金融国際情報技術展(FIT2016)に行ってきました – Pepper、PALRO、ロボピン、IBM Watsonと連携したロボコットなどを展示

9月8日、9日東京国際フォーラムで開催された金融国際情報技術展(FIT2016)に行ってきました。

FIT(Financial Information Technology)は、金融総合専門誌「ニッキン(日本金融通信社)」が主催する国内最大の金融期間のためのITフェア。今回のテーマは「変革期の決断。〜価値観の多様化を新技術で乗り越えろ〜」ということで、FinTechや人工知能、ロボットなどをどのように活用するかに注目が集まります。




株式会社アイネス

アイネスでは、Pepperを使ったソリューションの展示を行っていました。


アイネス社のクラウドからロボアプリをインストールするというシステムです。遠方に設置したPepperを管理する時などに、実際に現地に行かなくともPepperの管理が行えるというものです。



ブラウザからPepperを操作できるリモコンです。ブラウザで動かすことができるので、タブレットやスマホなどからPepperを動かすことができます。


阿波銀行へはPepper導入の際に、「阿波踊り」を行うアプリも同時に製作・提供されたそうです。実際に阿波踊りをされている方からPepperへの指導(?)も行い、まるで人間が踊っているような阿波踊りを行います。



NAOのソリューションも提供しています。タブレットと連携して「自己紹介」や「アンケート」を行うというものです。



これまでに地方銀行や信用金庫などの金融系へのロボット導入を8機関支援してきたアイネスには、ロボットの機能を最大限生かした活用法の相談も増加しているそうです。

関連サイト
株式会社アイネス




株式会社富士ソフト

富士ソフトでは、PALROを使ったソリューションの展示を行っていました。


タブレット連動したPALROが、投資信託の説明やアンケートを行うというものです。


カウンターに配置されたPALROが商品説明やサービスの案内、手続きの説明、カウンターへの誘導を行います。


現在開発中のスマホ用BotアプリとPALROの連携です。



便利なのは、Bot上で金融機関への窓口の予約をした後、PALROがそのまま引き継いで店頭で対応をしてくれるというものです。これにより、人間が窓口業務を行うよりも作業の手間を減らすことができます。


PALROの代表的な導入実績です。横浜銀行、千葉銀行、常陽銀行、南都銀行、肥後銀行やカブドットコム証券などに導入済みです。


参考出展で、PALROの目から見ている、人間の顔を認識する様子がありました。PALROにはこう見えているんですね。


こちらの参考出展は、PALROの会話用人工知能の応用です。まず人間の会話から、質問の内容を理解します。そこから答えを説明している文章を見つけ出します。Q&A形式ではない、単なる説明文章を解析し、質問に対する答えを見つけ出します。


エンタメステージでは学園天国の歌に合わせて、5台のPALROによるダンスが行われていました。


関連サイト
富士ソフト株式会社




タケロボ株式会社


タケロボではマスコットロボット「ロボコット」の展示を行っていました。


こちらのロボコットは、プリンターと連携して受付を代行しています。


こちらはゲームや占い、自己紹介の他に、IBM Watsonの事例紹介を行うロボコットです。


店舗での活用事例の紹介です。

受付・案内では、ロボコットの画面、音声や音声認識を使って対応が可能です。商品紹介では、インターネットに接続可能なロボコットなので、人間以上の記憶容量の対応が行えます。そして、ロボコットはマルチリンガルなので、外国語でのやりとりも行えます。


自宅での活用事例の紹介です。

ロボコットはネットワーク接続機能があるので、高齢者向けのサービスや遠隔地向けのサービスを提供することができます。


ロボコットはIBM Watsonと連携しており、人間との対話を機械学習させることで自然な会話が行えます。



複数台の連携も行えるので、それぞれのロボットに役割を与えて連携させることで、接客力の向上なども可能です。


ロボコットのスペックは以下の通りです。


 サイズ:28cm(高さ)×30cm(幅)×17cm(奥行)
 画面:8インチ タッチパネル
 可動部:両腕(各1軸)
 拡張:USB,WiFi,Bluetoothなど
 価格:オープン価格


関連サイト
タケロボ株式会社




富士通株式会社

富士通のブースでは、メディエータロボット「ロボピン」が展示されていました。


「メディエータ」とはどういうことかと調べてみたら、ロボスタの過去レポートに紹介がありました。

メディエイタ(mediator)とは「仲裁人」を意味する単語で、人と人、人とシステムの間にRoboPinが入り、良い関係性を構築したいという思いで開発されたそうです。

デモです。今回はロボピンとタブレットが連携しています。


顔認証で本人かを確認し、受付業務を行います。事前にインターネットなどで予約した内容がタブレットに表示されます。



資産運用についてリスク度や目的を伝えると、その人に合った金融商品を紹介してくれます。



地図のピンを模したロボピンは、色々な動きでお勧めをしている様子を表現しています。予想以上にオススメなポーズをしてくれます。



紹介された金融商品の資料は事前にスマホへ専用アプリを入れておくと、そのままスマートフォンに電子データを転送することができます。




最後にぺこりとお辞儀してくれます。人間っぽい形状じゃなくても、動きの工夫で十分な接客が可能なんですね。


関連サイト
富士通

レポートは以上です。

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北構 武憲

本業はコミュニケーションロボットやVUI(Voice User Interface)デバイスに関するコンサルティング。主にハッカソン・アイデアソンやロボットが導入された現場への取材を行います。コミュニケーションロボットやVUIデバイスなどがどのように社会に浸透していくかに注目しています。

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