第3回 IBM Watson 日本語版ハッカソンday3に行ってきました。(後編)

6月12日(日)、サムライスタートアップアイランドで開催された「第3回 IBM Watson 日本語版ハッカソン day3」に行ってきました。

こちらは IBM Watson 日本語版を活用したソリューションやアプリケーションを作成するハッカソンです。

こちらの記事は後編です。前編・中編はこちらからどうぞ。

▽第3回 IBM Watson 日本語版ハッカソンday3に行ってきました。(前編) – ロボスタ
▽第3回 IBM Watson 日本語版ハッカソンday3に行ってきました。(中編) – ロボスタ

ここからはPepperも活用した作品です。



■9. アビールコンサルティング株式会社 「スマートホテル」

結婚記念日にホテルに行った鈴木さん。ロビーにPepperがいたので会話をしました。

その後、海外旅行でアメリカに行った鈴木さん。アメリカのホテルで会ったPepperが鈴木さんのことを覚えていてくれました。

ホテルに「Pepper」という新しい役割をつくり、ホテルのサービスをさらに素晴らしいものとします。

今までのホテル業には、誰でもできるけど誰かがやらないといけないタスクというものがありました。それらをPepperとWatsonが行い、Pepperの役割とします。

このシステムのターゲットはラグジュアリーホテル。

今回のシステム構成図です。

発表は以上です。

質疑応答です。

Q)Pepperとワトソンだからこそできることを教えてください。

A)例えば、過去に来たことあるお客様の情報を参照し、次回以降にその人にあった情報を提案することができます。

質疑応答は以上です。



■10. イサナドットネット株式会社 「スマート介護」

介護には大きな問題があります。介護職員数の不足、介護施設の不足。これらの不足を補うため、コミュニケーションの課題を解決し、介護施設の課題も解決することを狙います。

デモです。

血圧を測りながらPepperがおじいちゃんの話し相手になってくれます。

スマート介護を実現する仕組みです。

血圧測定中の会話を、Watsonで解析し、介護士の方が状態を知ることができるというものです。

これにより、介護士は心構えやシミュレーションができるので、ストレスが軽減されます。また、被介護者にとっても気分を踏まえた対応をしてもらえて、介護士を信頼できるようになります。

ビジネスモデルです。

発表は以上です。

質疑応答です。

Q)今回のデモは実際に今実際に話をした内容を使ったんですか?

A)はい。今行った会話データを使いました。

質疑応答は以上です。



■11. 株式会社プロトコーポレーション 「スマート商談」

自動車を買う時には、色んな不安があります。

何に重点を置いて選べばいいかわからない。簡単に希望の新車を絞り込める方法ってある?燃費や費用のランキングを見ても決めきれない。自動車にこだわりがない時にはどう選べばいい?

自動車を買う時の課題は3つあります。高額な買い物なので失敗しない買い物”感”をどう提供するか。家庭内での円満な合意形成。決断の背中を押すものはなんなのか?

それぞれに解決策があります。店員によるアドバイス以上の納得できる選択肢。家族間の合意を促す「可視化」や「データ化」。決定できない障壁を試行錯誤で解消。

高価な買い物をする時には「警戒・注意の壁」というものがあります。この過程を経て制約に向かいます。

そこで、「車選び」ではWatsonを使って的確な選択肢を具体的に提供します。そして、「車決め」ではPepperだからできる人間のようで人間ではできないアドバイス体験を提供します。

発表は以上です。

質疑応答です。

Q)「Pepperを使って最後の後押し」はどういうことでしょうか?

