対応する事により、Androidコミュニティの過去の資産を活用する事で、ビジネスでのロボアプリ開発がやりやすくなると予想されます。
今回、Pepperデベロッパーポータルを開設しました。
Pepper Developer Portal
https://developer.softbankrobotics.com/jp-ja/
縄田さんは元々エンジニアで、『ベーシックマガジン』を発売日に買っていた子供時代を過ごしてました。その頃から知識が増えると自分の世界が広まる感覚がありました。
ヨーロッパでは、NAOのコミュニティが活発で「ロボットってこういうあるべきだよね」というベンダーの方が多く、そういう感覚でロボアプリを作っているそうです。
デベロッパーポータルでは、海外の開発者の使い方を学んだり、成果を共有する事で、自分の世界が広がるサポートを行います。そういう意味でグローバル全体でロボアプリ開発を盛り上げていくようにしていきたいそうです。
縄田さんからの発表は以上です。
続いて、日本アンドロイドの会 大和田健一さんからからのライトニングトークです。
大和田さんの自己紹介です。Pepperオーナーで日本Androidの会横浜支部支部長。ファブラボ関内のディレクターも務めています。
大和田さんによる、Pepper SDK for Android Studioの雑感です。
・環境設定は簡単(ただし、ChoregrapheとAndroidを両方触った事がある場合です。どちらも触った事のない人はそれなりに難しいかも)
・アプリ作成も簡単
・エミュレーターはよく出来ています
・Choregrapheとほぼ同じです
・ドキュメントはまだ不十分です(今のドキュメントだけでロボアプリを作るってのは大変かもしれません)
環境設定画面です。
アプリ開発画面です。
エミュレーター画面です。
チュートリアルの雑感です。今後の充実を期待したいところです。
チュートリアルの雑感が続きます。
大和田さんが今回のためにGithubをつくりました。
今回大和田さんがPepper SDK for Andoroid Studioで作ったロボアプリです。Pepperが動物の動きをするというものです。現在Android対応Pepper実機はアトリエにもないため、バーチャル環境での披露となりました。
大和田さんのライトニングトークは以上です。
今日のPepper SDK for Android Studio 体験会は以上で終了です。みなさまお疲れ様でした。
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北構 武憲本業はコミュニケーションロボットやVUI(Voice User Interface)デバイスに関するコンサルティング。主にハッカソン・アイデアソンやロボットが導入された現場への取材を行います。コミュニケーションロボットやVUIデバイスなどがどのように社会に浸透していくかに注目しています。