A)Watsonのデータや会話内容のキーワードクラウドなど複数の手法を使って、最後の後押しを促します。

質疑応答は以上です。



■12. 株式会社ジェイアール東日本企画 「スマートおもてなし」

「おもてなし」とは、お客様が欲するモノ・コトを察して、先回りしてそっと手を差し伸べることと考えます。

WatsonとPepperを使ったソリューションの基本構造は、どのようなものであってもこのようになると考えられます。

訪日外国人観光客への「おもてなし」を行う時、アウトプットは日本の魅力を伝える観光案内となるでしょう。

ここで課題になるのは「インプット」です。

訪日外国人観光客がやりたいことをPepperに喋ってもらおうとしても、駅にあるPepperだと公衆の面前のためしゃべることに抵抗はあります。

インプットの解決策は「交通系ICカード」です。

Pepperに「ピ!」をするだけで瞬時に豊かなインプットが行えます。

交通系ICカードには様々な情報が詰まっています。

それら情報を以下のような仕組みで活用します。

例えばこちらのジェイムスさん(男性・28歳)。交通系ICカードのログから、様々なことがわかります。

このログ情報を解析し、Watsonによって理解・推論を行い、様々な情報を推薦します。

現在、交通系ICカードを巡るインフラ・ハードは順調に対応しています。

日本全国の公共交通機関で施行される、訪日外国人への交通系ICカード対応・普及は政策として強化されつつあります。

ここで問題はソフト対応=人員の増強です。例えば、首都圏のターミナル駅を運営するために500人規模の従業員が必要となります。2020年に訪日外国人のお客様が2倍規模に拡大するとなっても、従業員を2倍倍増させるのは大変です。

そこで、ハードとソフトの中間であるWatson x Pepperによる「スマートおもてなし」を提案します。

発表は以上です。



■13. 富士フイルムICTソリューションズ株式会社 「スマート職場」

突然ですが質問です。みなさんの会社ではストレスチェックをしていますか?もし、していたとしても本音で答えることができましたか?

そこでPepperとWatsonを使ってストレスチェックを行い、あなたの職場の求職者を減らします。

精神疾患は早期に気づいて対処したほうがいいと言われていますが、いくつかの課題があります。

これらの課題もPepper+Watsonを使って解決することができます。

仕組みです。

Pepperが人間の写真を撮り、顔画像から誰がどういう気分かを解析します。一方で、Pepperが人間と簡単なゲームをしながら会話を行います。その会話の内容から感情分析を行います。

ビジネスモデルです。

市場進出の戦略です。

発表は以上です。

質疑応答です。

Q)Pepperが職場にずっと置いてあると話しかける人は少なくなると思います。飽きさせない工夫はありますか?

A)Pepperを自走させて、会話を発生させるために簡単にできるゲームをして会話を発生させようと思います。

質疑応答は以上です。

これですべての発表は以上です。審査を行い、決勝戦に進む作品を選出します。



■決勝進出5チームの発表

審査の結果、以下の5チームが決勝進出となりました。

  5. 株式会社インキュビット 「スマートTV AD」
  7. システムリサーチ株式会社 「スマート自治体」
  8. 株式会社セイノー情報サービス 「スマート長距離運転パートナー」
 12. 株式会社ジェイアール東日本企画 「スマートおもてなし」
 13. 富士フイルムICTソリューションズ株式会社 「スマート職場」

5チームの皆様、決勝戦も頑張ってください!




■SoftBank World Challenge 2016 開催のお知らせ

ここで事務局からお知らせです。

7月21日、22日に開催されるSoftBank World 2016にて「SoftBank World Challenge 2016」の同時開催が決定しました。

過去3回のIBM Watson 日本語版ハッカソンで受賞した15チームが予選を行い、その後決勝を行うというものです。参加チームは写真の通り。IBM Watson日本語版ハッカソンの頂点が決まるこちらのイベントも注目です。

みなさまお疲れさまでした!

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北構 武憲

本業はコミュニケーションロボットやVUI(Voice User Interface)デバイスに関するコンサルティング。主にハッカソン・アイデアソンやロボットが導入された現場への取材を行います。コミュニケーションロボットやVUIデバイスなどがどのように社会に浸透していくかに注目しています。

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